おいしさを優先するシニアが7割!日本能率協会総合研究所「高齢者 普段の食事調査2025年」

投稿日:2025年10月1日 更新日:

日本能率協会総合研究所が、60~90歳の高齢者男女を対象に「普段の食事」をテーマとした調査を実施しました。

3年に1回実施されている本調査から、高齢者の食事に関する意識や実態の変化を紹介します。

 

日本能率協会総合研究所「高齢者 普段の食事調査2025年」

 

「高齢者 普段の食事調査2025年」

 

調査名:高齢者 普段の食事調査2025年

調査期間:2025年5月30日(金) ~ 2025年6月13日(金)

調査対象:全国に居住する60歳から90歳までの男女 2,500名

調査方法:郵送調査

 

普段の生活や健康状況、食事づくり、食品の購入、喫食頻度など、「食事」に関する意識・実態を幅広く捉えた調査です。

今回の調査では、オーラルフレイルの実態や、食事の準備、冷凍食品の利用、食事への意識などについて興味深い結果が明らかになりました。

 

80代では歯が20本以上ある割合が半数以下に

 

自身の歯の本数に関する調査結果グラフ

 

自身の歯の本数が20本以上あるか尋ねたところ、60代前半では男女ともに約8割が「20本以上」と回答しましたが、年齢が上がるにつれてその割合は低下。

70代後半で6割を下回り、80代では半数を下回る結果となりました。

 

オーラルフレイル率は80代で5割を超える

 

オーラルフレイル該当者の割合に関する調査結果グラフ

 

口腔機能の低下を意味する「オーラルフレイル」の該当率を調査したところ、年齢とともに該当者の割合が高まることがわかりました。

男女とも80代前半でオーラルフレイル該当者が半数を超え、80代後半では7割近くに達しました。

 

家族に作ってもらう食事は減少し、自分で作る食事は増加

 

自分で作った食事と家族が作った食事の頻度に関する調査結果グラフ

 

1ヶ月あたりの食事の準備について、男女ともに自分で作った食事を食べる回数は増加傾向にあり、家族が作った食事を食べる回数は減少傾向にあることがわかりました。

特に80代後半の変化は顕著で、高齢になっても自分自身で食事を準備する機会が増加していることが確認されました。

 

冷凍食品を利用する高齢者が増加

 

冷凍食品を「月に1回未満・全く食べない」割合の推移グラフ

 

冷凍食品の喫食頻度について、「月に1回未満・全く食べない」と回答した人の割合が2019年の調査時と比べて減少しました。

特に80代で大幅な減少が見られ、冷凍食品を利用する高齢者が増加している傾向がうかがえます。

 

食事は「食べやすさ」より「おいしさ」優先が約7割

 

食事に関する考え方の調査結果グラフ

 

食事に関する考え方について、「食べやすさ」と「好きなもの・おいしいもの」のどちらを優先するか尋ねたところ、全体の7割強が「好きなもの・おいしいもの優先」と回答しました。

前回調査と比較すると「好きなもの・おいしいもの優先」と考える人は増加傾向にあり、特に男性高齢層でその傾向が顕著でした。

 

今回の調査から、高齢になっても自ら食事を作り、おいしさを楽しみたいという意識の高まりや、冷凍食品などを活用して食生活を豊かにしている様子がうかがえます。

一方で、オーラルフレイルなど健康面の課題も明らかになりました。

 

日本能率協会総合研究所による「高齢者 普段の食事調査2025年」の調査結果の紹介でした。

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