TRデータテクノロジーは、2023年4月からの介護保険制度改正を目前に控え、今期(第8期計画/令和3~5年度)の介護保険施設ならびに保険外施設の整備状況を分析しました。
TRデータテクノロジー 介護保険施設ならびに保険外施設の整備状況分析
TRデータテクノロジーは、2023年4月からの介護保険制度改正を目前に控え、今期(第8期計画/令和3~5年度)の介護保険施設ならびに保険外施設の整備状況を分析しました。
政令指定都市を対象とした分析結果は下記のとおりです。
同社は全国の介護施設及び居宅サービスを含む約24万件におよぶ介護データを販売しており、2024年2月1日には最新版をリリースしています(福祉施設・高齢者住宅Data Base)。
1)今期(第8期計画/令和3~5年度)の介護施設の整備率等の算出方法
(1)介護保険施設の達成率(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、グループホーム等)
各自治体が定める介護保険事業計画(※1)から今期末(令和6年3月末)までの介護保険施設(※2)の整備目標数(定員数)を独自調査(以下、整備目標数)。
同社で2024年1月末までに収集した介護保険施設の定員数を集計(以下、同社データ実績値)。
本結果を整備目標数で除して達成率を算出した。
(2)保険外施設の整備率(住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅)
保険外施設(※3)は介護保険事業計画に整備目標数の定めがない。
従って、介護保険施設の整備目標数を母数にした場合の保険外施設の整備率を検証した。
同社で2024年1月末までに収集した保険外施設の入居者数を独自調査。
さらに、要支援以上の入居者数を抽出し(以下、保険外施設の入居者数)、(1)の整備目標数で除して整備率を算出した。
※1 各自治体が定める第8期介護保険事業計画(令和3~5年度)を指し、本計画で定める期末の整備目標累計数を調査。
※2 対象となる施設は次のとおり。
施設系サービス(介護老人福祉施設等)及び居住系サービス(グループホーム、特定施設入居者生活介護(以下、特定施設))/地域密着型を含む/ケアハウス及びサービス付き高齢者向け住宅で特定施設の指定を受けているホームを含む。
ただし、養護老人ホームの特定施設は除く/特定施設の混合型の場合は、推定利用人数が分かる場合は本数値を優先し、不明の場合は定員数に同社で70%を乗じて推定利用人数を算出。
※3 住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(特定施設を除く)
2)分析結果
(1)介護保険施設の達成率は平均95%。
一部の自治体を除き、ほとんどが90%以上の高い達成率となった。
(2)保険外施設の整備率は平均31%。
介護保険施設の達成率を合算すると平均126%。
介護保険施設の達成率が100%に満たない自治体でも、保険外施設の整備率を加味することで、介護保険施設の整備目標数を超過する自治体が多いことが分かった。
なお、保険外施設の入居者数は約10.3万人で、そのうち要介護度3以上の数は49,701人におよぶ(48%)。
本来、要介護度3以上は特別養護老人ホームの入居対象者であり、保険外施設が介護保険施設の代替施設として機能していることが分かる。
中核市以下の自治体では、こうした傾向はさらに顕著になると推測される。