GSアライアンスが、ジャングルジムのような3次元的構造を持つ新しい太陽光発電方式を考案。
平坦な土地が少なく、メガソーラー建設に伴う森林伐採が問題視される日本において、環境負荷を抑えつつ発電効率を高める画期的なアプローチとして注目されます。
GSアライアンス「3次元的構造の新しい太陽光発電方式」

考案者:森良平博士(工学)
実証実験目標:2026年度初期にモデル構築物を完成予定
主要技術:有機薄膜太陽電池、ジャングルジム型構造
従来のシリコン型太陽電池は不透明で曲がらないため、発電量を増やすには平坦な土地に横方向(二次元)へ広げる必要があり、これが森林伐採や景観破壊の一因となっていました。
今回考案された方式は、半透明・透明化が可能で柔軟性のある「有機薄膜太陽電池」の特性を活用。
ジャングルジムのような透明な支柱の縦横すべてに太陽電池を巻き付けることで、横方向だけでなく高さ方向(三次元)にも発電面積を拡張します。
土地を有効活用する3次元拡張モデル

本構造物の支柱を透明にし、光を透過する有機薄膜太陽電池を使用することで、下層に位置するパネルでも発電が可能。
理論的には高さ方向に拡張しても発電できるため、限られた土地面積で効率的にエネルギーを生み出せます。
これにより、大規模な造成や森林伐採を伴うことなく、環境と調和した発電所の設置が実現します。
ソーラーシェアリングへの応用と今後の展望

構造物の下部に十分なスペースを確保することで、農業機械や人が作業できるソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)への応用も視野に入れています。
現在は有機薄膜太陽電池の透明度や変換効率の向上が課題ですが、同社ではドナー・アクセプター材料の合成や事業化の検討を推進。
さらに、ペロブスカイト太陽電池の応用や、日照条件による発電データのシミュレーションも進められます。
日本の国土事情に適した、環境破壊を伴わない新たなクリーンエネルギー技術の実用化に期待。
GSアライアンス「3次元的構造の新しい太陽光発電方式」の紹介でした。