明治安田厚生事業団と笹川スポーツ財団が、全国規模で実施した「活動量計による身体活動・スポーツの実態把握調査2024」の報告書を発刊。自己申告ではなく「活動量計」を用いた客観的なデータ取得により、日本人のリアルな身体活動の実態を解明しました。
質問票だけでは捉えきれなかった「強度」や「座位時間」まで詳細に測定し、男女や年代による活動傾向の違いを明らかにしています。
明治安田厚生事業団・笹川スポーツ財団「活動量計による身体活動・スポーツの実態把握調査2024」

調査時期:2024年11月(速報値は2025年3月案内済)
調査対象:全国47都道府県200地点の満20歳以上80歳未満の男女
解析対象者数:1,105人(有効回収率20.5%)
測定方法:活動量計(3軸加速度センサー内蔵)および質問票
厚生労働省が示す「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」に関連し、実際に国民がどの程度体を動かしているかを把握するための調査報告書が登場。
これまで全国規模かつ代表性のある客観的データが不足していた課題に対し、活動量計を用いた実測を実施しました。
調査の結果、中高強度身体活動(MVPA)の時間においては、男性57.2分、女性56.0分と性別による差はほぼ見られません。
一方で、低強度身体活動(LPA)に関しては、男性295.0分に対し女性377.3分と、女性の方が約80分長い結果となりました。
これは、家事や育児など、歩数としてカウントされにくい細かな動きを女性が長時間行っている実態を示唆しています。
運動・スポーツ実施有無による達成率

活動量計装着期間中の運動・スポーツ実施状況と、厚労省の推奨身体活動量達成率の関係についての分析結果。
全体では、運動・スポーツ「実施者」の達成率が60.7%であったのに対し、「非実施者」は40.5%にとどまりました。
特に成人男性においては、「実施者」と「非実施者」の間で達成率に大きな差が生じており、意識的なスポーツ実施が推奨量の達成に寄与している様子がうかがえます。
対して女性は、スポーツを実施していない場合でも家事などの日常生活動作による活動量が積み上げられ、達成率への影響が相対的に小さい傾向が確認されました。
今回明らかになった客観データは、国民の健康増進施策や個人の健康づくりにおいて重要な指標となります。
自身の生活スタイルに合わせて「座りすぎ」を防ぎ、少しでも多く体を動かす意識を持つきっかけとして注目です。
明治安田厚生事業団・笹川スポーツ財団「活動量計による身体活動・スポーツの実態把握調査2024」の紹介でした。