バイオベンチャー「BioGaia AB」の日本法人であるバイオガイアジャパンが、広島県内有数の長寿地域である安芸太田町(広島県山県郡)並びに広島大学と産学官連携。
安芸太田町住民の長寿と生活圏内の土壌細菌、環境細菌の関連性を調査する共同研究に着手します。
バイオガイアジャパン×安芸太田町×広島大学「産学官連携」
海外研究で、居宅の周辺で収穫した野菜や植物の摂取を通じて獲得した生活圏内の環境細菌、特に土壌細菌と住民の人体常在菌(マイクロバイオーム)のシンクロ率(同一性)や親和性が高ければ高いほど住民の健康寿命が長くなる傾向にあることを予測する「バイオガイア」
今回実施される「産学官連携」は、安芸太田町における本格研究によってその仮説を調査・実証することを目的としています。
日本には古来から禅宗などに「身土不二」という言葉が存在し、土と身体は不可分のものという考え方があります。
地域経済の活性化を企図して新たな地域特産農作物の創出運動などが数多く試みられている、高齢化によって人口と産業の空洞化が進んでいる中山間地域。
労働力不足や気象条件、商品の市場競争力などに課題を残すケースが多くあります。
バイオガイアは、これまでのそういった取り組みとは全く異なる、微生物専門のバイオ企業ならではの視点からのアプローチ。
「土自体が他が真似できない地域の固有財産」「その土地ではすべての普通の農作物が長寿食」といった新しい地域活性化メソッドの創出をめざします。
農業が盛んな地域で平均寿命が長い傾向にある理由を安芸太田町をモデルケースに研究
バイオガイアが試験農場を持つ安芸太田町は広島県内では有数の農村地域。
平均寿命は男性が80.3歳、女性が87.1歳と、広島県全体の平均寿命(男性79.9歳、女性86.9歳)よりも男性が0.4年、女性が約0.2年長命です。
さらに全国平均(男性79.6歳、女性86.4歳)と比較するとさらに長くなっています。
農村地域には平均寿命の長い市町村が数多く存在しており、そうした地域は自家栽培の野菜などから、日常的に地元固有の土壌細菌を摂取する機会が多いと考えられます。
今回のプロジェクトでは、統計的な全国平均値や都道府県別平均値だけを参照するのではなく、より狭い範囲の特定市町村レベルでの土壌細菌と地域住民の寿命や健康寿命の関わりを深く調査。
それにより、微生物の観点から見た地産地消のメリットや、日本に伝わる「身土不二」の理念を科学的に検証しています。
広島県から日本全国へ、そして日本から世界へと拡大していける新たな健康寿命延伸理論の確立をめざします。
広島県安芸太田町から、 土壌細菌に根ざした健康寿命延伸運動の確立を目指す共同研究。
バイオガイアジャパン、安芸太田町、広島大学が実施する「産学官連携」の紹介でした。