芝浦工業大学が主催する「第20回 高校化学グランドコンテスト」の最終選考会が、2025年10月25日と26日に芝浦工業大学豊洲キャンパスで開催されました。
1位の文部科学大臣賞には、東京都立日比谷高等学校が選ばれました!
3位までの3チームには、芝浦工業大学から海外の国際フォーラムへの参加費や渡航費などが支援されます。
芝浦工業大学「第20回 高校化学グランドコンテスト」

「高校化学グランドコンテスト」は、全国の高校生および高等専門学校生(3年生以下)が行っている「学習研究活動」を支援する教育支援プログラムです。
高校生自らが自主的な探究活動を楽しみながら科学的な創造力を培い、将来、科学分野で活躍できる人材の育成を念頭に置いて行われています。
第20回を迎えた今回は、第1次審査を通過した全国66校115チームの高校生が研究成果を発表し、2日間で延べ900人以上が来場しました。
第20回 高校化学グランドコンテスト グランドアワード

口頭発表10チームの中から特に優れた発表に「グランドアワード」が贈られました。
- 1位 文部科学大臣賞:東京都立日比谷高等学校「ドラッグ・リポジショニングを活用した遺伝子操作技術の開発」
- 2位 化学未来賞:静岡北高等学校 科学部水質班「安価な自作炎光光度計によるリチウムイオンの定量法の開発」
- 3位 化学技術賞:兵庫県立宝塚北高等学校 化学部「天然多糖類を用いた固体二次電池の開発」
グランドアワードを受賞した上記3チームは、シンガポールで実施されるサイエンスフェア「International Science Youth Forum (ISYF)」、もしくは台湾で実施されるサイエンスフェア「Taiwan International Science Fair (TISF)」に招待されます。
前回(第19回)1位と3位のチームは2025年1月に台北(台湾)で開催されたTISFに参加し、それぞれ生化学部門1位、化学部門3位を受賞しました。
文部科学大臣賞(1位)の研究概要
1位の東京都立日比谷高等学校は「ドラッグ・リポジショニングを活用した遺伝子操作技術の開発」を発表しました。
「ドラッグ・リポジショニング(既存薬の新たな用途転用)」を活用し、安全性が保証された遺伝子操作技術の開発が求められています。
本研究では、広く用いられる安全な抗生物質トリメトプリム(TMP)を添加した時にDNA組換え酵素(Cre)の働きを向上させ、従来技術と比較してDNA組換え効率を8倍も高める遺伝子操作技術を開発しました。
アワード・ポスター賞

【アワード】
- 審査委員長賞:福井県立藤島高等学校 課題研究チーム「高濃度溶液における凝固点降下」
- 審査委員特別賞:灘高等学校 化学研究部「アントラセン誘導体の 9,10 位への導入基と 溶液中での消光に関する考察」
【口頭発表金賞】
- 愛媛県立西条高等学校 科学部
- 大牟田高等学校
- 岐阜県立岐阜高等学校 自然科学部化学班
- 大阪桐蔭高等学校 理科研究部
- 名城大学附属高等学校 スーパーサイエンスクラス
【ポスター賞】
- 芝浦工業大学柏高等学校 科学部
- 福井県立藤島高等学校
- 長野県諏訪清陵高等学校 化学部(2チーム)
- 岐阜県立八百津高等学校 自然科学部
- 静岡北高等学校 科学部水質班
- 滋賀県立虎姫高等学校
- 愛媛大学附属高等学校 理科部
- 愛媛県立西条高等学校 科学部
- 池田高等学校 地球科学班桜島チーム
特別協賛企業賞・ゴールド協賛企業賞
【特別協賛企業賞】(口頭発表対象)
- 第一三共賞:東京都立日比谷高等学校
- NAGASE賞:大阪桐蔭高等学校 理科研究部
- DIC -Color and Comfort- 賞:灘高等学校 化学研究部
- 日本ゼオン・チャレンジ賞~挑戦の先に答えはある。~:福井県立藤島高等学校 課題研究チーム
- IHI賞~未来を拓く挑戦者たちへ~:兵庫県立宝塚北高等学校 化学部
- 水のオルガノ賞:静岡北高等学校 科学部水質班
【ゴールド協賛企業賞】(ポスター発表対象)
- サカタインクス賞:静岡県立静岡高等学校 化学部
- メルク賞:安田学園高等学校 サイエンスクラブ
- 化学情報協会賞:愛知県立春日井高等学校 サイエンス部
- ケミマテ賞:富山県立富山中部高等学校 スーパーサイエンス部
全国の高校生たちによる、ハイレベルな研究成果が発表されたコンテスト。
受賞チームの皆さん、おめでとうございます☆
芝浦工業大学で開催された「第20回 高校化学グランドコンテスト」の紹介でした。