大阪と東京を拠点に活動する演劇ユニット「坂本企画」は、最新作『さりゆくものみな』を2025年11月21日(金)から24日(月・祝)まで、東京・三鷹のSCOOLにて上演します。
先行して行われた大阪公演では2度の超満員を記録し、千穐楽には客席から歓声が上がるなど高い評価を獲得。「安楽死」という現代的なテーマを扱いながら、観客の人生に深く寄り添う話題作が、いよいよ東京で幕を開けます。
坂本企画『さりゆくものみな』東京公演

公演期間:2025年11月21日(金)~11月24日(月・祝)
会場:SCOOL(東京都三鷹市)
料金:一般前売 4,000円 / U25前売 2,000円 など
「ほんの少し、ボタンを掛け違った人間の悲劇に寄り添う」をテーマに掲げる坂本企画の第23回公演。
安楽死制度が認められた近未来の日本を舞台に、認知症により意思を失いつつある母と、その「事前の指示」に向き合う家族の葛藤を描いた会話劇です。
大阪公演では「美しい幕切れでした」「ラストの台本一ページで泣ける作品」といった感想が寄せられ、多くの観客の心を揺さぶりました。東京公演ではさらに演出を練り込み、作品の余韻を深めた形で上演されます。
“美しい幕切れ”と評された濃密な物語

物語の主軸となるのは、四十代の男・ユウリと、認知症によって家族のことを忘れ去ろうとしている母・アンナ。
ユウリは、母から事前に託されていた「安楽死」の指示を遂行するため、妻や義父を説得しようと試みます。しかし、そこにあるのは「かつての母の意志」と「今の母の意志」のズレ。
「母さん。僕は母さんの死を、母さんに返すことができるだろうか。」
答えの出ない問いを前に揺れ動く家族の姿を通して、人がどのように生き、どのように別れを迎えるかという普遍的なテーマを静かに、しかし鋭く問いかけます。
実力派キャストが紡ぐ「静かな衝撃」

出演は、中野聰(愚禿堂)、江本真里子、川添公二(テノヒラサイズ)、そして坂本企画の荘司歩美の実力派4名。
熟練の演技に加え、場面ごとに変化する繊細な光と音の演出が、登場人物の心情を立体的に浮かび上がらせます。
脚本・演出の坂本涼平氏は、「自分が晩年になった時、どんな最後を迎えたいか」という個人的な問いから本作を着想。「観た人の人生の一部となる作品」を目指し、誰にとっても他人事ではない“生の選択”を描き出します。
鑑賞に関する配慮(トリガーアラート)
本作は、人間の生死や安楽死、認知症、自死に関する表現を含みます。また、演出上、大きな音や暗転が含まれる場面があります。
観客への配慮として、懸念がある方には事前の台本PDF提供も行っています(詳細は劇団公式サイト等をご確認ください)。未就学児童の鑑賞は不可、小中学生は推奨されていません。
心に深く残る、静謐で切実な家族のドラマ。
坂本企画『さりゆくものみな』東京公演の紹介でした。