記事ポイント
- 全8施設タイプの前年退去者の48%が、退去先はホーム内の死亡
- 13m2未満のホームは約2割で平均要介護度2.9
- 有料老人ホーム等では入居要件や居室面積で死亡退去の割合に大差なし(特養・ホスピス型住宅を除く)
TRデータテクノロジーが、有料老人ホーム等への導入が検討されている登録制の制度化に向けて、中重度の要介護者の入居実態を分析しました。
入居要件と居室面積によって入居者像が異なるほか、前年退去者の退去先は死亡が最多でした。
TRデータテクノロジー 有料老人ホーム等の入居要件・居室面積別 入居実態分析

- 分析対象:特別養護老人ホームと有料老人ホーム等の全8施設タイプ(約4.6万ヶ所)の前年退去者の退去先ほか
- 調査対象と範囲:福祉施設・高齢者住宅Data Base2026年度上期版。調査時点2026年2~7月で入手できた情報に限る。重要事項説明書は入手可能なホームに限る
- 平均要介護度の算出:自立者を0、要支援者を0.375とし、要介護1~5の各人数に要介護度を乗じて合計し、全入居者数で除して算出。各統計の平均要介護度は、ホームごとの平均要介護度の単純平均
有料老人ホーム等には、介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅が含まれます。
2026年6月25日公布の改正法で定められた新たな登録制度は、中重度の要介護者等が入居する施設を対象に、従来の「届出」から「都道府県知事への登録」を必要とするもので、詳細な運用基準は現在未定です。

入居要件に自立を含むホームと含まないホームはほぼ同数で、平均要介護度はそれぞれ2.2と2.9でした。
自立を含むホームでも、実際の自立入居者の割合は11%にとどまります。

有料老人ホームの基準面積は13m2ですが、これを下回るホームは全体の20%で、平均要介護度は13m2以上の2.5に対して2.9と高い結果でした。

住宅型とサ高住では、居宅サービスが併設(近接含む)するホームが64%を占めましたが、併設の有無による平均要介護度の差は見られませんでした。
全施設タイプの前年退去者の退去先は、ホーム内の死亡が48%で最多で、医療機関28%、特養など12%、自宅8%、その他4%と続きました。

施設タイプ別の死亡退去率は、ホスピス型住宅が約9割で最も高く、特養が約7割、介護付が約6割、住宅型が約5割、サ高住が約4割でした。
特養とホスピス型住宅を除く有料老人ホーム等を面積別や入居要件別などで比べた死亡退去の割合は概ね5割で、これらの条件による大きな違いは見られませんでした。
よくある質問
Q. ホスピス型住宅はどのように定義されていますか?
A. ホスピスを標ぼうしている運営事業者、またはホーム名や広告内容などからTRデータテクノロジーが独自に判断したホームに加え、それ以外で年間退去率および死亡退去率が同社基準を上回るホームです。
全施設タイプの退去先集計と施設タイプ別の退去先比較には含め、その他の統計からは除外しています。
Q. 居宅サービスの併設にはどのような場合が含まれますか?
A. 住宅型とサ高住で、同一建物に併設するケースのほか、ホームから概ね40m圏内に近接するケースを含みます。
自社運営以外の居宅サービスも対象です。
入居要件や居室面積によって平均要介護度には違いがある一方、特養とホスピス型住宅を除く有料老人ホーム等を面積別や入居要件別で比べた死亡退去の割合は概ね5割で、大きな違いは見られませんでした。
登録制の運用基準が未定の中、中重度の要介護者の入居実態を示すデータとして、今後の制度設計を考える材料になります。
退去先「特養など」には、特養以外の福祉施設を含みます。
居室面積は各ホームの最多面積を抽出しています。








