CODE BLUE実行委員会は、サイバーセキュリティ国際会議『CODE BLUE 2025』のクロージング・キーノートに、NCO(国家サイバー統括室)内閣サイバー官の飯田陽一氏を迎えることを決定しました。
CODE BLUE 2025
CODE BLUE実行委員会は、サイバーセキュリティ国際会議『CODE BLUE 2025』のクロージング・キーノートに、NCO(国家サイバー統括室)内閣サイバー官の飯田陽一氏を迎えることを決定。
また、カンファレンス併催のコンテストやワークショップについて、開催概要の第1弾を発表しました。
■クロージング・キーノートは、歴史的転換期を迎える日本のサイバーセキュリティ政策について
近年、サイバーセキュリティは外交・経済などを含む幅広い分野と密接に結びつき、国家安全保障において不可欠な要素となっています。
こうした背景のもと、2025年5月には「サイバー対処能力強化法(※1)および関連法(※2)」が成立し、官民連携の強化、通信情報の活用、アクセス制御や無害化措置、組織体制の整備といった取り組みが今後具体化されることとなりました。
これらの施策は、1年6ヵ月以内に施行される予定です。
この流れを受けて2025年7月1日には、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が改組され、新たに「国家サイバー統括室(NCO)」が発足しました。
日本のサイバーセキュリティ政策は大きな転換期を迎え、今後は安全保障に関する取り組みが本格的に検討・実行されることになります。
今回のCODE BLUEでは、NCOの内閣サイバー官を務める飯田氏をスピーカーとしてお迎えします。
歴史的な局面において、官民が意見を交わし知見を共有する場としての役割を果たすことが、CODE BLUEの使命であると考えます。
本講演は、日本のサイバーセキュリティの未来を考える上で大きな示唆となるでしょう。
※1「重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律」
※2「重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律の施行に伴う 関係法律の整備等に関する法律」
<飯田陽一氏 プロフィール>
1989年4月、通商産業省入省。
大臣官房、貿易局、産業技術環境局、製造産業局、資源エネルギー庁等にて勤務の後、宇宙産業室長、NEDO欧州事務所長(フランス)、航空機武器宇宙産業課長、貿易管理部長、貿易経済協力局長等を歴任。
貿易管理部長・貿易経済協力局長として、輸出管理・対内投資審査の強化のための二度の外国為替及び外国貿易法の改正、コロナ禍をはじめとする貿易投資リスクへの対応を強化する貿易保険法の改正やロシアのウクライナ侵攻を受けた経済制裁等を担当。
2022年7月から内閣審議官(国家安全保障局)、2023年7月から内閣府政策統括官(経済安全保障担当)として、経済安全保障推進法の施行準備を担当し、2024年5月に制度全体の運用を開始。
また、2024年5月に成立した重要経済安保情報保護活用法案を担当。
2024年9月、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)に異動し、同センター長代理として、能動的サイバー防御を実現するためのサイバー対処能力強化法案及び関連整備法案等を担当。
2025年7月、内閣サイバー官に就任。
国家サイバー統括室の事務を掌理する。
東京大学工学部都市工学科卒。
米国デューク大学大学院修士(国際開発政策)。
■CODE BLUE 2025 コンテスト・ワークショップ(第1弾)の発表
2025年もカンファレンスと併設で、インシデント対応を中心としたブルーチーム演習をはじめ、ドローンをソフトウェア・ハードウェアの両面からハッキングするワークショップ、スマートホームデバイスやOTデバイスを対象にしたCTF、ファイアウォールをすり抜ける新たな手法を学ぶハンズオンなど、多様なコンテストやワークショップが開催されます。
いずれもCODE BLUE参加者であれば誰でも参加可能です。
今回は第1弾として10件のコンテスト・ワークショップを発表しました。
なお、CODE BLUEではこうしたワークショップ・コンテストへ安価に参加できるビジターチケット※も販売しています。
※ビジターチケットは、メイントラックの講演(Track 1)の聴講や、ネットワーキングへの参加はできませんが、それ以外のエリア(Track2やTrack3の講演、コンテスト・ワークショップ、企業による展示ブースなど)は入場可能です。
価格については本リリース最後の開催概要を確認してください。
<プログラム一覧:コンテスト>
●TRAPA Cyber Range Exercise
「TRAPA Cyber Range Exercise」は、企業におけるサイバーセキュリティ脅威への対応力を高めるためのブルーチーム演習です。
参加者はサイバーインシデント対応チームの一員となり、シミュレーションされた攻撃シナリオを体験します。
大量の脅威アラートを処理しながら攻撃の兆候を見極め、課題を乗り越えることで、実践的な対応力と分析力を習得できます。
主催: TRAPA Security
日時: 2025年11月18日(火)~19日(水)
<プログラム一覧:ワークショップ>
●Twin-Core CTF: From Soldering Fumes to PLC Pwn
だれでも参加できるハードウェアCTF。
参加者は、スマートフォームデバイスを模したオープンソース基板のCompatrIoT(IoT) と、PLCを模した基板のCompatriOT(OT) を組み立て、解析・攻撃に挑戦します。
最初は簡単なハンダ付けでフラグを獲得し、その後はファームウェア抽出、無線やNFCの実験、プロトコル改ざん、制御ロジックの攻略などを体験。
成果はリアルタイムでスコアボードに表示され、メンターのサポートによりスムーズに進行します。
初心者でも好奇心さえあれば参加でき、新たなスキルと基板を持ち帰れます。
主催: Traboda CyberLabs
日時: 2025年11月18日(火)~19日(水)
●Drone Hacking
実践的なドローンハッキングプログラム。
UAV(無人航空機)をソフトウェアまたはハードウェアの側面からハッキングする方法を学びます。
また、参加者は実際にドローンを組み立てることもできます。
主催: Loong
日時: 2025年11月18日(火)~19日(水)
●Whispers Through the Firewall: Data Exfiltration and C2 with Port Knocking
このワークショップでは、従来のポートノッキングを発展させたSaucepot C2を用い、厳格なファイアウォール環境下でのデータ流出やC2通信手法を学びます。
宛先ポートではなく送信元ポートを活用することで、制限の多い環境でも通信を実現可能。
ハンズオン形式でMITRE ATT&CKの戦術を体験できるワークショップです。
主催: Hubert Lin
日時: 2025年11月18日(火)
●CyberTAMAGO
Cyber TAMAGO は、サイバーセキュリティに関わるツールやアイデアを持ち寄り、「いいね」を送り合いながら育て、日本のセキュリティ人材を世界に送り出したい―そんな思いから始まった取り組みです。
企画では、似た分野のツール開発者が集まり、パネルディスカッション形式で紹介・議論を行います。
さらに、アイデアを起点に、参加者がそれぞれの得意分野を持ち寄るハッカソンやコラボレーションの場も用意しています。
主催: Shota Shinogi
日時: 2025年11月19日(水)
●Biohacking Village
医療機器のサイバーセキュリティに関する洞察に満ちたトークセッションから、実践的なハンズオン・ボード・ワークショップ、現実の医療シナリオに基づいて設計された没入型CTFを開催します。
また実際の医療機器も用意しており、初心者から熟練のエンジニアまで、誰でもこれらのシステムの仕組みやセキュリティ対策について直接体験することができます。
主催: Nina Alli
日時: 2025年11月18日(火)~19日(水)
●Car Hacking Village
Car Hacking Villageでは、現代の車両に使われているプロトコルやネットワークを学び、実際の車載システムやアフターマーケット機器を使ってハンズオンでスキルを磨きます。
CANバスやAutomotive Ethernetなど、自動車特有の技術に触れられる貴重なチャンスです。
さらに、世界トップレベルの研究者による最新の脆弱性やエクスプロイト手法の講演、Pwn2Own Automotiveで使用されたハードウェアを用いた自由なハッキングエリアも用意しています。
DEF CONで話題のCar Hacking Village PCBバッジが当たるチャンスも!
主催: Mohammad Ghali (Kamel)
日時: 2025年11月18日(火)~19日(水)
●Aerospace Village
Aerospace Villageでは、航空宇宙とセキュリティの最前線に立つ研究や取り組みを紹介し、イノベーターとセキュリティ専門家たちが協力して、安心で信頼できる未来を築いていく姿を体感できます。
CubeSatのデモンストレーションや、初心者や若者向けのスペース・グランド・チャレンジ、CCSDSプロトコルの自動セキュリティ評価、さらには宇宙空間におけるサイバー攻撃への備えなど、航空宇宙分野におけるセキュリティの最前線を紹介します。
主催: Henry Danielson
日時: 2025年11月18日(火)~19日(水)
●ICS Village
ICS Villageでは、産業用制御システム(ICS)と運用技術(OT)のセキュリティを学べるハンズオン型のワークショップを開催します。
CTF形式の課題を通して、PLCプログラミングやネットワークトラフィック解析、フォレンジックの基礎から応用までを体験できるほか、ミニチュアのスマートシティを使い、実際のICS/OTの脆弱性や防御策をライブで体験できるインタラクティブな展示も用意しています。
主催: Tom VanNorman
日時: 2025年11月18日(火)~19日(水)
●Maritime Hacking Village
Maritime Hacking Villageでは、リアルな海上ハッキング体験を通じて、グローバルな海運業界で使われているテクノロジーに対する攻撃と防御の両面を学ぶことができます。
実際の海上環境を想定したシナリオと元に、海上システムに関わる多様な技術とセキュリティ課題に挑むことができるCTFのほか、業界の第一線で活躍する専門家による最新の講演も行われます。
主催: Duncan Woodbury
日時: 2025年11月18日(火)~19日(水)
CODE BLUE 2024でのコンテスト・ワークショップの様子
■CODE BLUE 2025 開催概要
日時:2025年11月16日(日)~11月19日(水)
主催: CODE BLUE実行委員会
運営: CODE BLUE事務局(株式会社BLUE)
言語: 日英の同時通訳付き(※一部講演を除く)
形式: 対面形式開催
【トレーニング】
日時:2025年11月16日(日)~11月17日(月)
(各コースともに最小催行人数の設定あり)
会場:ベルサール新宿南口
(住友不動産新宿南口ビル4F)
【カンファレンス】
日時:2025年11月18日(火)~11月19日(水)
会場:ベルサール高田馬場
(住友不動産新宿ガーデンタワーB2・1F)
参加費:
1. カンファレンスチケット
(ネットワーキングパーティ参加費を含む、全エリア入場可能)
通常 98,000円(税込):6月1日(日)~11月11日(火)
当日 128,000円(税込) :11月18日(火)~11月19日(水)当日会場にて
2. ビジターチケット
(入場エリアの制限や、ネットワーキングパーティへの参加不可などの制約あり)
通常 28,000円(税込):6月1日(日)~11月11日(火)
当日 32,000円(税込):11月18日(火)~11月19日(水)当日会場にて