「ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所」ではグローバル化社会における幼児期からの英語教育の有効性や重要性に関する情報を定期的に発信。
今回は、主任研究員「ポール・ジェイコブズ」氏が、イリノイ大学の「ランドール・サドラー」氏とImmerse社「トリシア・スラッシャー」氏へのインタビューを実施。
2人が取り組む2つのプロジェクトとその成果を紹介します!
ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所「VRを言語教育に活用することについてのインタビュー」
「ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所」の主任研究員「ポール・ジェイコブズ」氏が、イリノイ大学の「ランドール・サドラー」氏とImmerse社「トリシア・スラッシャー」氏へのインタビューを実施。
イリノイ大学の「ランドール・サドラー」氏とImmerse社「トリシア・スラッシャー」氏は、2つのプロジェクトに取り組んでいます。
まず、プロジェクトの1つめに、スペインの小学6年生を対象にVRを使って英語を教える研究プロジェクトを実施。
スペインの小学6年生のクラスで、10週間にわたり、VRを活用した英語のレッスンが行われました。
子どもたちは、アートギャラリーや家、ガレージ、魔法の世界のような大広間など、さまざまなVR空間で英語を学びます。
「サドラー」教授らは、子どもたちへのアンケート調査、レッスン中の発話の分析を行い、通常の教室環境で授業を受ける場合と比較しました。
その結果、子どもたちはVRのほうが通常の授業よりも自発的に英語を話していました。
さらに、VRレッスンのほうがたくさんの単語を覚えたように感じている子どもや、活発になる子どもが多くみられました。
「サドラー」教授らによると、子どもたちがあらゆることばを文脈(ことばが実際に使われる目的・状況・場面など)の中で学べたこと、また、レッスンの楽しさによって不安が軽減され「もっと英語を話そう」という気持ちになったことが要因として考えられます。
なお、「スラッシャー」氏が大学生を対象に行った研究では、教室よりもVR空間で外国語のレッスンを受けたほうが不安をあまり感じない、ということが唾液中のコルチゾール(ストレスホルモン)や心拍数の測定でも明らかになりました。
プロジェクトの2つめは、教育資源に乏しいアメリカの高校へのVR導入です。
アメリカの多くの大学では、学内にVRラボがあり、VR活用の普及が進み、これらの技術を使いたいと考える第二言語習得研究者や教師の間で、大きな関心が持たれています。
一方、K-12(幼稚園~高校)では、一部が導入し始めたばかりで、VR機器が高価なため、まだ一般的ではありません。
そこで、教育資源に乏しい高校を対象に、500台のVR用ヘッドセットをMeta社から研究助成を受けて提供する、Immerse社と「サドラー」教授、そして2名の研究パートナーによるパイロット研究が2023年春にスタートしました。
プロジェクトの目的は、「教師それぞれが置かれた状況で、VRを外国語学習にどう活用するのが最適か」を検討すること。
先生方と協力しながら「ワークショップによるトレーニングの実施」や、「VRを活用したレッスンプランの開発サポート」が実施されます。
日本政府は、授業におけるテクノロジー活用を推進し、言語を文脈と結びつけて学べるVRが効果的な役割を果たすことが期待されています。
VR学習には、「VR空間でのリアルな場面・状況で英語(または他教科)を学ぶ」→「本物のやり取りが促進される」→「話す不安を軽減する」という可能性があり、通常の授業で英語を使うことに自信がない多くの日本人生徒にとって、ぴったりの学習法に思えます。
適切に活用すれば多くの人に役立つものになり得ることが明らかになっています。
教育現場にVRを取り入れる、海外の先進的取り組みを紹介。
「ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所」は、教育現場にVRを取り入れる海外の先進的取り組みを紹介するインタビュー記事を公開しています!