木杭105本で建つ客室ひとつの宿が金賞!新潟・新発田の一日一組のオーベルジュ Auberge Né(オーベルジュ ネ)

Auberge Néの外観

記事ポイント

  • Auberge Né(ネ)が日本空間デザイン賞2026で金賞を受賞。
  • Architizer A+Awards 2026の建築・環境部門では一般投票1位です。
  • 客室ひとつの一日一組の宿で、新潟食材の十三皿を味わえます。

 

新潟県新発田市の一日一組のオーベルジュ「Né(ネ)」が、日本空間デザイン賞2026のサービス・ホスピタリティー空間ジャンルで金賞に選ばれました。

運営するAhead of the curveの発表によると、国際賞Architizer A+Awards 2026のArchitecture + Environment部門でも、一般投票1位のPopular Choice Winnerに輝いています。

地面を掘らず、敷地の土と木で建てた客室ひとつの宿で、砂糖以外すべて新潟の食材でつくる十三皿の夕食が楽しめます。

 

目次

新潟・新発田の一日一組のオーベルジュ Auberge Né(オーベルジュ ネ)

 

Auberge Néの外観

 

  • 名称:Auberge Né(オーベルジュ ネ)
  • 所在地:新潟県新発田市石喜180(JR新発田駅から車で約15分、新潟駅・新潟空港から約40分。送迎あり)
  • 開業:2025年10月
  • 形態:一日一組(2〜4名)、1泊2食(夕食13皿のコース、朝食)。敷地内バレルサウナ「sui」は、ご宿泊の方向けの時間帯あり
  • 料金:1室 198,000円〜(2名・税込)/4名1室のとき 90,200円〜/名
  • 設計・施工ほか:設計:福西健太建築設計事務所、施工:熊谷建設、総料理長:布施真、写真:河田弘樹
  • 予約:公式サイトから受け付け

 

Néは日本語で「根」、フランス語で「生まれた」を意味する名で、新潟・新発田の田園に一日一組のためだけに開く宿です。

日本空間デザイン賞は日本空間デザイン協会と日本商環境デザイン協会が主催する国内最大級の空間デザインの賞で、金賞は各ジャンルで1位にあたります。

2026年6月には、ニューヨークに拠点を置く建築プラットフォームArchitizerの国際賞で、世界4,000件以上の応募から審査員が選んだ最終候補の中の一般投票1位となりました。

グッドデザイン賞2026、ウッドデザイン賞2026にも選ばれています。

客室はひとつだけで、新潟の田園で地面を掘らず、コンクリートを使わず、敷地の土と木でこの土地の職人が建てました。

 

Néの正面外観

 

運営会社は、2014年に香港で創業したAhead of the curve Co., Limitedの日本法人で、Auberge Néとバレルサウナsuiを運営しています。

 

時間を味わい、自分の来た道をふり返る一晩

 

総料理長・布施真の厨房

 

Néに泊まれるのは一日に一組だけで、屋敷林に囲まれた旧本間家の敷地に着くと、敷地の土を半年以上発酵させて塗った壁が土間で迎えます。

夕方は、敷地内のバレルサウナ「sui」と15℃の井戸水で身体を整えます。

 

十三皿の川魚料理

 

18時、総料理長・布施真の十三皿「終わりから始まりへ、そして一瞬が永遠になるまで」が始まります。

枯れ葉の一皿から、山菜、川魚、猟師の獲物、海の幸と続き、果実のジャムで終わります。

発酵、乾燥、塩蔵といった、雪国が時間を止めずに次の季節へ渡してきた技が皿の上にあります。

食材を届けた生産者の名前は、宿が宿泊客に渡す文章に記されています。

布施は、世界から選び抜いた宿だけを紹介する英国のThe Aficionadosの取材に、「一皿は、厨房だけでは完成しない」と話しています。

フランスでアントワーヌ・ヴェスターマンのもとで部門料理長を務めた布施は、県産の食材を核に、新潟の酒蔵とワイナリーから選ぶ酒とともにコースを構成します。

 

Néの客室

 

皿が進むうちに、ある人のこと、ある季節のこと、忘れかけていた自分のことをふと思い出すことがあります。

翌朝、この土地の朝食をとって宿を出るとき、持ち帰るものは人それぞれで、新しい気づきや静かな力、これから来るものを受け入れるひらかれた気持ちかもしれません。

 

掘らない、固めない。土地にあるもので建てる

 

木杭が並ぶ床下

 

Néの建物は地面を掘らず、105本の木杭と土の摩擦で立っています。

 

木杭の施工現場

 

床には新発田産の杉を切り出した2,220個の木片を敷き詰め、屋根は新潟の土で焼いた安田瓦です。

設計は福西健太、施工は新発田で三代続く熊谷建設です。

 

Néの外壁

 

代表の熊谷幹樹はこれを「環境建築」と呼び、この土地にあるもので、この土地の人の手で建てることが、ここへ来る人へのもてなしの形になると考えています。

 

Néの食事空間

 

土地の記憶を職人の手で次の形に変える、それがNéという場所です。

 

土地から生まれ、土地に還る

 

雪の田園に建築中のNé

 

壁は役目を終えれば土に還り、熊谷建設の建築廃材は隣のsuiの薪になっています。

食材は「同じ人から、適切な対価で、できるだけ長く」受け取ると決めています。

Néとsuiで働く13人のうち11人は、新発田とその周辺の出身です。

宿の対価が職人と生産者の次の仕事になり、技術が次の世代に継がれていきます。

英国のThe AficionadosはNéについての記事に、「守られるだけの技は、やがて消えていく(Craft that is only protected will, in time, disappear)」と書いています。

 

2026年、Néに贈られた評価

 

Architizer A+Awards 2026 受賞マーク

 

  • 日本空間デザイン賞2026:サービス・ホスピタリティー空間ジャンル 金賞(日本空間デザイン協会・日本商環境デザイン協会)
  • Architizer A+Awards 2026:Architecture + Environment部門 Popular Choice Winner(一般投票1位)(米国・ニューヨーク)
  • グッドデザイン賞2026:日本デザイン振興会
  • ウッドデザイン賞2026:受賞
  • 令和8年度 木材利用推進コンクール:優良施設部門 優秀賞(木材利用推進中央協議会)。2026年度
  • NIIGATA GASTRONOMY AWARD 2026:GOLD
  • The Aficionados:日本初・東アジア初のメンバー(2026年3月)。2009年創設、英国発、世界から選び抜かれた宿だけが名を連ねるトラベルキュレーション

 

Néは2026年、建築と食の両面で国内外の賞を受けています。

 

グッドデザイン賞2026ロゴ

 

日本デザイン振興会のグッドデザイン賞2026にも選ばれています。

 

ウッドデザイン賞2026ロゴ

 

ウッドデザイン賞2026にも選ばれています。

2026年10月、National Geographicは「Best of the World 2027」に、日本から唯一、新潟県を選びました。

理由の一つは長い冬が育てた発酵の文化で、Néの十三皿もその技でできています。

 

関係者コメント

 

代表の熊谷幹樹、建築家の福西健太、総料理長の布施真、施工の熊谷佑人が受賞への思いを語っています。

Ahead of the curve 代表取締役 熊谷幹樹:「賞は目的ではなく、入口だと思っています。」

「地方の伝統は、仕事がなくなれば途絶えます。仕事があれば、続きます。」

「Néは、この土地の土と木と人と食材で、もう一度仕事をつくる試みです。」

「この土地の仕事から生まれた空間が、日本と世界で評価されました。この循環が、日本の地方が生き残るための一つの手になると考えています。評価は、この土地の職人と生産者に返していきます。」

福西健太建築設計事務所 代表 福西健太:「外部の素材に頼らず、手の届く地域資源だけで建築をつくる。このアプローチは「Né」が提供する料理の思想と重なり合い、ローカルな技術こそが実は最も先進的であると証明しています。各賞においてこの取り組みを評価していただけたことは、私どもにとって何よりの喜びです。」

Né 総料理長 布施真:「料理は、この土地で育て、採り、運ぶ人たちの仕事があって初めて生まれます。この建築は、そうした土地の営みと、料理、そして訪れる人が過ごす時間を一つにつないでくれました。この場所をともにつくり、支えてくださった皆さまに感謝するとともに、これからもこの土地の価値を次へ渡していきたいと思います。」

熊谷建設 代表 熊谷佑人:「祖父の代から、新発田で建築を生業としてきました。Néの建設は挑戦の連続でした。105本の木杭をはじめ、ほぼすべてが手探りの施工でした。改めて感じたのは、いいものをつくるには時間がかかるということです。これからも手間を惜しまず、一つひとつの仕事に向き合っていきます。」

 

アクセスと滞在の流れ

 

  • 東京から:上越新幹線で新潟へ約2時間、在来線で新発田駅まで約40分(合わせて約3時間)
  • 送迎:ご宿泊のお客様に限り、新発田駅・新潟駅・新潟空港より無料送迎(要事前連絡)
  • 所在地:〒957-0353 新潟県新発田市石喜180(本間家旧居)

 

かつてこの地を拓き守り継いできた本間家の一角に、Néは生まれました。

到着後は自分たちだけの空間で過ごし、夕食までは隣接するバレルサウナsuiのプライベートエリアで感覚を澄ませます。

食卓ではシェフを独り占めする贅沢な時間が流れ、翌朝は食事の余韻とともに土地をあとにします。

 

Auberge Néは、土と木と職人の手で建てた一日一組の宿で、新潟の時間を十三皿に込めて味わえます。

1泊2食で1室198,000円〜(2名・税込)、予約は公式サイトから受け付けています。

 

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