国立文化財機構 文化財活用センター〈ぶんかつ〉は、令和7(2025)年度「国立文化財機構所蔵品貸与促進事業」実施対象館の募集を令和6(2024)年4月1日より開始します。
今回の募集より、従来の4つの国立博物館に加えて東京・奈良の2つの文化財研究所の所蔵品も貸出対象となりました。
国立文化財機構 文化財活用センター 令和7年度「国立文化財機構所蔵品貸与促進事業」実施対象館 募集
本事業では、東京国立博物館・京都国立博物館・奈良国立博物館・九州国立博物館・東京文化財研究所・奈良文化財研究所(いずれも国立文化財機構)が全国の美術館・博物館に対し、各地域ゆかりの所蔵品を貸し出し、〈ぶんかつ〉が作品輸送費等を支出します。
(令和7(2025)年4月下旬から令和8(2026)年3月末までに開催される展覧会が対象。)
平成29(2017)年度からこれまでに、36施設24都府県で「国立博物館収蔵品貸与促進事業」※の展覧会が開催されました。
※ 令和7(2025)年度事業から「国立文化財機構所蔵品貸与促進事業」へ名称変更
本事業を通して、立地条件等により、これまで国立文化財機構の所蔵品に親しむ機会が限られていた地域に対し、文化財が広く公開されること、日本とアジアの歴史・伝統文化の発信、地域文化の創生、次世代への文化財の継承、観光振興につながることをめざします。
■事業内容
▼主な展覧会開催費用について
本事業では、次の費用を〈ぶんかつ〉が支出します。
・本事業において貸与する所蔵品の梱包・開梱および展示・撤収作業にかかる費用
・各所蔵施設と本事業の実施対象として選定された館との往復の輸送にかかる費用
・貸与品の保険にかかる費用
・貸与先の職員の出張旅費(事前調査および打ち合わせを含む。
ただし、センターによって認められた内容とし、全額ではなく一部となることがあります)
・貸与先が行う本事業の周知にかかる広報費 など
※詳細につきましては必ず申請要項を確認してください。
▼以下のいずれかの区分への申請が可能です。
(1)【大規模貸与】1申請につき21~50件の国立文化財機構所蔵品を貸与/各年度1~2か所を選定予定
(2)【小規模貸与】1申請につき20件以内の国立文化財機構所蔵品を貸与/各年度4~5か所を選定予定
▼申請にあたっては、以下のいずれかの方法で借用希望作品リストを作成してください。
※国立博物館および文化財研究所の所蔵品検索にあたっては、ColBase(コルベース/国立文化財機構所蔵品統合検索システム)等を参照ください。
(方法1)国立博物館・文化財研究所の所蔵品の中から申請館が自ら設定したテーマに沿って作品を自由に選択してリストを作成。
(方法2)貸与可能作品が掲載されたリスト(a.【日本考古】およびb.【黒田】)を活用し、必要に応じて国立博物館・文化財研究所の所蔵品を加えてリストを作成。
a.【日本考古】
東京国立博物館所蔵の各時代や地域を代表する日本考古資料の優品34件。
(『申請要項』別紙1-(1)参照)
貸与可能作品例
b.【黒田】
東京国立博物館所蔵の黒田清輝の代表作12件。
(『申請要項』別紙1-(2)参照)
貸与可能作品例
■本事業の対象となる美術館・博物館
文化庁長官の承認を受けた公開承認施設または博物館法で定められた登録博物館、指定施設であれば、公私立を問わずに応募できます。
貸与条件や事業内容の詳細ならびに申請方法につきましては、〈ぶんかつ〉ウェブサイト掲載の「令和7(2025)年度 国立文化財機構所蔵品貸与促進事業実施対象館 申請要項」を必ず確認してください。
■開催中・開催予定の令和5(2023)年度「国立博物館収蔵品貸与促進事業」展覧会(会期順)
美術館・博物館:兵庫県立美術館
展覧会名 :「生誕180年記念 呉昌碩の世界―海上派と西泠名家―」
会期 :2024年1月13日(土)~4月7日(日)
貸与件数 :11件
美術館・博物館:糸島市立伊都国歴史博物館
展覧会名 :「東西日本の弥生文化 ~東京国立博物館収蔵コレクションより~」
会期 :2024年1月27日(土)~3月17日(日)
貸与予定件数 :19件
美術館・博物館:下関市立美術館(山口県)
展覧会名 :「開館40周年記念特別展
狩野芳崖、継がれる想い――悲母観音からはじまる物語」
会期 :2024年2月6日(火)~3月17日(日)
貸与予定件数 :2件
このほか、令和5(2023)年度は島根県立石見美術館・市立岡谷美術考古館・山口県立山口博物館・広島県立歴史民俗資料館にて貸与促進事業による展覧会が開催されました。
(※令和5(2023)年度は全7件開催)
文化財活用センター
2018年に設置された、文化財活用のためのナショナルセンターです。
「文化財を1000年先、2000年先の未来に伝えるために、すべての人びとが、考え、参加する社会をつくる」というビジョンを掲げ、「ひとりでも多くの人が文化財に親しむ機会をつくる」ことをミッションとして、さまざまな活動をしています。