頻度が高いほど体力低下の傾向!明治安田厚生事業団ら「テレワークの健康影響調査」

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明治安田厚生事業団 体力医学研究所、びわこ成蹊スポーツ大学、東京医科大学が参加する研究班が、オフィスワーカーのテレワーク頻度と身体組成、体力、身体症状の関連性を検討した調査結果を発表。

テレワーク頻度が高いほど体力が低下し、腰痛や関節痛などの身体症状の訴えが多い傾向にあることが明らかになりました。

 

明治安田厚生事業団ら「テレワークと健康への影響調査」

 

テレワーク頻度と椅子立ち上がり回数の関係

 

研究主体:明治安田厚生事業団 体力医学研究所、びわこ成蹊スポーツ大学、東京医科大学が参加する研究班

掲載誌:Journal of Occupational and Environmental Medicine

論文タイトル:Impact of Telework on Body Composition, Physical Fitness, and Physical Symptoms in Japanese Workers.

 

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い急速に普及したテレワーク。

通勤が不要になる一方で、身体活動の低下や不十分な執務環境による健康への影響が懸念されています。

本研究では、都内の建設関連企業に勤めるオフィスワーカー93名を対象に、テレワーク頻度と「身体組成」「体力」「身体症状」の3項目について関連性を調査しました。

客観的な測定手法を用いた貴重なデータとして、テレワークの健康影響を可視化しています。

 

体力への影響

 

体力の評価には「30秒椅子立ち上がりテスト(椅子から立つ・座る動作を30秒間に何回繰り返せるか)」を採用。

調査の結果、テレワーク頻度が高いグループほど回数が少ないことが判明しました。

特に「週4日以上」テレワークを行うグループは、「テレワークなし」のグループと比較して4.3回少なく、これは約10歳分の体力差に相当すると考えられます。

一方で、全身の筋肉量や体脂肪率には明確な差は認められませんでした。

これはテレワークの実施期間が短かったためと推測され、長期化した場合にはこれらの数値にも影響が及ぶ可能性があります。

 

身体症状への影響

 

テレワーク頻度と自覚的身体症状の関係

 

身体症状については、国際的な質問票「日本語版 Somatic Symptom Scale-8(SSS-8)」を用いて評価。

胃の不調、背部や腰の痛み、頭痛、疲労感など8項目の自覚症状を調査しました。

結果として、テレワーク頻度が高いほど症状を訴える人の割合が多い傾向にありました。

特に症状が重いケース(スコア16点以上)では、テレワーク頻度の高いグループで明確な差が確認されています。

 

働き方改革が進む中で、在宅勤務環境の整備や身体を動かす機会の確保が重要であることを示す今回の研究成果。

テレワークのメリットを享受しつつ、健康を維持するための対策として注目です。

 

明治安田厚生事業団らによる「テレワークと健康への影響調査」結果の紹介でした。

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