「地域福祉インクルーシブ防災」のロールモデルに!NPO法人あぐりの杜「あぐりの杜プロジェクト」 

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NPO法人あぐりの杜に、明治国際医療大学 保健医療学部 救急救命学科 教授・諌山 憲司氏が視察訪問しました。

 

NPO法人あぐりの杜「あぐりの杜プロジェクト」

 

 

土屋がサポートするNPO法人あぐりの杜(三重県名張市)に、防災のスペシャリストである明治国際医療大学 保健医療学部 救急救命学科 教授・諌山 憲司氏が視察訪問しました。

今回の視察により、同NPO法人の活動である「農福連携による耕作放棄地の再生」に、「誰ひとり取り残さない、災害時に備えた防災キャンプ場の構想」が加わり、「あぐりの杜プロジェクト」はさらに進化してリスタートします。

 

■「あぐりの杜プロジェクト」の概要

「あぐりの杜プロジェクト」は、農福連携事業に耕作放棄地の再生を掛け合わせたソーシャルビジネス構想であり、2016年に三重県で開催された伊勢志摩サミット・女性躍進イベント「WIT2016」で優勝を果たしたプロジェクトです。

同年には県や企業のサポートを受け、三重県のロールモデルとして事業化されました。

 

近年、農業後継者の減少により増え続けている耕作放棄地という社会的問題を解決すべく、「農福連携事業」と「観光事業」をMIXさせ、三重県名張市美旗地域にある約1万坪の耕作放棄地をよみがえらせる活動を続けています。

 

メンバーは主に、近郊都市(主に奈良や大阪)の若者や定年退職された方であり、「杜人」と称して、荒れ果てた竹藪の整理を中心に活動しています。

 

伐採された竹は、竹灯籠にして販売。

また、ピザ窯の製作や、木材でコースターを作ってマルシェで販売するなど、耕作放棄地を整備する中から新たな価値を生み出すユニークな取り組みを行っています。

2021年には同地でメンバー同士の結婚式も行われ、企業や県、地域住民を中心に、支援の輪も年々広がっています。

 

 

■災害時に備えた防災キャンプ場の設置

NPO法人あぐりの杜は、株式会社土屋が運営する「就労継続支援B型事業所 あぐり工房土屋」と隣り合い、あぐり工房土屋では障害をお持ちの多くの利用者が日々、農業や手工業に従事しています。

 

東日本大震災の際には、障害をお持ち方の死亡率が「全体死亡率の2倍」に上ったとされ(NHK調べ:災害と障害 | NHK ハートネット)、「だれ一人取り残さない」をミッションとする同社では、こうした状況を鑑みて、福祉防災(インクルーシブ防災)や事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)に力を入れてきました。

 

ただ、課題は山積しており、例えば障害をお持ちの方の中には、大きな音が苦手だったり、突発的なことが起こるとパニックになってしまう方がおられます。

そのため、定期的に行う防災訓練に際しても、事前の予告や、なるべく静かな音でサイレンを鳴らすなどの配慮が必要であり、実際の災害時で防災訓練の効果を発揮するのは難しいのが現状です。

 

この課題を解決すべく、あぐりの杜プロジェクトでは今回、同社の防災委員会のメンバーである明治国際医療大学 保健医療学部 救急救命学科 教授・諌山 憲司氏を迎え入れ、「誰ひとり取り残さない、災害時に備えた防災キャンプ場の構想」に着手しました。

 

具体的には、日常的に「避難訓練になるイベント」、すなわち「キャンプ体験」を、「楽しく防災」「楽しく備える」をモットーに実施します。

自然の中で遊び、楽しみながらキャンプ場の整備を行い、その中で災害時でも過ごせる食料や道具などの知識を身に付けていきます。

 

こうした「リアルな避難訓練と備え」をすることで、災害時に命を救う取り組みを行い、諌山 憲司氏の助力の下、あぐりの杜プロジェクトを「農福連携×観光×防災」をテーマとする「地域福祉インクルーシブ防災」のロールモデル事業として発展させる所存です。

 

 

■諌山 憲司氏のコメント

2045年とされていたシンギュラリティ(技術的特異点)のタイミングが早まる可能性が高い。

生成AIやChatGPTからAGI(Artificial General Intelligence)やASI(Super)に移るため、我々もホモ・デウスへのトランジション(移行)が問われるのかもしれない。

このような時代においても、地球上かつ災害大国日本に住んでいる限り、頻発・甚大化する自然災害から逃れることは難しい。

自然の恩恵を受けながら、より柔和な自然共生感が必要になるはずである。

また、災害要配慮者や社会制度でカバーしきれない方々への持続的ケア・共生社会を実現するにはCSV(Creating Shared Value:共有価値創造)を通じたソーシャル・インパクト(ビジネス)の重要性が高まると考える。

しかし、医療介護福祉関係者や多くの方々は、日常のタスクに追われ、近視眼的になりがちである。

専門性を磨く前に、多種多様な方々と社会一般の教養を深め、自然の中で心の解放をあえて見つけにいく必要があるのではないだろうか。

「あぐりの杜プロジェクト」が人間性の陶冶や本質的なインクルーシブ防災の特異点(場)になることを期待する。

HP:あぐりの杜プロジェクト | (agrinomori-pj.com)

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