タクシー業界における乗務員の高齢化や新たな担い手の確保が課題となる中、最新の脳科学とAI技術を活用した安全対策が注目を集めています。
仙台放送は、国立大学法人東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授監修のもと開発した「運転技能向上トレーニングBTOC(ビートック)」を、熊本県最大のタクシー会社であるTaKuRoo(タクルー)へ提供開始しました。
仙台放送「運転技能向上トレーニングBTOC」

「BTOC(Brain Trainer On Cloud)」は、スマートフォンアプリを使った脳トレーニングによって、運転技能の向上を目指す法人向けソリューションです。
実際の運転やシミュレーターを伴わず、日常的な認知トレーニングを行うことで「運転技能」「認知機能」「感情状態」の向上が期待できるとして、特許も取得しています。
これまで保険会社や自治体などで導入されてきましたが、今回の連携により、プロのタクシードライバーの安全運転能力向上と事故撲滅に向けた社会実装がさらに加速します。
脳科学の権威が監修した「事故を防ぐ」仕組み
本アプリの最大の特徴は、東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授による脳科学研究の成果に基づいている点です。
ドライバーの事故原因の多くは、脳機能(主に前頭前野)の低下による知覚や予測能力の衰えにあると考えられています。
BTOCは、運転場面に即したトレーニングで前頭前野を活性化させ、危険予知能力や判断力の向上を促進します。
さらにAI(人工知能)を搭載しており、個々のトレーニング状況を解析してプレイヤーごとに最適な負荷へ調整することが可能です。

地域交通を支える現場での活用と期待
導入を決めたTaKuRooは、熊本県に拠点を置く県下最大のタクシー会社です。
地域公共交通として重要性が増す一方で、乗務員の高齢化や新人教育における効果的なツールが求められていました。
BTOCはゲーム感覚で気軽に、かつ持続的に取り組めるため、多様な人材の認知機能向上や健康管理に寄与すると期待されています。
最新のテクノロジーが、地域の足を守るドライバーたちの安全意識とスキルを強力にサポートします。

仙台放送「運転技能向上トレーニングBTOC」の紹介でした。