一般社団法人輝実会青山レナセルクリニックは、今般、東京工業大学との共同研究を通じ、最先端の大気圧低温プラズマ大量ジェット照射装置の開発に成功しました。
一般社団法人輝実会青山レナセルクリニック「低温プラズマ大量ジェット照射装置」開発成功
一般社団法人輝実会青山レナセルクリニックは、今般、東京工業大学との共同研究を通じ、最先端の大気圧低温プラズマ大量ジェット照射装置の開発に成功。
既に同院の得意とする細胞移植を通じた肌の再生治療に導入しており、同院オリジナルの乳歯歯髄由来幹細胞培養上清エクソソームの浸透性向上のほか、ニキビ、シミ、火傷、アトピー性皮膚炎など広範な皮膚・美容分野での活用を見込んでいます。
大気圧低温プラズマは、高い滅菌力や分子間の結合を切断するユニークな特性が注目され、近年、世界各国で盛んに医療領域への応用について研究されています。
日本でも、名古屋大学によるプラズマ溶水を用いたがん治療の研究が進んでいるほか、骨再生や損傷治癒、細胞活性化など多様な医療領域で各大学が競って研究成果を発表しています。
現在の日本における大気圧低温プラズマの医療分野での活用は、主に美容治療で普及しており、プラズマの優れた殺菌力を利用したニキビ治療、肌細胞の結合の切断機能を活用した美容成分の浸透性(ドラッグデリバリー)向上などの効果を謳った「プラズマ美容治療」が提供されています。
しかし、これらの治療に使用されている主な海外製装置は、人間の肌に直接放電させるため微量のプラズマしか照射できない、あるいは、安全面から電極を肌から5センチ以上離す必要があるためプラズマが生成する活性種しか照射できない等、いずれも安全性がネックとなり効果が限定的です。
青山レナセルクリニックは、2024年2月1日付で、日本における大気圧低温プラズマ研究の第一人者である東京工業大学の沖野晃俊准教授(沖野研究室)と、プラズマの再生医療への応用に関する共同研究契約を締結し、実証研究を重ねた結果、これらの既存のプラズマ美容装置の欠陥を克服する大量の低温プラズマの産生及び肌に対する安全なジェット照射が可能な装置「Renacell Hyper Plasma SPARK TM」の開発に成功しました。
この装置は、特許出願済の絶縁された特殊な二重螺旋形状の電極構造により、狭いスペースで安全に大量の低温プラズマを産生できることが特長で、東工大が実施した比較実験によれば、同機器は現在主力となっている海外製機器と比べ、5秒間で2,000倍、5分間で15万倍ものプラズマ産生量が報告されています。
同院は、幹細胞や線維芽細胞を肌に移植する肌の再生治療を提供していますが、これらの細胞移植時に大気圧低温プラズマを肌に照射することで、表皮の結合を切断し、移植する細胞の浸透性を高め、細胞の生着率や活性度の飛躍的向上が期待できます。
また、同院では、肌再生治療のみならず、膝関節症やEDに対する幹細胞や乳歯歯髄由来幹細胞培養上清エクソソームの局所注射治療も提供しており、大気圧低温プラズマの皮下への注入プロトコルを確立し、これらの再生医療との併用を目指しています。
さらに、国内外の複数の研究によれば、プラズマの照射による細胞分裂の加速が報告されており、同院内のCPC(細胞培養加工センター)において独自に作製している乳歯歯髄由来幹細胞培養上清液の培養工程にプラズマ照射を採り入れることで、細胞の増殖能が高まり、結果として高濃度のサイトカインやエクソソームの分泌が期待できます。
【動画】大気圧低温プラズマを使用した同院の肌再生治療
同院では、今後も「医工連携」を通じ、日本の優れた科学技術を再生医療の臨床に積極的に取り入れてゆく意向です。