日本能率協会総合研究所から、15~79歳の男女を対象とした最新の「健康ニーズ基本調査2025」の結果が発表されました。
1998年から毎年継続されている本調査は、生活者の健康意識や生活行動の変化を長期的な視点で捉える貴重な指標となっています。
日本能率協会総合研究所「健康ニーズ基本調査2025」

調査期間:2025年9月13日~9月25日
回答者数:1,600名
調査方法:オフライン調査(郵送等)
有償レポート価格:定価500,000円(税別)
今回の調査では、約10年前と比較して「ストレスケア」や「美容」といった領域への関心がゆるやかに拡大している傾向が明らかになりました。
特に「美容」については、2000年代初頭の1割未満から2割強へと倍増しており、健康の定義がより多角的になっていることがうかがえます。
一方で、依然として関心の高い「食事・食生活」領域では、新たな課題も浮き彫りとなりました。
健康関心領域の時系列変化

「食事・食生活」への関心は依然トップを維持しているものの、数値としては微減傾向にあります。
対照的に「ストレスケア」や「老化防止」が着実に数値を伸ばしており、心の健康やアンチエイジングへの意識が高まっている証左といえる結果です。
生活者が求める健康の質が、単なる疾病予防からライフスタイルの向上へとシフトしている様子が見て取れます。
食生活と栄養成分への意識

食への関心が高い一方で、「自分の栄養成分が足りているかわからない」と感じる層が3割を超え、10年前から約10ポイント増加しました。
特に40代女性では4割に達しており、情報過多な現代において正しい栄養管理を行うことの難しさを象徴しています。
「機能性表示食品」の認知において、言葉の意味まで理解している人が増えている点も、こうした背景と密接に関係していると推測されます。
高まる「姿勢」への改善ニーズ

前年に急増した「姿勢が悪い」ことへの悩みは、本年も3割半と同程度の高い水準で推移しています。
特筆すべきは改善意欲の高さで、姿勢を気にしている女性の7割強が「積極的に改善したい」と回答。
デスクワークの定着やスマートフォンの普及による「姿勢の悩み」は、現代人にとって解決すべき切実な健康課題として定着しています。
本調査結果は、多様化する現代人の健康ニーズを鮮明に映し出しており、今後の製品開発やサービス立案に欠かせないデータが網羅されています。
「気になる」という悩みから、「改善したい」という具体的なニーズへの変化を捉えることが、これからのヘルスケア市場の鍵を握ることになりそう。
睡眠や美容、姿勢といった日常的な悩みに対する生活者の本音が凝縮された、価値あるレポートの登場に注目です。
日本能率協会総合研究所「健康ニーズ基本調査2025」の紹介でした。