有料測定で提供!ハイシマ工業 Retrotec社製 大規模建築用気密測定器運用開始

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ハイシマ工業は、2023年10月より米国気密測定器メーカー最大手Retrotec社製ブロアードア(玄関ドアやテラスドア、シャッター部分への設置)タイプを複数組合わせてシステム統合した気密測定装置を有料測定での提供を始めます。

 

ハイシマ工業 Retrotec社製 大規模建築用気密測定器運用開始

 

Retrotec社製 大規模建築用気密測定器を運用開始

 

欧米では既に一般化している大型建築(オフィスビルや倉庫等の各種非住宅建築)の気密性能評価に関して、国内でも実測評価を望む声が全国から寄せられており、これらの潜在的要望に応えるために、有料実測評価の業務提供を開始します。

 

非住宅建築に関する気密測定の現状

 

住宅の気密性能に関しては、我が国でもその重要性が漸く認識され、建設途中と完成時の気密性能測定が普及しつつあるようです。

しかし非住宅建築では、気密性能を向上させるための外皮構成の工夫や、その効果を確認するための気密性能測定は、殆ど検討や実施に至っていません。

一方、欧米では非住宅(事務所ビル、倉庫、物販店)でも気密性能に配慮した外皮構成(連続した気密層)を採用し、また施工精度を確認するために気密性能測定が実施されています。

例えば米国では州によって採用されているIECC版(国際省エネ法、毎3年で更新、どの版を採用するかは各州が採択)にはバラツキがあります。

気密性能を担保するためには,仕様基準と性能基準の何らかを実施することが義務付けられています。

IECC-2021基準では、0.40cfm/ft2(7.3m3/h/m2)(外皮面積当たり)という数値が設けられています。

 

測定可能な建築

 

ハイシマ工業株式会社はRetrotec社製のModel6000型送風機(電源周波数が50Hzの場合でも1台当たり約10,000m3/hの風量がある)を6台保有しており、これらを連結することで60,000m3/h以上の測定風量を実現します。

これによりC値が2.0cm2/m2以下であれば、延べ床面積6,000m2の中規模ビル(階高3.0mを想定)でも建物全体を十分に加圧・減圧することができます。

これ以上の大型建築でも、階層で分割して測定する欧米でも行われている手法を使用して測定が可能な場合があります。

 

大型建築における気密性能向上による効果

 

一般的に気密性能を向上させると、(1)エネルギーロスの削減、(2)室内快適性の向上、(3)汚染物質除去効率の向上、(4)壁内結露抑制による建物耐久性の向上、以上の4つの効果があるとされています。

特に大型建築ほど都市部などの交通量の多い場所に計画されるため周辺の空気の清浄度も低い傾向にあり、気密性能が低いとフィルターを介さずにそうした排気ガス混じりの空気を室内に引き込むリスクが高まります。

また大型建築においては、建物の高層化による煙突効果の増加と高層部の風速増大により、低層建築よりも室内外の差圧が大きくなり漏気量も増大する傾向にあるため、気密性能が低いことで生じるリスク(汚染空気の流入、壁内結露の発生など)がより高いといえ、建物の健全性や利用者の健康を守るためにも気密性能は重要になります。

日本の気候に近い上海の延べ床面積2,300m2の商業施設において、従来の一般的な気密性能をIECC基準に向上させた場合、空調にかかるコストが年間約175,000円削減されるという試算※1も出ています(現状の為替レート(20.70円/人民元)で換算)。

大型建築における気密性能向上による効果(1)

大型建築における気密性能向上による効果(2)

※1 Shrestha, S.S., Ng, L., Emmerich, S., Hun, D., Desjarlais, A., and L. Dalgleish. 2016. “Online Airtightness Savings Calculator for Commercial Buildings in the US, Canada and China.” In:Proceedings from the Buildings Conference XIII, Clearwater, FL.

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