公益財団法人日本交通文化協会と九州旅客鉄道株式会社(JR九州)は、JR九州・熊本駅の在来線改札内1階に、大型ステンドグラスによるパブリックアート『肥後のいろどり』を設置し、2025年10月22日(水)より公開しました。
原画は熊本の染色工芸家・高津明美氏が手掛け、熊本地震からの復興が進む故郷をアートの力で盛り上げたいという思いが込められています。
日本交通文化協会／九州旅客鉄道株式会社 JR熊本駅 パブリックアート『肥後のいろどり』
JR九州・熊本駅の新たな復興のシンボルとなるパブリックアート『肥後のいろどり』
縦4.0メートル、横3.2メートルの大作に、熊本を象徴する肥後六花をはじめ、熊本城や通潤橋、御田祭の宇奈利(うなり)など、熊本の風情や文化が情緒豊かに、そして力強く描かれています。
復興が進む今だからこそ伝えたい、熊本の多彩な魅力が凝縮された作品です！
本作は、日本交通文化協会による562番目のパブリックアートとして企画され、41の地元企業・団体のご協賛やクラウドファンディングなど、多くの方々の支援により実現しました。
作品概要『肥後のいろどり』
設置場所：JR九州・熊本駅 在来線改札内1階
規模と仕様：縦 4.0m・横 3.2m、LED内蔵のステンドグラス
原画・監修：高津明美(染色工芸家)
ステンドグラス制作：クレアーレ熱海ゆがわら工房
企画：公益財団法人日本交通文化協会
協力：九州旅客鉄道株式会社、株式会社グローカル・クラウドファンディング
ステンドグラスには、ドイツの職人が手吹きでつくるアンティークグラスを42色、1,031ピース使用しています。
特にこだわったのは、作品の中央に描かれた肥後六花！
端正な一重咲きで優美な花芯、清らかな姿を表現するために、ガラスピースを大きく切り出し、アンティークグラスの豊かな濃淡の美しさを最大限に生かしています☆
花ごとに異なる技法を用いることで、花々の個性を丁寧に表現。
中央の肥後花菖蒲は、原画の色彩に合わせて紫色と透明の二層ガラスを用意し、削ることで色彩のコントラストと透明感を際立たせています。
原画作家 高津明美氏
高津明美(たかつ あけみ)氏は1947年熊本市生まれ。
染色工芸家として50年以上にわたり活動されています。
長らく伝承が途絶えていた染物「天草更紗(あまくささらさ)」の復元・研究にも取り組み、工芸美術の発展と地域文化の振興に貢献。
2023年には第73回熊日賞を受賞するなど、日展や日本現代工芸美術展で多数受賞されています。
ステンドグラス制作 クレアーレ熱海ゆがわら工房
ステンドグラス制作は、静岡県熱海市にあるクレアーレ熱海ゆがわら工房が担当しました。
1981年に建設され、建築家・隈研吾氏が設計を手掛けた工房です。
ステンドグラスや陶板レリーフを用いたパブリックアート作品を主に制作しており、ベルギー人の故ルイ・フランセン氏の指導のもと、世界屈指の製作技術を確立しました。
ヨーロッパ発祥のステンドグラスに繊細で細やかな日本的なデザインを取り入れ、多くのアーティストとコラボレーションを行っています。
企画 公益財団法人日本交通文化協会
1948年設立。交通文化の振興を目的に、駅や空港、公共施設にパブリックアートを設置する活動を続けています。
最初の作品は1972年の東京駅設置作品で、現在までに全国562点の作品を手掛けています。
公共建築費の一部をアートのために支出する「１％フォー・アート」の法制化実現にも長年取り組んでいます。
協力 九州旅客鉄道株式会社 (JR九州)
九州地方を中心として旅客鉄道等を運営する鉄道事業者。
1987年に日本国有鉄道から鉄道事業を引き継いで発足しました。
鉄道事業のほか、不動産業、小売業、農業など多角的に事業を展開しています。
熊本の美しい自然や文化が、色鮮やかなステンドグラスとなってJR熊本駅を彩ります。
多くの方々の支援によって実現したこのアート作品は、訪れる人々の心を温かく照らし、復興への希望を象徴する存在となるでしょう。
駅を利用する際は、ぜひ足を止めてご覧ください！
JR熊本駅で公開されたパブリックアート『肥後のいろどり』の紹介でした。