積水ハウスの様々な事業を紹介する「積水ハウス ストーリー」
第29弾は「福岡アイランドシティ 照葉のまちづくり」のストーリーです。
積水ハウス ストーリー 第29弾「福岡アイランドシティ 照葉のまちづくり」
積水ハウスの様々な事業を紹介する「積水ハウス ストーリー」
第29弾は「福岡アイランドシティ 照葉のまちづくり」のストーリーです。
「住宅団地の空洞化」をご存知でしょうか。
日本では、高度経済成長期の都市への人口集中に対応するため、全国各地で郊外を中心に戸建住宅や集合住宅が集まる住宅団地が開発され、多くの「住宅市街地」が形成されてきました。
しかし、初期の開発から半世紀が経ち、建物は老朽化し、子ども世代は移住し、住民の高齢化が進んでいます(※1)。
そのため、スーパーや商店が撤退し、衰退地域となっているところもあり、中古住宅として売りに出されても購入者がなかなか見つからず、長期間に渡って空き家になるという「空洞化現象」が多くなってきています。
また、世代の循環に伴う施設への入居などにより、空き家として放置されるケースも目立ってきているようです。
※1:国土交通省「全国の住宅団地リストについて」
実際、住宅団地を含む全国の空き家数は、1988年から2018年の30年間で、2倍以上増加し、空き家率(空き家戸数が総住宅戸数に占める割合)も上昇を続け、2018年には13.6%に達しました。(※2)
空き家の増加は、公衆衛生や治安の悪化にもつながるため、重要な問題となっています。
※2:総務省「住宅・土地統計調査」
このような問題を抱えたままでは、若い世代にとって街の魅力は乏しく、移り住む人もなかなかいません。
住宅団地では、定住者を増やし街の空洞化を防ぐための対策が今、求められているのです。
そこで今回は、こうした問題の解決策の一つともいえる、子どもを中心に人口が増え続けるまち、「福岡アイランドシティ」を紹介します。
戸建て住宅や分譲住宅の他、賃貸住宅が約30%整備されており、住まい手が適度に入れ替わるため、一様に高齢化しないまちになっています。
行政、開発事業者と住まい手が連携してまちを作り出すことによって、まちへの「愛着」と「新たな価値」が生まれ、持続的に発展していけるまちとして注目されています。
博多湾に浮かぶ人工島の一角にある「福岡アイランドシティ」は、官民が一体となって作り上げたまち。
2003年、福岡市が「照葉まちづくり構想」を発表し、開発事業者の公募で積水ハウスを代表事業者とする共同事業者が選出されたところからスタートしました。
2004年から計画が始まり、2005年9月に「まちびらき」して、現在17年目を迎えます。
まちづくりにあたり、「環境共生」「健康」「子ども」「みんなで関わる」の4つをコンセプトとして掲げ、「生きる力を呼び覚ますまち」を目指してきました。
中でも「子どもを中心とするまちづくり」に力を入れていて、子どもがのびのびと健やかに育つことができる工夫が施されています。
まちの真ん中には、緑豊かな「アイランドシティ中央公園」があるほか、まち全体にオープンスペースを設け、人々が気軽に集い、子どもたちが駆け回り、遊びやすい環境が整えられています。
このまちの大きな特長は「治安のよさ」
まち全体に高度なセキュリティを取り入れる「タウンセキュリティ」を導入し、専任の警備員が24時間常駐しています。
警備員は建物などに異常が発生すると直ちに出動するとともに、小中学校の登下校時に合わせて見守りもしています。
また、人通りが少ない緑道や公園などには防犯カメラが設置され、不審者がいないかどうか見守ります。
「照葉のまちづくり」では、安全を重視し、子どもも大人も安心した生活を送っています。
まちづくりには、作り手の強い思いが込められ、デザインや景観にこだわった設計がされています。
統一感のある美しい街並みを形成するため、石積みには地元の花崗岩「耳納石(みのういし)」などの自然石を使用。
また、「景観協定」を設定し、建物の外壁位置や高さ、屋根や外壁の色合い、石積みの扱いなどに、きめ細やかなルールを設けています。
お客様の注文住宅であっても外構のフェンスは、色や高さを統一しなければなりません。
「制約が多くて大変」と思われるかもしれませんが、実は、こうしたルールによって、まちなみ全体に統一感が創出され、「美しいまちなみを守り育てよう」とする住民の意識も高まるのです。
このほか、住民主体の自治会組織「照葉のまちづくり協会(TCA)」を設立し、夏祭りなどのイベントの開催や地域内の一斉清掃などを実施。
行政、住民・企業、大学が連携した「アイランドシティ・アーバンデザインセンター(UDCIC)」や積水ハウスをはじめとする企業主催のイベントも盛りだくさんです。
このように、みんながまちづくりに関わることで、良好なコミュニティが形成され、住民はまちへの愛着が深まり、自分たちの家もまちも大切にするようになります。
実際、団地内のマンションから戸建てに、またマンションからマンションへ住み替える人も多く、賃貸マンション・分譲マンション・戸建住宅など様々な住宅があることでライフステージに合わせて、アイランド内で住み替えがおこなわれています
積水ハウスの担当者は、次のようなエピソードを語っています。
「当時、地元支店や本社など、いろいろな部署から集まってプロジェクトチームを作りました。計画を進める中で、これまでの分譲地開発からすると行政との調整・協議が必要な個所を数多く盛り込んだ前例のないプロジェクトを実現させるために、時には福岡市の関係部局と意見が異なり調整に時間を要したこともありました。しかし、『いいものを作りたい』という熱い思いと、『まち自体に新しい価値を提供していきたい』という思いがプロジェクトチーム全体にあったので、ここまで来ることができました」と振り返ります。
「いいものを作り、街に新たな価値を提供するのは、作り手である私たちの仕事。との強い考えを持ち続け開発をしたことで、今もなお『時が経つごとに美しくなっていくまち』であり続けているのだ」といいます。
こうして、「福岡アイランドシティ」では、人が定着しながらも増え続け、2018年に福岡市総合体育館(照葉積水ハウスアリーナ)が開館。
2020年には大型複合商業施設「island eye」もオープンし、今では地域外からたくさんの人が集まっています。
さらに、2021年には福岡都市高速道路「アイランドシティ線」も開通し、多くの人が行き交うまちに成長しました。
官民一体で取り組む照葉のまちづくり!
積水ハウス ストーリー「福岡アイランドシティ」の紹介でした。