ディズニー100年の記念作となるアニメーション映画最新作『ウィッシュ』が、2023年12月15日(金)よりついに公開。
『アナと雪の女王』のスタッフ陣が贈る、ディズニー100年の歴史の集大成となる作品です。
そんな映画『ウィッシュ』のプロデュサー2名にDtimes編集部がインタビュー。
制作にまつわる貴重なお話を聞かせていただきました!
ディズニー映画『ウィッシュ』プロデューサーインタビュー
今回インタビューさせていただいたのは、映画『ウィッシュ』でプロデューサーを務められたおふたり。
Dtimes編集長・あずさゆみが制作にまつわる貴重なお話を聞かせていただきました。
左:ピーター・デル・ヴェッコ(プロデューサー)
1958年、米マサチューセッツ出身。1995年にディズニー・アニメーション・スタジオに入社。『トレジャー・プラネット』(2002)、『チキン・リトル』(2005)でアソシエイト・プロデューサーを担当し、2009年に『プリンセスと発法のキス』のプロデューサーを務める。プロデュースを手がけた『アナと雪の女王』(2013)は大ヒットを記録、「アナと雪の女王 2』(2019)では長編アニメ史上最高の興行収入を記録。現在は、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの製作のシニア・バイス・プレジデントとして、ディズニー・アニメーションのすべての長編映画の製作にたずさわっている。
右:ファン・パブロ・レイジェス・ランカスター・ジョーンズ(プロデューサー)
メキシコ・グアダラハラ出身。2018年にディズニー・アニメーション・スタジオに入社。作品制作の初期段階からプロジェクトに参加し、ストーリーの発掘と開発を行う部門でシニア・クリエイティブ・ディベロップメント・エグゼクティブとして『アナと雪の女王』(2019)、『ラーヤと龍の王国』(2021)、「ミラベルと魔法だらけの家』(2021)、『ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界』(2022)などの長編映画や、『ベイマックス ザ・シリーズ』『ズートピア+』などの開発を担当。本作で初めてディズニー長編アニメーションのプロデューサーを務める。
これまでの100年間に敬意をこめ、“ディズニーらしさ”を追求
ーー 今日は貴重な機会をいただきありがとうございます。
『ウィッシュ』を一足先に拝見したのですが、最初から最後まで“ディズニーらしさ”を感じ、これまでの100年間への敬意を感じました。
この『ウィッシュ』という作品の“ディズニーらしさ”の正体は何でしょうか。
フアン・パブロ・レイジェスさん:
『ウィッシュ』の創作初期の話をすると、まずはどういった感情がディズニーたらしめるものかを考えることからはじめました。
“ディズニーらしさ”とは何かを考えたところ、喜び・希望・星に願うという点に注目しました。
同時に、やはり視覚的なスタイルもディズニーを象徴するものであるに違いありません。
例えば、『白雪姫』や『ピノキオ』に見られるような水彩画のタッチです。
私たちはその伝統を称えたいと思い、それを取り込みつつも未来に繋げるものにしたいという思いがありました。
これまでの100年間にインスピレーションを得ながら、この作品単体としても皆さんが共感を覚えるもの、それを目指していったのです。
ピーター・デル・ヴェッコさん:
ファン・パブロさんと私も非常に似ているのですが、“ディズニーらしさ”においては、やはり希望が重要な要素の一つだと感じています。
『ウィッシュ』はファンタジー作品なので現実を忠実に描いたものではないけれども、説得力のある内容にしたいという思いがありました。
映画館を出た後に、現実世界にも希望を見いだしてもらえたらと思っています。
古典的なヴィランを描くことに制作陣もわくわく!
ーー 『ウィッシュ』ではプロモーションの段階から、マグニフィコ王がヴィランと明かされていますね。
近年のディズニー長編映画では明確なヴィランが描かれることは少なかったように感じています。
そこになにか意図はあったのでしょうか。
フアン・パブロ・レイジェスさん:
ディズニー作品のファンの間では古典的なヴィランの復活を望む声が出ており、そういった後押しもありました。
このようなキャラクターを描けるというのは私達もとても乗り気でワクワクとした部分です。
ーー ヴィランが明示されることによって、大人も子どもも目の前のストーリーに集中できそうです。
フアン・パブロ・レイジェスさん:
『ウィッシュ』を現代に公開するということを考えると、マグニフィコ王の意図するものは何なのか、彼はいかにしてこういう存在になったのかということを丁寧に表現したいと考えました。
マグニフィコ王に関しては、まず彼はとてもチャーミングな人間であるということが挙げられます。
みんなが喜んで願いを提供したくなるような人物だということを描く。
だけれども、彼の本当に持っている深い部分で、だんだん狂気に陥ってしまう。
そういった心の機微というものをしっかり見せるということを心がけました。
スターのキャラクターデザインはミッキーマウスを投影!
ーー ウォルト・ディズニーはこれまでの100年間、世界中の人々に希望をあたえ、願いを叶える道しるべとなる作品を多く生み出してきました。
『ウィッシュ』に登場するスターは、アーシャが願いを叶えるために導いてくれる存在で、勇気づけたり後押しするという点で共通する部分があるように思えます。
スターは実はウォルトのメタファーなのではないかと感じているのですが・・・
ピーター・デル・ヴェッコさん:
『ウィッシュ』を観たみなさんはそれぞれ様々な感想を持ってくださると思うので、そのような解釈も可能だと思います。
私は、このスターは希望と、エネルギーを与える・・つまり、勇気を与えたり夢を追う応援をする存在というふうに見ています。
フアン・パブロ・レイジェスさん:
“お星様”そのものにインスパイアされた部分はあると思います。
いつも私たちが見上げている星というのは私たちを導く存在で、答えはくれないけれど、時に秘密を打ち明けたりする存在ですよね。
ですからスターにはそういう意味合いと・・あと、この顔です!
スターのこの輪郭がミッキーマウスと同じですよね。
ウォルト・ディズニーのある意味で彼の最大のクリエイションといえるミッキーマウスが、まさにここに投影されているのです。
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いたずらな願い星“スター”はミッキーのオマージュ!ディズニー映画『ウィッシュ』
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ーー 貴重なエピソードの数々をありがとうございます!
最後に、『ウィッシュ』の公開を心待ちにしているみなさんにメッセージをお願いします。
ピーター・デル・ヴェッコさん:
私達自身もウォルト・ディズニーが生み出した物語のファンなんです。
ディズニーの仕事をするということは、私たちの手によって新たなストーリーやキャラクター、音楽で映画を作ることができるのです。
『ウィッシュ』の制作にあたり、過去の作品を改めて見返しました。
その際に感じた情熱を表現したいと思い『ウィッシュ』を作りました。皆さんにも想いが伝わったらと思っています。
ディズニー100周年記念映画『ウィッシュ』作品概要
監督:クリス・バック『アナと雪の女王』『アナと雪の女王2』、ファウン・ヴィーラスンソーン『アナと雪の女王』『ズートピア』
脚本:ジェニファー・リー『アナと雪の女王』『アナと雪の女王2』
音楽:ジュリア・マイケルズ『シュガー・ラッシュ:オンライン』
製作:ピーター・デル・ヴェッコ『アナと雪の女王』『アナと雪の女王2』、フアン・パブロ・レイジェス『アナと雪の女王2』『ミラベルと魔法だらけの家』
声の出演:生田絵梨花(アーシャ)、福山雅治(マグニフィコ王)
原題:WISH
全米公開:2023年11月22日
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
100年のすべてが、この物語に―
世紀のドラマティック・ミュージカルが誕生。
願いが叶う魔法の王国に暮らす少女アーシャの願いは、100才になる祖父の願いが叶うこと。
だが、すべての願いは魔法を操る王様に支配されているという衝撃の真実を彼女は知ってしまう。
みんなの願いを取り戻したいという、ひたむきな思いに応えたのは、 願い星のスター。
空から舞い降りたスターと、相棒である子ヤギのバレンティノと共に、アーシャは立ち上がる。
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聞き手・編集:あずさゆみ(Dtimes.jp)
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