プレマシードは、2025年5月21日~6月18日にかけて「通信制高校における入学前後の意識調査」を実施しました。
プレマシード「通信制高校における入学前後の意識調査」
調査手法 :ネットリサーチ
対象者条件:【性別】男性、女性
【地域】全国
【その他条件】通信制高校に現在通っている生徒
またはかつて通っていた方
調査期間 :2025年5月21日~6月18日
※1) 調査結果は小数点第二位を切り捨てた数値で表示しています。
プレマシードは、2025年5月21日~6月18日にかけて「通信制高校における入学前後の意識調査」を実施。
この調査は通信制高校に現在通っている生徒(958名)とかつて通っていた方(34名)の計992名に行い、「現在の学年別」、「入学種別」、「入学時の学年別」などに分けて統計を取っています。
この統計により、通信制高校への入学前後で変化したことを調査しました。
(※1)
<調査結果トピックス>
・通信制高校に「入ってよかった」と答えた生徒は84.4%
・入学理由は不登校や体調不良などネガティブなものが多いが、入学後にポジティブに変化する生徒が多数
・入学前は「楽しみ」と「不安」が拮抗。
特に転・編入生は不安が強い傾向に
・入学後の安心要因は「先生の親身な対応」「友人の優しさ」など、人とのつながりが中心
・多くの生徒が入学後に興味関心や夢を見つけ、進路を前向きに考えられるように
・通信制高校は感受性が高く個性を大切にする生徒にとって、安心して学べる環境
Q1. あなたは通信制高校に入ってよかったですか。
(単数回答/n=992)
Q1 グラフ
通信制高校に入学してよかったかを聞いた問いに対して、84.4%もの人が「はい」と答えました。
「どちらでもない」は13.5%、「いいえ」は2.1%でした。
すべての割付で「はい」と回答した人が80%以上で、入学種別や学年に関係なくほとんどの人が通信制高校に入学してよかったと感じています。
Q2. Q1の回答をした理由をお答えください。
(自由回答/n=141)
「はい」と答えた方の主なコメント
・人との関わりが苦手でしたが、今は人と話すのが好きになり、スタッフになれたりして楽しいから(17歳/男性)
・体調のことで悩んでいて、全日制の高校に行くことでいじめられるのではないかと不安だったが、通信制高校に入学してまわりを気にしたり悩みやストレスがなくなったから(16歳/女性)
・自分に向き合う時間が圧倒的に増えて、自分を大切にできるようになったから(18歳/女性)
<プレマシード代表 岩田のコメント>
通信制高校への入学理由は生徒によって異なります。
人間関係の悪化や体調不良に伴い不登校になった、やりたいこと、夢を実現させるためなどさまざまですが、ネガティブな理由が大半です。
しかし、ネガティブだったものが通信制高校に入学してからポジティブに変化し、学校を楽しんでいる生徒がたくさんいます。
同社で企画や動画編集にチャレンジしている、通信制高校に通うインターンの学生も同様です。
このポジティブな変化が「通信制高校に入学してよかった」という評価につながっているのだと思います。
Q3. 通信制高校に入る前の気持ちとして最もあてはまるものをお答えください。
(単数回答/n=992)
Q3 グラフ
入学前の気持ちは「とても楽しみ」が14.1%、「やや楽しみ」が25.6%で、合計すると39.7%でした。
一方、「とても不安」は15.2%、「やや不安」は26.8%で、こちらの合計は42.0%となりました。
学年別では高校1年生、入学種別では新入学の「楽しみ計(とても楽しみ+やや楽しみ)」の割合が45.0%と全体より高く、高校生活への期待感が表れています。
Q4. 通信制高校へ入ったあと、不安に思ったこととしてあてはまるものをお答えください。
(複数回答/n=992)
Q4 グラフ
入学後の不安としては「一人で学習を続けられるか」が最も高く51.1%でした。
次いで「生活習慣が乱れないか、サボり癖がついてしまわないか」が49.2%、「勉強についていけるか、就職のときに不利にならないか」が44.9%と続きました。
<プレマシード代表 岩田のコメント>
「入学前の気持ち」では楽しみ計(とても楽しみ+やや楽しみ)が39.7%、不安計(やや不安+とても不安)が42.0%となり、ほぼ同率でした。
これは新しい環境への期待と不安が入り混じっているからでしょう。
学年別で見ると、高校3年生、2年生、1年生と学年が下がるほど楽しみ計の割合が高くなっています。
1年生の多くは新入学のため十分な準備期間があり、心の準備を整えていく中で期待が高まるのでしょう。
しかし、転入で入学する2年生、3年生は十分な準備期間がとれないため不安が募るのではないでしょうか。
「入学後の不安」では勉強、生活習慣、就職が高い割合を示しましたが、近年は通信制高校も積極的に情報開示を行っているため、これらの情報を適切に発信していけば入学検討者の不安が和らぐかもしれません。
Q5. 通信制高校へ入ったあと、安心したこととしてあてはまるものをお答えください。
(複数回答/n=992)
Q5 グラフ
入学後に安心したことは「先生が親身だった 友達が優しかった」が最も高く44.5%でした。
次いで「指名されて発表することがない」が38.8%、「必要な学習サポートが受けられる環境が整っていた」が36.5%、「勉強内容が分かりやすかった」が35.9%、「遅刻や欠席をしても責められない」が35.9%と続きました。
<プレマシード代表 岩田のコメント>
通信制高校に入学する生徒は不登校をはじめさまざまな事情を抱えています。
そのため、集団授業中心の学校ではどうしても対応が難しいケースがあります。
しかし、Q5の回答からは一人ひとりの事情が違う中でも通信制高校が生徒をしっかりサポートできていることがうかがい知れます。
通信制高校は、全日制高校と比べると高卒資格の取得に関わる授業量がかなり少なく、その仕組みのおかげで先生方は生徒一人ひとりに労力を割けます。
通信制高校の仕組みと生徒を思いやる先生方のサポートが生徒の安心感につながっているのでしょう。
Q6. 通信制高校に入ったあと、それぞれの人との関わり方や活動はどう変わりましたか。
(単数回答/n=992)
Q6 グラフ
入学後の人との関わり方や活動について、どのようなことが増減したのかを答えてもらいました。
その結果、増えた割合が最も高いのは「学校外での活動」で53.9%でした。
次いで「先生との関わり」が46.2%、「その他の大人との関わり」が40.8%、「親との関わり」が40.3%と続きました。
Q7. 通信制高校へ入ったことで、コミュニケーションの変化はありましたか?(単数回答/n=992)
Q7 グラフ
入学後のコミュニケーションの変化について、最も高いのは「コミュニケーションが多くなった」で42.0%でした。
反対に「コミュニケーションが少なくなった」と答えたのは20.6%でした。
Q8. 通信制高校に入って好きなこと、興味のあること、将来の夢はできましたか。
(単数回答/n=992)
Q8 グラフ
この設問で最も高いのは「できそうだが具体的には決まっていない」で44.0%でした。
次いで「できた」が32.8%、「できていない」が23.3%と続きました。
Q9. 卒業後の進路として検討しているものを回答してください。
(複数回答/n=992)
Q9 グラフ
卒業後の進路として最も高いのは「国内の大学・短大へ進学」で55.6%でした。
次いで「専門学校へ進学」が34.0%、「就職」が24.6%、「アルバイト」が11.2%と続きました。
<プレマシード代表 岩田のコメント>
入学後に好きなことや将来の夢ができたかという問いに対して、76.8%もの方が「できた」または「できそう」と答えました。
この回答から、入学後の学びや経験を通して多くの生徒が自身の進路を前向きに考えるようになった様子が見て取れます。
通信制高校に通う同社のインターンも同様です。
不登校になっても通信制高校で自分のペースで学び、生活を送る中で充電し、元気を蓄える。
元気になったら動き出し、小さな成功体験を積み重ねていく。
すると自己肯定感が高まり、自分の将来について考えられる。
この流れこそ通信制高校が果たしている役割だと言えるでしょう。
Q10. 通信制高校へ入学する前後のそれぞれの項目について、あてはまるものをお答えください。
(単数回答/n=992)
Q10 グラフ
この設問の値は「とても楽しかった」または「やや楽しかった」という楽しかった計の割合です。
最も高いのは「通信制高校へ入った後の学校生活」で69.8%でした。
次いで「通信制高校へ入った後の人間関係」が57.3%、「通信制高校へ入った後の勉強」が50.4%と続きました。
Q11. 下記のそれぞれの性格について、あなたにとってどの程度あてはまるかお答えください。
(単数回答/n=992)
Q11 グラフ
これは回答者の性格に関する設問です。
あてはまる計(とてもあてはまる+ややあてはまる)の割合で最も高かったのは「五感の敏感さ」で63.5%でした。
次いで「集中力の持続性」が62.2%、「喜怒哀楽の激しさ」が60.0%と続きました。
一方、あてはまらない計(あまりあてはまらない+全くあてはまらない)では「規則正しさ」が54.2%、「粘り強さ」が39.1%、「変化に対する順応の速さ」が37.3%となりました。
<プレマシード代表 岩田のコメント>
通信制高校には物事への感受性が高く、個々のリズムや価値観を大切にしている生徒が多い傾向にあります。
一方で、集団生活における一律のルールや決まりごとへの適応に時間がかかるケースが見受けられます。
集団生活に馴染めない生徒にはそれぞれに必要な学びやサポートがあり、得意分野を伸ばす学びや将来の可能性を広げる学びを提供できることが通信制高校の存在意義を高めています。
プレマシードは10代の学びを応援しており、学ぶことで自由と個性を獲得できること、そのための選択肢が無数にあることを広く伝えられるよう今後も適切な情報発信を行っていきます。