太陽石油株式会社と三井化学株式会社が、サーキュラーエコノミーの実現に向けた協業について検討を開始しました。
両社がそれぞれ進めてきたケミカルリサイクルの取り組みを活かし、廃プラスチックを原料とするケミカルリサイクル製品の供給拡大を目指します。
太陽石油/三井化学 サーキュラーエコノミー実現に向けた協業検討
太陽石油は、ISCC PLUS認証の取得や廃プラスチック分解油等の受入設備建設を進め、製油所設備を活用したケミカルリサイクルの開始準備を進めてきました。
一方、三井化学は、バイオマスナフサや廃プラスチック分解油を化学品・プラスチックの原料として活用する取り組みをすでに行っています。
今回の協業検討は、これまでの両社の取り組みを通じて、ケミカルリサイクル製品の供給をさらに拡大させることを目的としています。
協業検討の具体的な内容
本検討では、三井化学のクラッカー(基礎化学品製造設備)では処理が難しい廃プラスチック分解油の一部(重質分)を、太陽石油の四国事業所で処理します。
そして、太陽石油は三井化学に対し、マスバランス方式によるケミカルリサイクル由来のナフサやプロピレンなどを提供します。
この協力により、使用可能な廃プラスチック原料の拡大にも取り組みます。
加えて、将来的にはバイオマス製品の供給拡大に関しても協業の可能性を検討していく予定です。
マスバランス方式について
マスバランス方式とは、バイオマス由来などのサステナブルな原料と、石油由来などの従来の原料を混合して製品を製造する際に、投入したサステナブルな原料の量に応じて、製品の一部にその特性を割り当てる手法です。
この方式により、製品の物性を変えることなく、社会全体のバイオマス度やリサイクル率を向上させることが可能になります。
カーボンニュートラル社会やサーキュラーエコノミーの実現に向けた重要なアプローチとして注目されています。
太陽石油と三井化学は、この協業検討を通じて、サステナブル(持続可能性)を超えたリジェネラティブ(再生的)な社会の実現に向けて貢献していきます。
日本のサーキュラーエコノミー実現に向けた、大きな一歩となりそうです。
太陽石油と三井化学による、サーキュラーエコノミー実現に向けた協業検討の紹介でした。