記事ポイント
- 加古隆コンサート“銀河の旅びと~宮沢賢治と私”は、宮沢賢治の詩や童話の「ことば」と加古隆の「音楽」が出会う舞台となる。
- コンサートは2026年11月7日の大阪公演を皮切りに、神奈川、岩手、12月12日の大阪公演まで全4公演が開催される。
- 第1部は加古隆クァルテットが「パリは燃えているか」など代表曲を演奏し、第2部は「永訣の朝」「風の又三郎」「銀河鉄道の夜」など賢治にちなむ楽曲を届ける。
加古隆は、2026年11月から12月にかけて大阪・神奈川・岩手で開催されるコンサート“銀河の旅びと~宮沢賢治と私”を前に、宮沢賢治との出会いや音楽への思いを語った。
宮沢賢治が残した詩や童話の「ことば」と、加古隆の「音楽」が出会い、新たな音楽の結晶として蘇るコンサートとなる。
第1部は加古隆クァルテットによる代表曲の演奏、第2部は「賢治から聴こえる音楽」を軸にした構成で届けられる。
加古隆“銀河の旅びと~宮沢賢治と私”

加古隆さんは子どもの頃から宮沢賢治の作品に触れていたが、当時は特別なファンというわけではなかったという。
強く印象に残っているのは、ヨーロッパに住んでいた頃のある寒い冬の雨の日の体験だ。
手元にあった賢治の短編集を読んだ時の感覚を、加古隆さんはこう振り返る。
ある寒い冬の雨の日、部屋に閉じ込められて何日か過ごしていた僕は、ちょうど手元にあった賢治の短編集を読んだんです。
その時、東北の自然の中へ自分が瞬時に移動したような、非常に爽やかで、それでいてみずみずしい感覚を得たんです。
賢治が農民であることを大切に捉えた東北の「自然」の描写や、「銀河鉄道」に描かれる「宇宙」への憧れは、子どもの頃から宇宙に憧れてきた加古隆さん自身の感性と重なるところが多いという。
パリ国立高等音楽院でオリヴィエ・メシアン氏に師事した経験から得た日本人としての感性は、賢治のみずみずしい言葉の世界観とも通じるものがあり、音楽だけを聴くより賢治が選んだ美しい言葉が加わることで、さらにイメージが広がるという。
「言葉」と「音楽」、二つの世界が響き合う

今回のコンサートは、1988年に発表した「Kenji」という作品がベースになっている。
2023年にデビュー50周年の節目を迎えたことを機に、2024年のツアーで「Kenji」のリバイバル版として再び宮沢賢治をテーマとした作品を上演することになった。
当時はチェロが中心だった構成を、加古隆クァルテットのために編曲や部分的な改作を行っている。
実際に演奏してみた手応えを、加古隆さんは次のように語る。
他に比べるものがない独特なステージと音楽作品なので、やって良かったなと思いました。
音楽というのは、年を取らないんだなって実感しましたね。
このコンサートでは「言葉」と「音楽」のどちらも主役であり、宮沢賢治の言葉から想像できるさまざまな風景や情景を含めた世界観と、加古隆さんの音楽が持つ響きが互いに響き合っているという。
心が震える感動を届けたい

賢治の言葉に感じる魅力について、加古隆さんはこう語る。
個人的な受け取り方になりますが、賢治の本を読むと、いくつかの言葉や短いフレーズが、僕自身にとても響くものがあります。
言葉は加古隆さんにとって難しい相手だったといい、賢治の言葉と出会ったことで、言葉の意味を踏まえて音楽を生み出すことができたと振り返る。
パウル・クレーや葛飾北斎など視覚的なものからの影響が多い自身の作品の中で、言葉と深く結びついてできた作品は唯一と言っていいほど貴重な出会いだったという。
宮沢賢治の言葉と加古隆さんの音楽の世界が触発し合い、共鳴し、より豊かに響くことで、爽やかでありながら心が震えるような深い感動を届けたいという。
その瞬間にしか生まれない強い印象を、観客それぞれの時間の中に残していきたいと語る。
第1部では久しぶりに加古隆クァルテットのみで「パリは燃えているか」をはじめとする代表曲を披露する。
公演情報

- 公演日程・会場(大阪):2026年11月7日(土) 開演14:00(開場13:30)/住友生命いずみホール
- 公演日程・会場(神奈川):2026年11月14日(土) 開演14:00(開場13:30)/神奈川県立音楽堂
- 公演日程・会場(岩手):2026年11月28日(土) 開演14:00(開場13:15)/盛岡市民文化ホール 大ホール
- 公演日程・会場(大阪):2026年12月12日(土) 開演14:00(開場13:30)/東大阪市文化創造館 小ホール
- 料金:7,700円(全席指定/税込価格/未就学児童不可)
- 出演:ピアノ・ソロ:加古隆
- 加古隆クァルテット:加古隆(Pf.)・相川麻里子(Vn.)・南かおり(Va.)・植木昭雄(Vc.)
- 朗読:加古臨王(第2部のみ)
- チェロ奏者:神奈川(11/14)・東大阪(12/12):植木昭雄/大阪(11/7)・岩手(11/28):奥泉貴圭
- 第2部:賢治から聴こえる音楽 「永訣の朝」「風の又三郎」「銀河鉄道の夜」他
第1部:加古隆クァルテット~パリは燃えているか~ パリは燃えているか、白い巨塔、黄昏のワルツ、アヴェ・マリア、それぞれの海、ハ短調「幻影」、他
演奏予定曲目は、公演当日までに変更になる場合がある。
宮沢賢治の言葉と加古隆の音楽が響き合う、ライブでしか味わえない瞬間を会場で体感できます。
加古隆クァルテットが奏でる「パリは燃えているか」など代表曲を、第1部でまとめて楽しめます!
「永訣の朝」「風の又三郎」「銀河鉄道の夜」など賢治の世界を音楽で辿る第2部が、旅の終着点となります。







