GSアライアンスの森良平博士(工学)は、脱炭素、カーボンニュートラル社会構築のための最先端技術を研究開発。
茶殻、コーヒーかす、廃木材などの植物バイオマス系有機廃棄物から量子を合成し、農薬、殺菌剤としての機能を持つことを確認しました!
環境に優しく、低コストな農業技術として期待されています。
GSアライアンス 植物バイオマス系有機廃棄物由来「量子ドット農薬(殺菌剤)」

GSアライアンスの森良平博士は、茶殻、コーヒーかす、廃木材などのバイオマス有機廃棄物から「量子ドット」を合成しました。
量子ドットとは、2023年のノーベル化学賞の対象にもなった最先端材料です。
この量子ドットが、農薬、特に殺菌剤としての機能を持つことが確認されました。
有機廃棄物から作ることが可能で、製造方法もそれほどコストがかからないため、従来の農薬と比較して安価になる可能性も秘めています。
廃棄物由来の量子ドットが持つ殺菌機能
農業では作物に様々な病気が発生しますが、日本の農業病害の75%が糸状菌(カビ)によって起こると言われています。
今回の実験では、トマトを宿主とする疫病菌、イネの紋枯病を引き起こす菌、そして灰色かび病の原因となる病原菌の3つにおいて殺菌性を試験。
その結果、茶殻、コーヒーかす、廃木材から合成された量子ドット全てにおいて、殺菌性を確認しました!
ナノ材料である量子ドットは、その超微小サイズにより、菌の細胞壁や細胞膜により強く相互作用し、細胞内に浸透しやすいとされています。
細胞内に入った後、遺伝子変異や活性酸素種を生じさせ、菌を破壊する効果が抗菌性、殺菌性の原因となっていると考えられています。
環境に優しく、低コストな農業技術へ
量子ドットの原料である廃木材、茶殻、コーヒーかすには、フラボノイド、ポリフェノール、カテキンなどが含まれています。
量子ドットがこれらの性質を引き継いでいる部分も、抗菌性や殺菌性の性質を反映している可能性があります。
さらに、畑などで太陽光が照射された場合は、光触媒と類似の作用で、抗菌、抗ウイルスの効果も期待されます。
原料は廃棄物と言えど天然由来なので、人為的に石油から作られた化学肥料にはない安全な可能性もあります☆(※厳密な安全性試験はこれからの課題です)
コスト面でも有利で、環境に優しい農業技術として、今後の農業に大きな貢献をすることが期待されています!
GSアライアンスでは、今後も他の有機廃棄物から量子ドットを合成し、それらの農薬としての効果も確認していく予定です。
GSアライアンスが開発した、有機バイオマス系廃棄物由来の「量子ドット農薬(殺菌剤)」の紹介でした。