香港国際映画祭で日本映画史上初となる最高賞受賞!映画『黒の牛』

投稿日:2025年5月1日 更新日:

東京工芸大学芸術学部映像学科卒業生の蔦哲一朗監督の映画『黒の牛』が、第49回香港国際映画祭で最高賞のFirebird Awardを受賞しました。

 

映画『黒の牛』

 

映画「黒の牛」の一場面

東京工芸大学芸術学部映像学科卒業生の蔦哲一朗監督の映画『黒の牛』が、第49回香港国際映画祭で最高賞のFirebird Awardを受賞。

2025年4月10日(木)から4月21日(月)に行われた第49回香港国際映画祭で、本学芸術学部映像学科卒業生蔦哲一朗監督の映画『黒の牛』が、ヤングシネマコンペティション部門で日本映画史上初となる最高賞のFirebird Awardを受賞しました。

禅に伝わる悟りまでの道程を十枚の牛の絵で表した「十牛図」から着想を得て描かれた映画作品で、長編劇映画では日本初となる70ミリフィルムを一部使用して撮影が行われています。

また、音楽には生前参加を表明していた作曲家坂本龍一氏の楽曲が使用されています。

香港国際映画祭は1977年にスタートしたアジアで歴史のある国際映画祭です。

世界各国の新作劇映画、ドキュメンタリー、アニメーションからクラシック作品、更に香港の学生映画に至るまで、50の国と地域から約200作品の映画が上映されています。

映画祭には、フィクション部門、ドキュメンタリー部門、コンペティション部門の3部門があり、Firebird Awardはコンペティション部門で最も優れた作品に贈られる最高賞です。

審査員からは「独自の哲学的・美的視点と鋭い歴史的洞察、そして鮮やかな自然描写を融合させた、予想を覆す独創的な映像世界。

普遍的かつ超越的な瞑想体験」と評されています。

蔦監督は、「学生時代に培ったフィルムでの映画制作の経験が今回の受賞に繋がったと思っています。

デジタル主流の映画業界ではありますが、映像の基本は今も昔もフィルムであり、これからもそれは変わることはないです。

温故知新。

フィルム愛がいっぱい詰まった本作をどうか劇場で確認してください。」と語ります。

今後の上映予定は、2025年4月26日(土)から 5月1日(木)にベルギーのMooov映画祭、2025年4月30日(水)から5月9日(金)に韓国の全州国際映画祭、2026年1月に日本全国での劇場公開を予定しています。

■蔦哲一朗

徳島県三好市出身。

東京工芸大学芸術学部映像学科2007年卒業。

卒業後は、高田馬場にある早稲田松竹映画劇場でアルバイトをしながら自主制作に励む。

2009年、ぴあフィルムフェスティバルで『夢の島』が入選し、観客賞を受賞。

2013年、第26回東京国際映画祭で『祖谷物語 おくのひと』がスペシャル・メンションを授与される。

蔦哲一朗監督

蔦哲一朗監督

■『黒の牛』作品概要

(あらすじ)

今は昔、急速に変わりゆく時代のなかで、自然との繋がりを見失った狩猟民の男は自分の分身とも言える牛と出会う。

男は農民となって牛とともに大地を耕しながら、木、水、風、霧、土、火、万物とのつらなりをただ静かに視つめ、刻み、還る――主演はツァイ・ミンリャン監督作品で知られるリー・カンション、田中泯が禅僧を演じ、生前参加を表明していた坂本龍一の楽曲が使用されている。

禅に伝わる悟りまでの道程を十枚の牛の絵で表した「十牛図」から着想を得た作品。

・監督・脚本・編集:蔦哲一朗

・出演:リー・カンション、ふくよ(牛)、田中泯、須森隆文、ケイタケイ

・音楽:坂本龍一

・配給:ALFAZBET、ニコニコフィルム、ムーリンプロダクション

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