リスクモンスターの連結子会社であるリスクモンスターチャイナは、利墨リスモン調べ「第2回中国日系企業の商標保有数ランキング」を発表しました。
2025年4月時点で開示されていた中国全土の法人登記情報および2025年8月時点の商標情報から、日本企業が出資する中国企業およびグループ企業27,148社を対象に調査したものです。
リスクモンスターチャイナ 利墨リスモン調べ「第2回中国日系企業の商標保有数ランキング」

調査対象:中国全土で登記されている日本企業出資の中国企業及びそのグループ企業 27,148社
(2025年4月時点の法人登記情報、2025年8月時点の商標情報に基づく)
リスクモンスターチャイナが独自に収集した中国の日系企業データベースや業界情報を基に調査・分析したレポートです。
2024年8月に発表した前回調査から1年以上が経過し、AI技術の普及や米国による対中制裁などを背景に、中国での事業環境の変化がみられる中、中国日系企業における商標保有数の実態が調査されました。
商標総件数はわずかに増加、商標保有の日系企業数は減少
調査の結果、2,830社(日系企業の10.4%)が合計31,858件の商標を保有していることがわかりました。
前回調査(2,870社、30,832件)と比較すると、商標を保有する企業数は減ったものの、商標総件数は+1,026件とわずかに増加しました。
新製品・新サービスを展開する企業に出願が集中する傾向が見られました。
業種別:「科学技術の普及・応用サービス業」が大幅増加

業種別にみると、上位10業種に大きな変化はなかったものの、順位の入れ替えが見られました。
「卸売業」、「自動車製造業」は順位を維持。
前回3位の「ビジネスサービス業」と4位の「化学原料・化学製品製造業」が順位を入れ替える結果となりました。
また、「科学技術の普及・応用サービス業」(1,183件)は前回(911件)より29.9%増加し、順位を10位から8位に上げています。
日本親会社別:「日本ペイントホールディングス」が増加数1位に

日本親会社別の商標保有数ランキング10社は、前回調査と同じ企業が9社を占め、小幅な順位変動が見られました。
中でも、「立邦塗料(中国)有限公司」(親会社「日本ペイントホールディングス」)が商標件数を大幅に伸ばしました!
商標分類別:「第2類」がランク外から10位に

実際に商標登録時に選択するニース国際分類においても、日本ペイントホールディングスの取扱商品が多く分類される「第2類 工業や美術用の顔料、着色剤、防腐製品」が前回調査(388件)よりも624件増加。
ランク外から10位に順位を上げました。
商標出願件数の年次推移:2024年は2,000件を下回る

2015年から2024年までの10年間における商標出願件数の推移を調査したところ、2021年まで一貫して増加傾向が続いたものの、同年をピークに減少に転じ、2024年には年間2,000件を下回りました。
この推移から、日系企業による中国市場での新規事業展開やブランド戦略の勢いが一服している可能性がうかがえます。
中国での商標の有効期間は10年であり、ブランド資産を維持するためには戦略的な知的財産投資の継続が求められます。
商標保有件数は、企業の製品開発力やブランド戦略を読み解く指標として、重要な意思決定材料になると言えそうです。
リスクモンスターチャイナによる「第2回中国日系企業の商標保有数ランキング」の調査結果紹介でした。