熊本県・公益社団法人熊本県観光連盟では、2021・22年度に引き続き、「熊本型観光MaaS」構築に向けた実証事業を阿蘇エリアで行っています。
2023年7月15日(土)の「あそ旅のレールバス」販売開始に続き、2023年度第二弾となる今回は、ふだん路線バスが乗り入れない観光地へ、シャトルバスによるアクセスがスタート。
阿蘇駅前からの「大観峰行き」を2023年11月11日(土)から、立野駅前からの「熊本地震震災ミュージアムKIOKU行き」は同18日(土)から、2024年3月まで運行します。
鉄道や路線バスだけでなく、ふたつの期間限定シャトルバスを組み合わせ、スマホひとつで、日頃公共交通機関で行けない阿蘇の代表的な観光スポットにも、お得・自由・便利に行ける仕組みを提供します。
熊本県「シャトルバス」
実証運行(1)
2023年11月11日運行開始 阿蘇駅⇔大観峰展望所 直行シャトルバス
【運行概要】
運行日 :2023年11月11日(土)~2024年3月24日(日)の土・日・祝
※年末年始(12/25~1/5)は運休
利用料金:大人往復1,000円(小人500円) 予約制
※当日空席があれば発車前まで購入可能
購入方法:熊本県観光予約サイト「くまもっと旅行社。
」より購入
https://www.kumamotto.net/maas/bus
(クレジットカード払いのみ)
熊本県を対象とした人気観光地ランキングにおいて、常に上位にランクインする観光スポット「大観峰(だいかんぼう)」は、阿蘇の代名詞と言える絶景スポットです。
見渡すかぎり大草原と世界有数のカルデラ地形を一度に堪能できます。
大観峰から眺める阿蘇五岳は、まるでお釈迦さまが寝ているように見えることから「涅槃像」とも呼ばれています。
連日観光客でにぎわう大観峰ですが、訪れる観光客のほとんどが、マイカーやレンタカー、バイク、貸切観光バスを使っています。
公共交通である路線バス停留所が設置されているものの、便数の少なさと、バス停から展望所までの距離(坂道を約2km)が原因で観光にはとても使いにくい状況です。
このような現状を踏まえ、公共交通を利用したアクセスの利便性を高め、マイカー・レンタカーがない観光客でも便利なアクセス手段として、2024年3月までの期間限定で阿蘇駅前発着直行シャトルバスを1日3便運行します。
1便目(阿蘇駅前9:20発)は阿蘇市内に宿泊したチェックアウト後の観光客、2便目(阿蘇駅前11:15発)はJR特急「あそぼーい」を利用して阿蘇駅に到着する観光客、そして3便目(阿蘇駅前14:20発)は阿蘇市内で宿泊する観光客をターゲットに想定。
大観峰観光の前後に、阿蘇山火口や草千里、阿蘇神社などの阿蘇観光とつなげることが可能です。
また、南阿蘇鉄道株式会社、九州旅客鉄道株式会社、九州産交バス株式会社、産交バス株式会社の4社にて先行スタートした、阿蘇や南阿蘇地域を一日中、公共交通で周遊できる便利でお得なチケット「あそ旅のレールバス・みなみあそ旅のレールバス(
https://sankobus.artpro.co.jp/
)」と組み合わせることで、阿蘇周遊観光の幅がぐっと広がります。
なお、2023年度の実証運行結果は、次年度以降の観光に使いやすいバスのルートやダイヤ改善に向けた検討のデータとして活用したい考えです。
実証運行(2)
2023年11月18日運行開始 立野駅⇔熊本地震震災ミュージアムKIOKU直行シャトル
【運行概要】
運行日 :2023年11月18日(土)~2024年3月24日(日)の土・日・祝
※11/25(土)と年末年始(12/25~1/5)は運休
利用料金:大人往復1,000円(小人同額) 予約制
※当日空席があれば発車前まで購入可能
購入方法:熊本県観光予約サイト「くまもっと旅行社。
」より購入
https://www.kumamotto.net/maas/taxi
(クレジットカード払いのみ)
熊本地震震災ミュージアムKIOKUは、平成28年(2016年)熊本地震の記憶や経験、得られた教訓を確実に後世に伝える回廊型のフィールドミュージアム「熊本地震 記憶の廻廊」の中核拠点施設として、2023年7月にオープンしました。
館内では、震災遺物の展示や当時を振り返るシアター、震災遺構、各種プログラムを通して、熊本地震の被災の様子、その発生メカニズム、そして防災について学び、人と自然との共生のあり方について考えることができます。
また、漫画『ONE PIECE』と熊本県が連携した『ONE PIECE 熊本復興プロジェクト』による、麦わらの一味の像(ロビン像)設置施設として、日々多くのファンが訪れる場所です。
こちらの施設も公共交通アクセスが未整備の状態で、マイカー・レンタカー・貸切バスでの来訪が大半を占めています。
車での来訪者以外は、最寄りの立野駅からタクシー利用が一般的ですが、地元タクシー会社の慢性的な人材不足により希望の時間に配車できないこともしばしば見受けられます。
そのような背景をふまえ、限られたタクシーを効率的に活用し、観光客の利便性を向上させる試みとして、JR豊肥本線や南阿蘇鉄道の立野駅発着時刻に接続した、定時運行での相乗りシャトルを運行します。
観光客はリーズナブルにタクシーを利用でき、予約制とすることで、配車できない(タクシーがつかまらない)心配を解消できます。
また、2023年7月に熊本地震からの復活を遂げ、全線で運行再開した南阿蘇鉄道との乗り継ぎ可能な運行ダイヤとすることで、南阿蘇観光への周遊観光を促進します。
熊本型観光MaaSについて
「MaaS(マース)」とは、“Mobility as a Service”の略です。
出発地から目的地までの移動ニーズに対して、最適な移動手段をひとつのスマホアプリで提供するなど、移動を利用者にとっての一元的なサービスとして捉える概念のことです。
参考:くまもっと!観光MaaSウェブサイト
https://kumamoto.guide/kumamoto_maas/
その他の取り組み
参考:あそ旅のレールバス・みなみあそ旅のレールバス
https://sankobus.artpro.co.jp/
南阿蘇鉄道全線開通に合わせ、阿蘇地域の観光を公共交通で楽しんでいただくために販売開始した、阿蘇エリアの鉄道やバスが24時間乗り放題となるチケットです。