医師向けのキャリア支援サービスなどを提供している「メディウェル」は、「医師の働き方改革」に関して施行開始前アンケートを実施し、全国の医師1,746名の回答結果を公表しました。
メディウェル「医師の働き方改革」アンケート調査
調査実施:株式会社メディウェル
引用元:https://www.dr-10.com/lab/questionnaire-before-implementation-of-work-style-reform/
アンケートでは、勤務先における勤務環境・長時間労働の改善施策の実施状況や今後改善すると思うかなどについて調査し、勤務先の施策や改革の効果に懐疑的な声が多い傾向がみられました。
さらに、2022年6月に実施した同様の調査と比較したところ、実際に取り組みがあまり進んでいない状況も明らかになっています。
他にも、2023年12月時点における残業時間や日当直の回数、日当直時の休息の実態など医師の勤務状況に関する回答も得ています。
働き方改革による勤務環境の改善に期待しないと回答した医師は64.4%
大学病院の勤務医の過半数が「勤務先の働き方改革への取り組みに満足していない」と回答
勤務先での労働時間管理について「タイムカード等の使用」が67.1%、「特に管理はされていない」が27.2%
2022年6月の前回調査から今回の調査までの1年半で、労働時間短縮の取り組みはほぼ進捗していない
常勤先での残業時間の中央値は「月20~30時間」
当直中の37%、日直中の43.9%の医師が「休息を取れていない」と感じている
診療科ごとの1か月あたりの当直回数(中央値)は、産婦人科が月5.5回で最多
働き方改革に関する自由回答
・労働環境は変わらず収入が減るという本末転倒の事態が発生しないか不安(60代女性、精神科)
・医師の働き方改革によって、他スタッフ(看護師など)の勤務負担が増えないようにする必要がある(50代男性、緩和ケア)
・これを契機に、医療界全体がより柔軟なシステムに移行していって欲しい(30代男性、一般内科)
・医師の過労は減るかもしれないが、同時に助かる患者も減るかもしれない。みんながそれを受け入れる必要がある(50代男性、一般外科)
・導入後も現場の声を聞いて改善できるようにしてほしい(40代男性、呼吸器内科)
・医者の給料に差をつけるのが一番。働きたい人、稼ぎたい人まで抑制する必要はない(40代男性、血液内科)
・診療報酬・医師の給与を上げないと、保険診療の勤務医が減り、臨床の質・研究競争力が低下する(40代女性、救命救急)
・患者の生死に関係ない、優先度が低い業務の削減が必要(60代男性、整形外科)
・働き方改革の前に、各病院が地域の中で役割分担し、患者の集約化と業務の効率化を図るべき。
現状のままでは医師の数も分散され、それぞれ疲弊する(30代女性、形成外科)