紫外線などを照射すると青色に発光!GSアライアンス「廃プラスチックから合成した量子ドット」

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GSアライアンスは、廃プラスチックから量子ドットを合成する新技術を開発しました。

同社の森良平博士(工学)によるこの成果は、深刻化するプラスチック汚染問題の解決に貢献する可能性があります。

合成された量子ドットは、紫外線などを照射すると青色に発光します。

 

GSアライアンス「廃プラスチックから合成した量子ドット」

 

廃プラスチックを原料として合成した炭素量子ドット

 

地球温暖化や環境汚染が深刻化する中、プラスチック汚染も壊滅的なレベルになりつつあります。

2019年の世界のプラスチックごみ総排出量は3億5300万トンにのぼり、このままでは2060年に約3倍の10億トン超になると予測されています。

また、微小なマイクロプラスチックやナノプラスチックは既に地球上のあらゆる場所で発見されており、人体への健康被害も懸念されています。

 

廃プラスチックリサイクルの課題

 

プラスチックのリサイクル手法にはマテリアル、ケミカル、サーマルリサイクルなどがありますが、普及には課題があります。

日本では回収された廃プラスチックの多くがサーマルリサイクル(熱回収)されていますが、これは世界的にはリサイクルと見なされていない場合があります。

また、プラスチック製品に再生するマテリアルリサイクルは、汚れや異物、多種多様な樹脂の混合により、再生が難しいという課題を抱えています。

そのため、廃プラスチックを焼却、埋め立てせずに、有効な物質や製品に再生することが大きな価値を持ちます。

 

廃プラスチックから合成した量子ドット

 

GSアライアンスは、この状況下で廃プラスチックを原料として量子ドットを合成しました。

合成された量子ドットは炭素量子ドットの類であり、紫外線照射下やブラックライト、波長の短い青色の光で照射すると、波長の長い青色を発光します。

 

量子ドットの応用可能性

 

量子ドットは、2023年のノーベル化学賞の対象にもなった最先端材料で、ナノスケールの超微細構造を持ちます。

今回合成された量子ドットも、その独自の光学特性を活かし、センサー、バイオイメージング、触媒、LED、エネルギー産業、農業分野などへの応用が期待されます。

GSアライアンスは、今後そのような応用の研究開発も進める予定です。

 

深刻化する環境問題に対し、廃プラスチックを先端材料へと再生させる新技術!

GSアライアンスによる「廃プラスチックから合成した量子ドット」の紹介でした。

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