グローバル・デイリーは、在留外国人200名(中国・台湾・タイ・韓国の4カ国)を対象に、「日本の夏に関する体験意識調査」を実施しました。
グローバル・デイリー「日本の夏に関する体験意識調査」
- 調査主体:株式会社グローバル・デイリ―
- 調査期間:2025年6月9日~6月18日
- 調査方法:オンラインアンケート(korekoko調査ネットワーク)
- 有効回答:在留外国人200名 ― 中国:50名/台湾:50名/タイ:50名/韓国:50名
- 設問構成:全14問(単一選択形式、複数選択形式)
- 算出方法:
-- 各選択肢の%=(その選択肢を選んだ人数)÷(当該設問の有効回答者数)0×100
4カ国均等化後の回答数:中国50/台湾50/タイ50/韓国50(計200)
-- (1)~(2)の順位は、各選択肢について4カ国の平均(合算%)が高い順に並べたものです。
※ 属性クロス集計:性別・年代・国籍など複数属性によるクロス分析を実施
※ 掲載範囲:各設問の選択肢数は5~12通りありますが、本リリースでは上位3~5位までを抜粋掲載
※ 複数回答設問:一人が複数選択可のため、設問によっては%合計が100%を超える場合があります
※ 単数回答設問は「合計100%にならない」場合があります(無回答を含むため)
グローバル・デイリーは、在留外国人200名(中国・台湾・タイ・韓国の4カ国)を対象に、「日本の夏に関する体験意識調査」を実施。
2024年の訪日外国人数は3,686万人(前年比+12%)と過去最高を記録し、過去最大規模の訪日韓国客数になると予想される2025年の夏シーズンに向け、本調査では「涼」を感じる体験、日本らしい夏文化コンテンツ、そして購買・行動実態を多面的に分析しました。
【1】第一印象を制する「最強夏体験」(Q1)
└─ 問い:「日本の夏で印象に残ったもの・魅力」は?(複数選択/上位5)
(1) 花火大会の夜景や音
・国別内訳:中国 90.0% | 台湾 88.2% | タイ 76.0% | 韓国 87.5%
(2) 祭り(縁日・屋台・盆踊り)
・国別内訳:中国 78.0% | 台湾 70.6% | タイ 82.0% | 韓国 68.8%
(3) 浴衣・風鈴・竹うちわ
・国別内訳:中国 60.0% | 台湾 51.0% | タイ 52.0% | 韓国 53.1%
(4) 夏限定グルメ(かき氷など)
・国別内訳:中国 60.0% | 台湾 39.2% | タイ 58.0% | 韓国 28.1%
(5) 自然の涼しい場所(川・森)
・国別内訳:中国 32.0% | 台湾 31.4% | タイ 58.0% | 韓国 25.0%
[Point]
・「花火大会」は全市場で“夏の象徴”。
中国でも90%が選択。
観覧環境の整備が新たな観光価値を生む。
・「タイは「祭り」(82%)と「夏限定グルメ」(58%)への支持が高く、“賑わい+食”体験が特に有望。
・中国の20代女性の94%が『花火大会』を選択。
夜景とロマンチック演出を掛け合わせた女性向けプランを強化すれば、大きな反響が見込めます。
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【2】家族や友人にすすめたい“夏体験”と、その理由 (Q2, Q3)
└─ 問い:「すすめたい体験」と「その理由」は?
▼ すすめたい体験(単一選択)
(1)『花火大会』
・国別内訳:中国 62.0% | 台湾 47.1% | タイ 48.0% | 韓国 40.6%
(2)『夏祭り(縁日・屋台・盆踊り)』
・国別内訳:中国 16.0% | 台湾 31.4% | タイ 18.0% | 韓国 31.2%
(3)『日本らしい夏アイテム(浴衣など)』
・国別内訳:中国 12.0% | 台湾 7.8% | タイ 6.0% | 韓国 3.1%
▼ すすめたい理由(単一選択)
(1)『日本らしい伝統文化を感じるから』
・国別内訳:中国 52.0% | 台湾 52.9% | タイ 34.0% | 韓国 34.4%
(2)『自分が感動したから』
・国別内訳:中国 16.0% | 台湾 19.6% | タイ 22.0% | 韓国 18.8%
(3)『写真映え・SNS投稿したくなるから』
・国別内訳:中国 8.0% | 台湾 17.6% | タイ 4.0% | 韓国 18.8%
[Point]
・中国・台湾では「日本らしい伝統文化」が50%超。
文化や歴史に根差したストーリーテリングが共感を呼ぶ。
・タイでは「感動」と「伝統文化」が上位。
イベントの賑わいと感動的な演出のハイブリッドが求められる。
・夏祭りは台湾20~30代女性88%が推奨。
屋台+フォトブースを織り込んだ“女子旅”企画が有望。
「SNS映え」は韓国20代女性26%で最多。
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【3】即効“購買満足”アイテム TOP3(Q5)
(1)『コンビニアイス/冷たい飲料』
・国別内訳:中国 54.0% | 台湾 56.9% | タイ 66.0% | 韓国 40.6%
(2)『冷却シート・冷感スプレー』
・国別内訳:中国 40.0% | 台湾 64.7% | タイ 46.0% | 韓国 65.6%
(3)『ドラッグストアのUVケア商品』
・国別内訳:中国 54.0% | 台湾 45.1% | タイ 54.0% | 韓国 46.9%
[Point]
・「涼感」カテゴリ商品が上位を独占。
特に台湾(64.7%)・韓国(65.6%)では冷感シートの支持が顕著。
・タイでは「コンビニの冷たい飲料」(66%)が突出し、手軽に買える店舗限定の冷たいドリンクなどが有効な一手となりうる。
・携帯扇風機の満足度はタイ30代女性62%。
通勤・メイク対策を強化することを検討
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【4】購買導線のカギ(Q6)
└─ 問い:その商品を買ったきっかけ」は?(複数選択/上位5)
(1)『店頭パッケージ/POPで興味』
・国別内訳:中国 56.0% | 台湾 19.6% | タイ 32.0% | 韓国 59.4%
(2)『SNSで見たから』
・国別内訳:中国 38.0% | 台湾 41.2% | タイ 52.0% | 韓国 18.8%
(3)『レビューや口コミサイトを見て』
・国別内訳:中国 30.0% | 台湾 35.3% | タイ 28.0% | 韓国 43.8%
(4)『暑さに困って衝動買い』
・国別内訳:中国 28.0% | 台湾 37.3% | タイ 20.0% | 韓国 40.6%
(5)『偶然見て興味が湧いた』
・国別内訳:中国 30.0% | 台湾 23.5% | タイ 42.0% | 韓国 12.5%
[Point]
・中国・韓国では「店頭POP」が約6割と極めて高い。
多言語パッケージや店頭での演出がオンライン以上に購買を左右する。
・タイでは「SNS」が52%とトップ(20代の女性は88%)。
インフルエンサー(KOL)投稿から実店舗へ誘導する導線設計が有効。
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■【5】期待とギャップ(Q7/Q9)
└─ 問い:「日本の夏の商品や体験で、特に他国との違いを感じたことは?」
(1)『冷却グッズ多様化に驚いた』(Q7)
・国別内訳:中国 68.0% | 台湾 70.6% | タイ 58.0% | 韓国 56.2%
(2)『暑さで体調を崩した』(Q9)
・国別内訳:中国 30.0% | 台湾 31.4% | タイ 72.0% | 韓国 68.8%
[Point]
・日本の冷却グッズの進化(Q7)には全市場で高い関心が寄せられた。
(台湾の30代女性の76%)→ 機能ランキング棚を台湾語で展開する施策は有効
・一方、タイでは72% 超がが暑さによる体調不良(Q9)を経験 → クールスポットの案内や夜間イベントの拡充が今後の課題。
また、冷房強すぎは中国の50代女性の60%が応答 →ブランケット貸出や温度表示を整備。
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■【6】行動変容 × リピート意向(Q10)
└─ 問い:「日本で自然とやるようになった夏の行動」は?(複数選択)
(1)『日傘・UVケア習慣化』
・国別内訳:中国 70.0% | 台湾 62.7% | タイ 66.0% | 韓国 84.4%
(2)『冷感グッズ常携帯』
・国別内訳:中国 68.0% | 台湾 54.9% | タイ 52.0% | 韓国 40.6%
(3)『SNSで涼スポット検索』
・国別内訳:中国 8.0% | 台湾 11.8% | タイ 14.0% | 韓国 3.1%
[Point]
・「UVケア」は特に韓国(84.4%)で顕著な習慣化が見られる。
(韓国の20代女性の92%)
・「冷感グッズを常に携帯するようになった」は中国(68%)、「SNS検索」はタイ(14%)が相対的に高く、国別施策の最適化が重要。
まとめ
今回の調査により、在留外国人が「日本の夏」に対して抱く印象的な体験や購買行動、課題意識が明らかになりました。
主なポイントは以下の通りです
- 印象的な体験は「花火大会」:回答者の平均85.4%が選択し、中国90.0%、台湾88.2%、韓国87.5%、タイ76.0%と全市場で圧倒的支持を獲得。
夏の夜の体験コンテンツが持つ強力な魅力を裏付けました。
- 友人にすすめたい体験も「花火大会」がトップ:中国62.0%、タイ48.0%、台湾47.1%、韓国40.6%。
しかし推薦率は印象度より約25ポイント低く、アクセス容易性や誘引性の向上が必要です。
- 推薦理由は「日本らしい伝統文化」が最多:中国52.0%、台湾52.9%を占め、タイ34.0%、韓国34.4%も上位に。
文化訴求を軸にしたストーリーテリング型プロモーションが効果的です。
- 満足度の高い商品は「涼感アイテム」:冷却シート・スプレーは台湾64.7%、韓国65.6%、コンビニの冷たい飲料はタイ66.0%、台湾56.9%で手軽に涼を得られる商品が国籍を問わず支持されました。
- 購買動機はチャネルで差異:中国・韓国では店頭POPが約56〜59%で最も高く、タイはSNS(52.0%)、台湾はレビュー・口コミ(35.3%)が購買に直結。
市場ごとのチャネル最適化が必須です。
- 課題は「暑さ疲労」:タイ72.0%、韓国68.8%が日本の夏の暑さで体調を崩したと回答。
クールスポット案内や夜間イベント情報の整備が急務です。
- 行動変容として「UVケア習慣化」が定着:韓国84.4%、中国70.0%、タイ66.0%、台湾62.7%が日傘やUVケアを新たな夏の生活習慣として取り入れています。