『デジタル化の窓口』を運営する株式会社クリエイティブバンクが、全国の会社員・経営者1,061名を対象に「書類のデジタル化」と「AI-OCR のニーズ」に関するアンケート調査を実施しました。
調査の結果、職場でAI-OCRを利用している人は約4割いる一方で、ペーパーレス環境にある人は2割弱にとどまるなど、企業のデジタル化における二極構造が浮き彫りになりました。
デジタル化の窓口「書類のデジタル化とAI-OCRのニーズ」に関する調査
電帳法対応やインボイス制度などを背景に企業のデジタル化が加速する一方、依然として紙やFAXを使用する現場も多く、ペーパーレス化の実態には大きな差が生じています。
今回の調査では、職場における書類の利用状況と、AI-OCR(文字の自動読み取り＆データ化システム)の効果実感や課題に焦点を当て、現場が抱えるリアルな状況が明らかになっています。
職場でAI-OCRを利用している人は約4割
AI-OCRなど文字の自動読み取り＆データ化システムを「利用している」人は38.3％でした。
利用用途としては、契約書関連が51.0％と最も多く、次いで請求書関連が39.2％と、法務・経理領域での活用が目立っています。
AI-OCRの効果に最も満足しているのは経営層
AI-OCRを利用している人の満足度を職種別に見ると、「非常に満足している」との回答は経営企画部門で36.4％と最も高くなりました。
一方、営業やマーケティング部門では満足度が伸び悩んでおり、現場の使い勝手やフォーマット対応が今後の改善点となりそうです。
実感する効果は「品質向上」と「業務効率化」
AI-OCRの利用者が実感している効果として最も多かったのは「品質向上(誤入力の減少・精度の向上)」で48.8％、次いで「業務効率化(入力や処理スピードの改善)」が47.3％でした。
制度対応よりも、まずは日常業務の効率や正確さに価値を感じている傾向が鮮明になりました。
改善課題は「書式エラー」や「システム連携」
AI-OCRを利用して感じる課題として最も多かったのは「書式／レイアウトのエラー」で38.7％でした。
単なる読み取り精度だけでなく、現場での運用や既存システムとの接続が大きなハードルになっていることがわかります。
未導入理由「知らなかった」── 普及には認知向上がカギ
AI-OCRを導入していない理由として「知らなかった」(24.7％)が「必要な業務がない」(26.3％)に次いで2位という結果に。
利用ニーズがない層と同程度に、「存在自体を知らなかった」という層がおり、認知不足の解消が普及の鍵となりそうです。
紙とFAXを使うのは「取引先の要望」が最大要因
職場での紙利用の実態を見ると、「ほとんど紙は使わない」と答えたペーパーレス環境の人は16.6％でした。
紙を使う理由としては「仕入先が紙・FAXを求める」(36.8％)や「顧客が紙・FAXを求める」(33.1％)が最多で、取引先側の商慣習がペーパーレス化の大きな壁となっている現状が明らかになりました。
この調査結果は、自社のデジタル化の立ち位置を確認し、AI-OCR導入やペーパーレス化を推進する上でのヒントになりそうです。
『デジタル化の窓口』が実施した「書類のデジタル化とAI-OCRのニーズ」に関する調査の紹介でした。
調査元記事URL： https://digi-mado.jp/article/109846/