特選4作品・秀逸6作品・佳作21作品を発表!バイオジェン・ジャパン「想いでつながる私の多発性硬化症俳句コンテスト」

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バイオジェン・ジャパンが、多発性硬化症(以下 MS)の当事者の方、家族・友人、MSに関わる医療関係者の皆様を対象にMSとの多様な向き合い方を俳句で詠む「想いでつながる私の多発性硬化症俳句コンテスト」を実施しました。

 

バイオジェン・ジャパン「想いでつながる私の多発性硬化症俳句コンテスト」

 

 

昨年に引き続き、二回目の開催となった「想いでつながる私の多発性硬化症俳句コンテスト」は、MSの当事者の方をはじめ多くの方から応募があり、応募数は175句となりました。

それらの中から、第一回選者である夏井いつき先生とのYouTubeも話題の、俳人 家藤正人先生より審査いただき、今回、特選4作品・秀逸6作品・佳作21作品が、同社が運営するWEBサイト「多発性硬化症サポートナビ」にて公開されました。

指定難病の1つに認定されているMSですが、症状や程度は人によって異なることから自身の病気や人生と向き合う姿勢や考え方、悩みもまた人それぞれです。

そんな多様な向き合い方を「俳句」で表現することで、自身が抱く想いに改めて気づくきっかけとなり、またほかの方が詠む句の背景にある想いに触れることが、新たな気づきや共感、連携につながると考え、MSに関わる方を対象に本コンテストを実施。

2023年6月24日(土)には受賞作品を発表するオンラインイベントも開催されました。

当日は、家藤先生による講評、さらに、MSの専門医である東北医科薬科大学医学部 脳神経内科学教授の中島一郎先生や、テレビ番組の俳句コーナーでも活躍中の東国原英夫さんに出演いただき、作品が生まれた背景となるMSにまつわるエピソードに触れながら、疾患に関する理解を深めるトークセッションを行いました。

イベント当日の録画映像は、同社が運営する疾患啓発ウェブサイトである「多発性硬化症サポートナビ」およびYouTubeチャンネルで視聴できます。

 

受賞作品・賞品

 

特選・秀逸を受賞された方には、夏井いつき先生・家藤正人先生のサイン入り著書が、佳作含む受賞者の皆様には、各作品を認めた色紙が記念品として贈呈されます。

 

特選

 

本人による作品

作品 :車いす降りて鳥雲仰ぐ馬上

詠み手:俳号 藤村 一寿

 

作品 :ふらふらのパルス三日目ゼリー揺る

詠み手:俳号 千瑛

 

家族・友人・医療関係者による作品

 

作品:爪磨くずっと跣の清清し

詠み手:俳号 ニャー次郎(家族・友人)

 

作品 :へたりこむ玄関あゝ満月が遠い

詠み手:俳号 ぐ(家族・友人)

 

秀逸

 

本人による作品

 

作品 :春の昼さぼってるとはどの口が

詠み手:永山 浩子

 

作品 :我が左眼ビスクドールや桜桃忌

詠み手:小田桐美穗

 

作品 :フォークしか持てぬ日もあり冷素麺

詠み手:俳号 はなゑ

 

家族・友人・医療関係者による作品

 

作品 :白靴で歩ける今日を今を生く

詠み手:俳号 くぅ(家族・友人)

 

作品:流れ星母の望みを1億個

詠み手:俳号 めぐみ(家族・友人)

 

作品 :金継ぎのカップを春日つつみをり

詠み手:俳号 嶺乃森夜亜舎(家族・友人)

 

佳作 ※作品/詠み手

 

鰯雲風に押される車椅子/俳号 りばーじゅ(当事者)

見えぬけど春の匂は見えてきた/俳号 みっちょん(当事者)

右腿の注射の跡や冬終る/俳号 林理(当事者)

夏近し打ち易くなる自己注射/山口 ゆかり(当事者)

春分の切ない夜にふるいたつ/俳号 な。(当事者)

冷えピタでウートフ防ぐ夏浅し/俳号 恵萩(当事者)

ひたひたと滴数える秋の月/俳号 coo(当事者)

朝曇病院食を静か待つ/野口和代(当事者)

白靴の紐はゆるりとしびれ足/俳号 コミマル(当事者)

五月雨や車椅子には家の中/松野加奈子(当事者)

帰宅の途妻背負いたり初詣/俳号 中野花菜(当事者)

愛だとか希望を抱え夏が来る/柘植雅一(その他)

カレンダーの歪む赤丸夏近し/俳号 丹波らる(医療関係者)

喪失は絶望じゃない春の月/貴田雄介(家族・友人)

麻痺側の位置整えて桔梗挿す/俳号 近江菫花(その他)

握り合ふ手の暖かき君眠る/貝田ひでを(家族・友人)

車椅子家族と共に紫陽花を/俳号 ひろみ(その他)

推しはかる難病同士冬の風/俳号 ゆかりん駄(その他)

五月雨や爪先ずつと揺れゐたり/俳号 磐田小(医療関係者)

良薬を待つ生涯や春の月/岡田小夜子(家族・友人)

行く春や「あきらめないで」子らへ手話/俳号 井上右彩(その他)

 

選評

 

家藤正人先生からは、175句全体を通して以下の選評を頂きました。

 

皆様の投句をひとつひとつ、句の背景にあるエピソードも含めて読ませていただき非常に新鮮な驚きを覚えました。

多発性硬化症を罹患する方の現況と、そして難病と付き合いながら生きていく精神のしなやかな逞しさに対してです。

そしてまた、闘病を傍で支える人々のあたたかな真摯さにも。

俳句はたった十七音しかない小さな詩の器です。

難病と生きる悲喜こもごもの全てを事細かに述べることはできません。

しかし小さな器だからこそ、エッセンスのように抽出された各人の在り様が見えてきます。

時にその心の核のようなものは、雄弁に語るよりも受け手の胸へと飛び込むでしょう。

多発性硬化症が多くの人に理解されるため、俳句が少しでもお役に立てるなら喜ばしく思います。」

 

審査員

 

家藤正人先生

 

 

1986年生まれ。愛媛県出身。

大学卒業後、本格的に俳句に携わる。

夏井いつきの句会ライブにてアシスタント経験をつむ。

愛媛新聞カルチャー教室、学生を中心として県内外で単独句会ライブも行っている。

2016年からは南海放送ラジオ「夏井いつきの一句一遊」にてアシスタントを務め、2019年より南海放送ラジオ「家藤正人『一句一遊』虎の巻」ではパーソナリティを務める。

そのほか、松山市公式俳句投稿サイト「俳句ポスト365」初心者欄選者。

香川県宇多津町「令和相聞歌」企画参加および選者ほかさまざまな企画に携わる。

句集『磁針』(夏井&カンパニー)

 

バイオジェン・ジャパン「想いでつながる私の多発性硬化症俳句コンテスト」結果発表でした。

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