スリールは、男女1,278名を対象に実施した「仕事と子育ての両立に関する調査」の結果をまとめた『両立不安白書2025』を2025年11月4日に公開しました。
調査の結果、依然として6割が「仕事と子育ての両立に不安を抱えている」と回答し、これまで「女性の課題」とされてきた両立不安が、男性にも広がっていることが明らかになりました。
スリール「仕事と子育ての両立に関する調査」結果『両立不安白書2025』公開

調査名:仕事と子育ての両立に関する調査(『両立不安白書2025』)
調査対象:男女1,278名
公開日:2025年11月4日
「両立不安」とは、仕事と子育ての両立に直面する前から不安を抱える現象を指すスリールの造語です。
スリールが2017年に初の「両立不安白書」を発行してから8年。
共働きが当たり前になり、男性の育児休業も広がるなど制度整備は進展しましたが、今回の調査では性別に関係なく“両立不安”が広がっている実態が浮き彫りとなりました。
【考察1】男女ともに抱える“両立不安”

調査結果によると、子どもがいる男性の57.3%、女性の72.3%が両立不安を経験しています。
さらに、子どもがいない層でも、女性の2人に1人、男性の3人に1人が不安を抱えていることがわかりました。

これまで「両立不安=女性の課題」とされがちでしたが、実際には男女共通の課題であることが明らかに。
男性は「育児に関わりたいが仕事を減らせない」といった板挟みに、女性は「体力や精神的余裕の不足」に直面しており、社会構造的な課題であることが浮き彫りとなっています。
【考察2】男性の約6割が両立不安を理由に転職・退職を検討

両立不安を抱えた子どものいる男性の66.3%が「退職・転職を考えたことがある」「実際に転職/退職した」と回答しました。
この割合は子どもがいない男性でも56.4%に及びます。
特に子どもを持つ男性では、中堅層・管理職候補が離職を検討する状況が見られ、組織の競争力低下に直結する課題です。
【考察3】女性の2人に1人が両立不安を理由に転職・退職を検討

女性の2人に1人が両立不安を理由に転職・退職を考えたことがあると回答。
特に子どもがいる女性では65.0%が検討し、11.5%が実際に離職しています。
こうした不安は「制度があるかどうか」だけでなく、職場の雰囲気や周囲の理解といった組織文化に大きく左右されることが示唆されました。
男性も両立できる組織へ ―両立支援と活躍支援のバランス―

今回の調査から、企業に求められるのは、状況に応じて“負担と機会を調整するマネジメント”であることが提言されています。
制度を整えるだけでなく、心理的安全性のある環境、公平な評価制度、そして日常のマネジメントや組織風土が伴って初めて、社員は活躍を実感できるとしています。
企業が目指すべきは、「ただ働き続けられる場ではなく、男性も女性も、だれもが活躍できる組織を実現すること」であり、これは重要な経営課題です。
スリール 代表取締役 堀江 敦子氏 コメント
スリール代表取締役の堀江 敦子氏は、今回の調査で、両立不安は女性だけでなく男性にも広がり、さらにキャリア意欲の高い人材ほど強く抱えていることが明らかになったと指摘。
制度が整っていても、“安心して使える空気”がなければ意味がなく、両立を支える制度に加え、“活躍支援”がそろったときにこそ社員のやりがいが最も高まることが分析からわかったと述べています☆
両立支援と活躍支援の両輪をそろえ、安心して挑戦できる職場文化をつくることが、企業の競争力や社会の持続可能性につながると考えているとのことです。
仕事と子育ての両立不安が、性別を問わずキャリア形成や離職意向に影響を与えている実態が明らかになりました。
スリールが公開した『両立不安白書2025』の調査結果の紹介でした。