樋屋製薬は、「赤ちゃん夜泣きで困ったな♪…ひや、ひや、ひやの、ひやきおーがん」という耳に残るメロディの自社CMソング「樋屋奇応丸(ひやきおーがん)」の作曲者が判明したことを発表しました。
樋屋製薬CMソング「樋屋奇応丸(ひやきおーがん)」
「赤ちゃん夜泣きで困ったな♪…」でおなじみのCMソング。
西日本の30代より上の年齢の皆さんは、よくご存じではないでしょうか。
同楽曲の原曲は1959年に行われた朝日放送主催の第1回ABCミュージカル・スポット・コンクールにて制作された楽曲です。
作曲者は不明で、当時の資料などを取り寄せたりもしたのですが「これらの作品は若手の新進CM、作曲家によって作曲され…」という情報しかなく、作曲者の情報は今現在まで、不明とされてきました。
今回、X(旧twitter)の投稿をきっかけに、作者が判明しました。
■作者は越部 信義 氏(1933年 - 2014年)
子ども向けの楽曲や童謡をはじめ、テレビ・CM・舞台など幅広いジャンルで活躍。
代表作は「おもちゃのチャチャチャ」「勇気一つを友にして(イカロスの歌)」など
【受賞歴】
第5回 日本レコード大賞童謡賞「おもちゃのチャチャチャ」
第18回 久米島武彦文化賞
第8回 日本アカデミー賞音楽賞 優秀賞
日本童謡協会童謡賞
▲Wikipedia:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%8A%E9%83%A8%E4%BF%A1%E7%BE%A9
■『樋屋奇応丸』CMソングは越部 信義氏の手掛けた最初期の楽曲
越部 信義先生の経歴と照らし合わせると、1956年に東京藝術大学作曲科をご卒業され、1960年に当時の楽曲作成の師匠である三木 鶏郎氏が発足した三芸社へ所属。
CMソングや子ども向け楽曲の作曲家として活動するようになる。
(Wikipedia引用)とありますので、その間のまさに朝日放送主催のコンクールへ応募されていた最初期の楽曲となります。
(※三木 鶏郎氏の門下生として活動されていた期間)
■きっかけはX(旧twitter)の投稿
広告史やコマーシャルソングについて研究されているM.T1970氏が2023年4月に「樋屋奇応丸」楽曲の作曲者を発見したとの内容を投稿。
遅ればせながら、1年後の2024年4月に樋屋製薬よりダイレクトメッセージにて取材のお伺いを立て、掲載紙などの情報を提供いただきました。
▼M.T1970氏のホームページ
https://lit.link/mt1970
▼X(旧twitter)アカウント
掲載紙は、朝日放送が1960年9月に発行した広報雑誌「Voice of voices(17)」にて、第1回ABCミュージカル・スポット・コンクール入賞作品が掲載。
その中で樋屋奇応丸の歌は「準ABC賞」の受賞作品と記載されており、歌詞、楽譜、作詞作曲者が掲載されているとの事。
また、国立国会図書館にアーカイブされているとの情報もいただき、その内容を樋屋製薬が複写し確証しました。
☆樋屋製薬 樋屋奇応丸CMソング「樋屋奇応丸」
制作年 :1959年(昭和34年)
作曲 :越部 信義
制作 :朝日放送
スポンサー:樋屋製薬株式会社
■権利関係の確認では「週刊てりとりぃ」様にご協力いただきました。
越部先生のご家族様に、当記事の内容と、今後の広告としての楽曲使用のご許可をいただきました。
ご協力いただいた「週刊てりとりぃ」様公式ホームページ
https://weeklyterritory.blogspot.com/
■さいごに
本年で、没後ちょうど10年目を迎えます。
今でも子育て世代には『はたらくくるまシリーズ』や『せんせいとお友だち』『ピポピポ救急車』等、越部先生の遺した楽曲は身近ではないでしょうか?
『樋屋奇応丸』の楽曲は、ひや、ひや、ひやの、ひや・きおーがんのメロディと共に現在でもSNSなどで話題にしていただいており、作曲者の表示がなくとも後世に残り続けていく楽曲を遺した、越部 信義氏に樋屋製薬株式会社として敬意を表します。
■当記事に使用した書籍について
出典 : 国立国会図書館書誌データ(2024年4月27日に取得)
国立国会図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/pid/1828144
雑誌著作権元: 朝日放送
■樋屋奇応丸(ひやきおーがん)製品概要
販売名 :特撰金粒樋屋奇応丸(樋屋奇応丸特撰金粒)
販売名 :小児薬樋屋奇応丸(樋屋奇応丸銀粒)
販売名 :小児良薬樋屋竒應丸(樋屋奇応丸糖衣)
リスク区分:第2類医薬品
【効能・効果】
小児の神経質、夜なき、かんむし、ひきつけ、かぜひき、かぜの熱、ねびえ(寝冷)、下痢、消化不良、乳はき(吐乳)、食欲不振、胃腸虚弱。