大阪・関西万博の「イタリアパビリオン」のテーマは「アートは人生を再生する」
誰もが一度は耳にしたことのある有名な芸術作品が展示されており、それはまさに美術館・博物館クラス!
圧巻の展示を紹介していきます。
大阪・関西万博「イタリアパビリオン」
「イタリアパビリオン」は、ファルネーゼ・アトラスを中心に、ティントレットやカラヴァッジョの名作などが展示される、まさに驚異のギャラリー。
誰もが一度は耳にしたことのある有名な芸術作品を多数見ることができます。
ファルネーゼのアトラス
特に存在感を放つのは、古代ローマ時代(2世紀頃)に制作された「ファルネーゼのアトラス」
ナポリ国立考古学博物館に所蔵されている実物が、日本にやってきています。
約2メートルの大理石製で、星座が刻まれた天球儀を担いで、苦渋の表情を浮かべています。
筋肉の付き方や血管まで精巧につくられた様子から、この頃には既に人体解剖が進んでいたのではないかと予想されているそうです。
ミケランジェロ キリストの復活(キリストは十字架を背負う)
ミケランジェロが手掛けた「キリストの復活(キリストは十字架を背負う)」
ローマ・ミネルヴァ聖堂所蔵の大理石製の彫刻です。
苦しみの最中でも毅然とした表情を浮かべるその造形は、時間を忘れて見入ってしまう魅力があります。
本作は復活したキリストの姿としても解釈され、“人生の再生”というパビリオンのテーマと響き合います。
アルトゥーロ・フェラリンの飛行機
天井を見上げると、大きな飛行機模型が。
イタリアパビリオンに展示される飛行機は、1920年にアルトゥーロ・フェラーリンがジーノ・カッパニーニと共にローマ-東京間を飛行した際に使用したSVA9型機を、オリジナルの技術図面に基づいて忠実に再現したもの。
この偉業は日本でも当時大きく報道されました。
この飛行は、日本とイタリアの文化的交流の起点ともされ、両国の親善史に刻まれています。
ローマと東京の間を18,000km飛行したことでイタリアと日本の文化的つながりを強固なものにした出来事です。
ティントレット 『伊東 祐益 マンショ』
1585年にヴェネツィア派を代表する巨匠 ドメニコ・ティントレットによって描かれた「伊東マンショの肖像」
この肖像画は、日本大使の訪問に際してヴェネツィア元老院の委嘱により制作されたもので、ヨーロッパにおける日本初の外交使節団「天正遣欧使節」を率いた伊東マンショが描かれています。
53x43cmのキャンバスに油彩で描かれたこの肖像画には、東洋的な顔立ちの青年が、16世紀後半のスペインの流行を取り入れた優雅な服装で描かれています。
本来はナポリやローマ、ヴェネツィアといった現地を訪れなければ見ることができない芸術作品の数々が、日本にいながら間近に体感できる、まさに奇跡の空間です。
美術館・博物館クラスの展示が満載の大阪・関西万博「イタリアパビリオン」の紹介でした。