エヌティ・ソリューションズは、生成AIを駆使した新たなERP導入支援ツールである「AutoConv-Navi」にて、新規で特許を取得しました。
エヌティ・ソリューションズ「AutoConv-Navi」
エヌティ・ソリューションズは、生成AIを駆使した新たなERP導入支援ツールである「AutoConv-Navi」にて、新規で特許を取得。
■特許概要
特許番号 : 特許第7665169号
発明の名称: 開発文書作成装置、開発文書作成方法、及び開発文書作成プログラム
登録日 : 令和7年4月11日(2025年4月11日)
特許権者 : エヌティ・ソリューションズ
※J-PlatPatは「独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)」のサイトです
このツールでは、生成AIの力を借りて、要件定義書から設計書、テスト仕様書に至るまで、ERP導入プロジェクトにおける様々な開発文書を作成することが可能です。
また、このツールはユーザーとの対話を通じて、ERP導入作業のプロンプト(指示)を事前にテンプレート化することにより、均一な品質の開発文章が作成できるほか、一度作成した開発文書を他のユーザーが閲覧や実行できるように共有することが可能となり、ERP導入プロジェクトにおけるチームでの作業効率化に大いに貢献します。
さらに、ユーザーからの回答に基づいて新たな質問を生成し、より詳細な情報を取得することも可能です。
これにより、より具体的で適切な開発文書を作成することができます。
ツールが新規に取得した特許によりプロジェクトの進行をスムーズにし、ERP導入プロジェクトの成功に寄与します。
■特許取得の背景~生成AI活用の習熟度に関わらず、その性能を享受する~
NTSは長年にわたり、日本マイクロソフト株式会社のビジネスアプリケーション製品であるMicrosoft Dynamics 365 Finance、Microsoft Dynamics 365 Supply Chain Managementの導入プロジェクトを支援してきました。
その経験を通じて感じている最大の課題はERP市場における人財不足です。
近年のERP市場ではFit to Standardという概念が浸透し始めているものの、実際のERP導入プロジェクトの現場では顧客要件を導入ベンダーがアドオン、カスタマイズ偏重により実現するケースが多く、結果として必要以上のERPコンサル、エンジニアリソースを抱えることになるため、ERP市場では慢性的に人財が不足している状況が続いています。
NTSはこの状況の根本的な解決策として、ERP導入プロジェクトにおける生成AIの活用に着眼しました。
日本市場においてERP導入に際して生成AIの活用を進める企業はまだ多くはありませんが、深刻化するERP導入人材不足への対策として、NTSは生成AIの活用は不可欠であると実感しています。
そのためNTSではAIソリューション推進チームを発足し、複数のERP導入プロジェクトで検証を実施し、結果の一例として、設計工程では実に55%の工数削減を実現しています。
しかし、生成AIはその性質上、使用者のスキルレベルや経験によってその成果が大きく左右されます。
具体的には、AIのプロンプトの設定や操作方法に精通している人ほど、高品質な結果を得ることができます。
これは一方で、初心者や未熟なユーザーがAIを操作すると、品質の低い結果を生み出す可能性があるという問題をはらんでいます。
このツールは、ERP導入フェーズの各工程に対応するテンプレートをあらかじめ用意しており、これらのテンプレートは、ユーザーが自由に選択できるように設計されています。
ユーザーはプロジェクトの進行に応じて、実行したい工程を選択し作業を開始します。
ユーザーは質問に答えることで、必要な情報を提供し、最終的には本ツールが自動的にドキュメントを生成しますので、ERP導入及び生成AIの活用スキルが不十分なコンサルタント、エンジニアだとしてもプロジェクトの戦力として活躍することができます。
■「AutoConv-Navi」にて取得した特許の概要
・大規模言語モデルを用いて開発に関する情報を取得し、開発文書を作成する機能。
・ユーザーからの開発タスクに応じて、言語モデルのプロンプトをテンプレート情報として記録する機能。
・ユーザーからのタスクに応じたテンプレート情報に基づいて、質問を生成し、その回答に基づいて解決策を生成する機能。
・ERPの導入手順や保守ノウハウなどを記録し、それに基づいた開発文書を作成する機能。
・ユーザーとの対話に基づくプロンプトを用いて、開発文書を作成する機能。
・作成した開発文書に用いられたプロンプトを記録し、他のユーザーが閲覧及び実行できるように共有表示する機能。
・ユーザーからの回答に基づいて、質問を補完し、より詳細な情報を取得する機能。