被害予防・対策に向けた社会的取り組みの一環として作成!司法書士法人ライタス綜合事務所「令和最新の闇金被害」実態調査レポート

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司法書士法人ライタス綜合事務所は、2024年11月26日に「令和の闇金被害」とも言える闇金業者の実態に関する詳細な調査レポート「闇金業者の規模別特徴と取り立ての実態」を公開しました。

 

司法書士法人ライタス綜合事務所「令和最新の闇金被害」実態調査レポート

 

令和最新の闇金被害の実態

司法書士法人ライタス綜合事務所は、2024年11月26日に「令和の闇金被害」とも言える闇金業者の実態に関する詳細な調査レポート「闇金業者の規模別特徴と取り立ての実態」を公開。

このレポートは、令和6年の警察白書で「警察では、実態解明及び取締りを徹底する」と明記された最新の闇金問題に対する被害予防・対策に向けた社会的取り組みの一環として作成されました。

◆このレポートの主な内容

・大規模闇金グループの組織的取り立て手法

・少人数闇金グループの悪質な嫌がらせ戦略

・個人型闇金の巧妙な心理操作術

・令和6年「警察白書」に見る「警察による闇金取り締まり」の最新動向

◆調査結果(要約版)

・大規模グループは、チーム単位で短期集中型の取り立てを行う傾向が強い

・少人数グループは、より直接的かつ悪質な嫌がらせ手法を用いる傾向あり

・個人型闇金は、SNSを活用し若年層を狙った営業を展開

【はじめに】

闇金業者の存在は、多重債務に苦しむ人にとって大変深刻な問題です。

違法な高金利での貸付(※1)や悪質な取り立て行為は、債務者(※2)の生活を著しく脅かします。

本レポートでは、闇金業者と直接交渉する中で見えてきた闇金業者の特徴と取り立ての実態を紹介します。

※1、2

なお、本記事では理解のしやすさを重視し、闇金利用者の方を「債務者」と記載しますが、法的には債務者ではありません。

闇金からの借り入れは、民法第708条に定められる「不法原因給付」により債権債務関係として成立しませんので、闇金利用者や闇金の被害者という呼び方が適切であることを付記します。

■特徴(1)チームに分かれ短期集中型の組織的闇金グループ

大規模な闇金グループは、組織的かつ効率的な取り立て方法を採用しています。

その特徴と手口を見ていきましょう。

特徴

・大人数

・組織的にチーム単位で活動する

取り立ての傾向

・主に電話、LINEを使用

・電話、LINEで昼夜問わず連絡

・回線がパンクするまで電話をかける

・インターネット上に個人情報を晒す

・自宅や職場へ来る可能性は低い

<チーム単位で大規模に取り立てを行う>

大規模闇金グループの最大の特徴は、その組織力にあります。

複数の少人数チームに分かれて活動し、短期集中型の取り立てを行います。

債務者本人と連絡が取れない場合、チーム単位で緊急連絡先や勤務先にまで嫌がらせを行うのが常套手段です。

時には電話回線をパンクさせるほどの断続的な取り立てや嫌がらせを行うこともあります。

目的は「債務者に強いプレッシャーを与え短期間での返済を迫ること」であり、これに尽きるものです。

組織的な取り立てに、個人で対処するのは困難であるのが現状です。

<返済が遅れると晒し行為や嫌がらせも行う>

これは従来型の闇金との大きな違いです。

返済が遅れると、大規模闇金グループはさらに過激な手段に訴えるようになり、一例としてSNS上または「尋ね人掲示板」といった趣旨の掲示板に債務者の個人情報を晒すなどの嫌がらせ行為を行います。

さらに、電話やLINEを使用した昼夜問わずの執拗な連絡も特徴的です。

徐々に取り立ての頻度は減少するものの、チーム人数(=実働部隊)が多いことにより取り立てが2~3週間ほどまで長期化する傾向があります。

【最新情勢】自宅や職場への直接訪問は少ない

これもまた、従来型の闇金が持つイメージとは異なるポイントです。

大規模闇金グループの主な取り立て手段は、電話やLINEなどの非対面の手段が中心です。

遠隔方式での嫌がらせを重視するため、直接的な訪問は比較的少ないのが特徴であり、また、物理的な接触を避けることで、摘発リスクを低減させている可能性もあります。

なお、非対面だからといって違法性が薄れることは一切ありません。

■特徴(2)【2~4人】個人名で営業し嫌がらせがしつこい少人数闇金グループ

2~4名程度で活動する少人数型の闇金業者は、より直接的かつ悪質な手法を用いる傾向にあります。

その特徴を詳しく見ていきましょう。

特徴

・個人名を名乗るが2~4人程度で活動する

・アパートや雑居ビルの一室で活動する

取り立ての傾向

・主に電話、LINEを使用

・緊急連絡先や勤務先への脅迫まがいな電話

・インターネット上に個人情報を晒す

・救急車や消防車を呼ぶ

・債務者を使い自宅へ訪問させるなど、直接的な取り立てを行う

<雑居ビルの一角を拠点に「個人名を共有」し活動>

この規模の闇金業者は、主にアパートや雑居ビルの一室を活動拠点としています。

あくまでも個人間融資の体裁を保つためか個人名を名乗っていますが、実際には2~4人程度のチームで活動していると推定されます。

<嫌がらせが特に悪質で債務者を道具にすることも>

少人数闇金グループの嫌がらせは特に態様が悪質です。

インターネットで債務者の個人情報を晒した上で、緊急連絡先や勤務先への脅迫まがいの電話など、より直接的な嫌がらせを行うことがあります。

ほかにも、以下のような債務者の社会的信用を著しく損なう嫌がらせを行った事例も明らかになっています。

・関係各所へのFAX送信

・債務者の自宅へ訪問や張り紙を貼る

・債務者の自宅に救急車や消防車を呼ぶ

さらに悪質なのは「債務者を利用した他の債務者への取り立てや嫌がらせ」です。

債務者Aを使い、債務者Bの自宅へ訪問をさせたり、張り紙を貼るといった行為で、被害者を加害者に変えてしまう危険な手法といえるでしょう。

<司法書士との交渉も強気なため力量が試される場面も>

少人数闇金グループとの交渉は往々にして困難を伴い、借入額の数倍の法外な返済額を要求するなど、無理難題を突きつけてくる事例が多々あります。

実際に借入が3万円であるのに「10万円支払え」といった条件の提示もありました。

弊所が介入し、その事実を告げた事案においても闇金業者側が一方的で強い口調で話す傾向があり、初期の交渉は難航することがほとんどです。

しかし、粘り強く交渉を重ねることで、徐々に話を聞く姿勢になることもあります。

なお交渉中は背景に怒鳴り声が聞こえたり、大音量のBGMが流れている特徴もあります。

交渉相手を威圧し有利な立場を作り出すための演出や、怒鳴り声が近隣住民に聞こえないようにするための対策と考えられます。

■特徴(3)取り立てがマイルドな個人型闇金

最後に、個人で活動する闇金業者について見ていきましょう。

一見すると比較的マイルドに見えるこのタイプですが、巧妙な手口を用いていることがあります。

特徴

・個人で活動する

・自宅やホテルの一室で活動する

取り立ての傾向

・主にLINEやX(旧Twitter)を使用

・いきなり過度な督促はしない

・交渉可能なケースあり

<主な営業ツールはSNS>

個人型闇金の主な特徴は、SNSを活用した「営業活動」にあります。

一人で複数のLINEやXのアカウントを使用して活動していると推定され、活動拠点はホテルの一室や自宅などで、より広い範囲の顧客にする傾向にあります。

SNSのDMやハッシュタグを活用して集客を行うなどで若年層や情報弱者の方を狙う悪質な営業手法が特徴的です。

<取り立てはマイルドで債務者を心理的に絡め取ることを好む>

個人型闇金の取り立ては、返済期日を過ぎてもすぐには厳しい取り立てを行わない傾向があるため、一見するとマイルドに見えます。

過度な督促を避け、債務者に寄り添うようなポーズを取る傾向にありますが、これは長期的な関係性を構築し、債務者を心理的に依存させることで確実に返済させる戦略と判断されます。

「優しく接してくれる相手」といった印象を与えることにより債務者の判断力を鈍らせる手口を多用するため、良くも悪くも債務者に寄り添った方針であるケースがほとんどです。

<個人経営のためか交渉は比較的しやすい>

個人型闇金については他の闇金業者よりも比較的交渉しやすい傾向にあります。

債務者側が提示する期日や分割方法に応じる可能性もあり、弊所が介入した事案においては粘り強い交渉の結果、闇金業者にとって事実上の損が出る「元本割れの和解(ゼロ和解)」に応じるケースも見られます。

<警察は闇金業者を逮捕しないのか?>

「闇金業者の違法行為が明らかであるにも関わらず、なぜ警察は積極的に逮捕しないのか」との疑問はもっともです。

実情を解説します。

【最新情報】闇金業者は検挙されている

「民事不介入の原則(※)」で検挙されづらいケースも確かにありますが、全数ではないことが大きなポイントとなります。

※「民事での争いに警察は介入できない」との原則

後述するとおり「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)の取り締まり強化」の影響もあり、潮目が変わってきた状況下にあります。

取り立て・嫌がらせを行う若い担当者などは言行から察するに「摘発されることはない」と指導されているケースも想定されますが、実際に闇金は検挙されています。

近年、報道では盛んに「トクリュウ(=匿名(トク)・流動型(リュウ)犯罪グループ)」による詐欺や窃盗・強盗事件が取り沙汰されていますが、闇金関連事犯でもトクリュウが関係している実態があります。

この実態をうけ令和6年の警察白書では、「警察では、実態解明及び取締りを徹底する」と明記されており、実際に北海道・沖縄・九州など全国各地で闇金業者の逮捕事例が報告されています。

その中にはトクリュウによる犯行の疑いと報道されている事件も多数あります。

警察の取締り強化により闇金業者の活動に対する監視が厳しくなっている風潮といえ、被害者にとっては心強いニュースといえるでしょう。

<近年は実害があり事件性が高いと迅速な逮捕につながりやすい傾向へ>

大原則として警察が闇金業者を逮捕・摘発するためには、明確な違法行為(=犯罪行為)の証拠が必要です。

金銭の貸し借りだけでは民事不介入の原則により事件化が難しいのが現状です。

しかし、悪質な取り立てや明確な違法行為があれば、迅速に逮捕に繋がる可能性が高くなります。

警察は発信電波の追跡や資金の流れの分析など、多角的な調査を行って犯人特定を進めています。

<闇金業者は逮捕されないと勘違い?悪質な場合はすぐに相談>

多くの闇金業者は、他人名義の口座や携帯電話を使用することで逮捕を免れると誤認(あるいは意図的に現場担当者へ教唆)しています。

大人数、少人数、個人を問わず、多くの闇金業者に共通した特徴でもあります。

しかし、警察の捜査技術の向上により、闇金の摘発は続いています。

こうした事情背景からも闇金被害者は悪質な取り立てや違法行為を受けた場合、迷わず警察や専門家に相談すべきです。

証拠を集め、適切な対応をすることで、闇金業者の逮捕に繋がる可能性があるのです。

【さいごに】

闇金業者は規模によりさまざまな特徴があります。

大規模グループによる組織的な取り立て、少人数グループによる悪質な嫌がらせ、個人型闇金は柔軟な交渉が可能など、それぞれに異なる手口や特徴が存在します。

警察の取り締まりが強化され、闇金業者の摘発は報道されていますが、被害に遭わないためには個人の注意も重要です。

金銭的な困難に直面した際、闇金からの借り入れは決して解決策にはなりません。

まず公的機関や専門家に相談することをおすすめします。

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