記事ポイント
- ノエビアグループが「ブルガリアンローズ」と肌のホルモンに関する研究成果を発表。
- 加齢モデルの肌細胞で、オキシトシンとその受容体の量の増加を確認しました。
- 両ホルモンへの作用を高めるカプセル処方技術も開発しました。
ノエビアグループの「ブルガリアンローズ」に関する研究で、肌のオキシトシンとコルチゾールの双方にはたらきかける植物素材としての可能性が示されました。
「こころと肌の関係」に着目した研究を発展させ、植物素材の探索と、その作用を高めるカプセル処方技術の開発を進めています。
ノエビアグループ「ブルガリアンローズ」の研究成果

- 研究成果の一部の発表:日本薬学会第146年会(2026年3月26日~29日開催)
ノエビアグループは、スキンケアによる心地よさやポジティブな感情と肌との関係を研究し、オキシトシンを心と肌をつなぐ“美肌ホルモン”と位置づけています。
今回の研究では、「ブルガリアンローズ」がオキシトシンのはたらきを高めるとともに、肌老化に関わるコルチゾールのはたらきを抑えることを見出しました。
「ブルガリアンローズ」は、肌で互いの作用を制御し合うオキシトシンとコルチゾールに対し、オキシトシンのはたらきを高め、コルチゾールのはたらきを抑えます。
研究の背景には、2026年に確認した、オキシトシンが多い人ほど肌状態が良好な傾向にあるという知見と、2020年に明らかにした肌における両ホルモンの相互制御関係があります。

「ブルガリアンローズ」はブルガリア産のダマスクローズで、学名はRosa × damascena、バラ科バラ属の植物です。
ブルガリア共和国の首都ソフィアから東に約200kmの“バラの谷”で栽培され、毎年5月中旬から6月にかかる開花時期に、朝日が昇る前から1輪ずつ手摘みで収穫されます。
約8万枚の花びらから得られる精油はわずか1gという、希少な香りの素材でもあります。
オキシトシンは脳だけでなく肌でも合成されますが、その受容体は加齢とともに減少するため、心地よさやポジティブな感情が肌にもたらす効果を十分に受けにくくなると考えられています。

加齢モデルの肌細胞を用いた比較では、「ブルガリアンローズ」によって、減少したオキシトシン受容体とオキシトシンそのものの量が増加しました。
受容体とオキシトシン量の双方にはたらきかけることが、肌におけるオキシトシンのはたらきを高める可能性につながっています。
一方、ストレスに関連して分泌が高まるコルチゾールは、肌では一部が不活性型として蓄えられ、再びストレスを受けた際にコルチゾール再活性化酵素によって活性型に変換されます。

加齢とともに増加するこの酵素に着目した実験では、「ブルガリアンローズ」が加齢モデルの肌細胞で増加したコルチゾール再活性化酵素の量を減少させました。
両ホルモンへの作用から、相互制御関係を通じて肌のホルモンバランスをよりオキシトシン優位へ導く可能性が示されています。
さらに、脂質を主としたバリア構造をもつ角層へ届けるため、角層の脂質構造と似た脂質二重膜のカプセルに「ブルガリアンローズ」を内包する処方技術を開発しました。

正常細胞での比較では、「ブルガリアンローズ」のカプセル化によって、オキシトシン受容体の量を増加させる作用と、コルチゾール再活性化酵素の量を減少させる作用がさらに高まりました。
この結果は、カプセル化によって肌への浸透を高め、両ホルモンのバランスにアプローチする作用をさらに高められる可能性を示すものです。
研究成果は今後の基礎化粧品の開発に応用され、引き続き「こころと肌の関係」に着目した研究が進められます。
「ブルガリアンローズ」の研究は、香りや使い心地だけでなく、植物素材と肌のホルモンの関係からスキンケアを知る新たな視点を与えてくれます。
関連する先行研究:オキシトシンに着目し、「こころと肌の関係」を科学的に検証(第28回日本感性工学会大会)。
関連する先行研究:“幸せな気持ちが肌を美しくする” 幸せホルモンがストレス老化を抑えることを発見(IFSCC(国際化粧品技術者会連盟)第31回大会)。







