GSアライアンスは、同社の森良平博士(工学)が、普通ゴミ、家庭ゴミから量子ドットを合成することに成功したと発表しました。
この量子ドットは、紫外線照射下、ブラックライトや波長の短い青色の光で照射すると、波長の長い青色を発光します。
世界中で増加するゴミを付加価値のあるものに応用する、環境問題の解決に貢献する研究開発です!
GSアライアンス「普通ゴミ・家庭ゴミから合成した量子ドット」

人口爆発に伴う地球温暖化や環境汚染などの環境問題が深刻化する中、人類が毎日排出する普通ゴミ、家庭ゴミ(都市廃棄物)も世界中で増加し続けています。
これら毎日膨大な量で排出されるゴミは、主に焼却されるか埋め立てられており、悪臭など環境問題を引きおこす原因となっています。
GSアライアンスは、この巨大な量の普通ゴミ、都市廃棄物を付加価値のあるものに応用できれば素晴らしいことだと考えています。
普通ゴミから炭素量子ドットを合成
GSアライアンスの森良平博士(工学)は、これらの普通ゴミから量子ドットを合成することに成功しました。
森氏は既に食品ゴミ、紙ゴミ、農業残差などの有機バイオマス系廃棄物や、プラスチックゴミからの量子ドット合成に成功していました。
今回は、それらのゴミが混合された家庭ゴミ、普通ゴミを原料として量子ドットを合成することに成功しました!
一方で、普通ゴミに不純物として混合してしまうような金属ゴミ、セラミック、陶器のようなものは量子ドットの原料となりません。
合成された量子ドットは、炭素量子ドットの類であり、その独自の光学、物理化学的な特徴を用いてセンサー、バイオイメージング、触媒、LED、エネルギー産業、農業などに応用できる可能性があります。
同社としては、この普通ゴミから作る炭素量子ドットの応用を、より詳細に具体的に研究開発していく予定です。
量子ドットとは
量子ドット(Quantum Dot)とは、2023年のノーベル化学賞の対象にもなった最先端材料です。
量子化学、量子力学の法則に従う光学特性を持つナノスケールの超微細構造を有し、人工原子、人工分子とも言われています。
量子ドットの大きさは通常0.5~9nmの直径という極端に小さい構造体です。
ナノ結晶のサイズによってバンドギャップを調節することが可能であるため、粒径に依存した特徴的な発光特性を持ちます☆
このような独特の特徴を用いて太陽電池、ディスプレイ、バイオイメージング、LED、人工光合成などへの用途が研究開発されています。
普通ゴミという膨大な廃棄物から、最先端材料を生み出す画期的な技術です。
GSアライアンスによる、普通ゴミから合成した量子ドットの紹介でした。