世界で最も有名なファッションドールである「バービー」が実写映画化。
マーゴット・ロビー演じるバービーとライアン・ゴズリング演じるケンが、本当に大切なものを見つける様子を夢とユーモアたっぷりで描く映画『バービー』
そんな映画『バービー』のみどころをグレタ・ガーウィグ監督と、プロデューサーのデイビッド・ヘイマン氏にうかがいました。
映画『バービー』グレタ・ガーウィグ監督/デイビッド・ヘイマン プロデューサー インタビュー
ドールの世界に革命を起こし、世界中を熱狂させてきたバービー。
オシャレでかわいいだけではなく、常に時代を先回りし、性別や人種を超え「You Can Be Anything(なりたい自分になれる)」を発信し、世界中に勇気を与えてきました。
そのバービーが実写映画化!
想像をはるかに超えたパワフルな物語の映画『バービー』の世界観やストーリーについて、グレタ・ガーウィグ監督と、プロデューサーを務めるデイビッド・ヘイマン氏へのインタビューを通して紐解いていきます。
映画『バービー』の世界観
物語は、すべてが完璧で毎日ハッピーが続くバービーランドで暮らすバービー(マーゴット・ロビー)が、ある⽇突然⾝体に異変を感じ、原因を探るためケン(ライアン・ゴズリング)と共に⼈間界に旅⽴つことから始まります。
バービーは誰もが知るアイコンでありながら、実はこれまで一度も映画化されたことはありませんでした。
バービー人形をテーマにした映画を制作するにあたり、グレタ・ガーウィグ監督、デイビッド・ヘイマンプロデューサー、マーゴット・ロビーら制作に携わるメンバー各人の持つ“バービー像”や“世界観”、“解釈”といったイメージをすりあわせる必要がありました。
制作メンバーとはとにかく話す・コミュニケーションを取るということで解決していったと監督は話します。
グレタ・ガーウィグ監督:
まさにそういうところが今回の挑戦のひとつでしたね。
バービーの意味するところがそれぞれ個人によって違っていて、それぞれにバービーとの関係性・バービーへの想いがあります。
バービーが誕生して64年、彼女自身も変化してきたので、生まれた時代にもよっても変わってくるわけです。
例えば、私の場合は母がバービーを疑わしく見ているタイプでした。
私はバービーをとてもきれいだと感じ、欲しいと思っていましたが、母のそういうバービーに対する意見を知って育ちました。
この映画の企画自体に、まさにそれぞれのバービーに対するみんなのビジョンが内包されている作品だと思っていて。
子ども時代、バービーではなく他の人形で遊んだ人や、人形遊びの経験のない人もいるわけなので、ジェンダーに関係なく、映画化にあたっては、みんなでとにかく話すということを意識しましたね。
それが映画に取り組まれていくわけです。
小説はひとりで執筆するものですが、映画はみんなで作り上げることができる。
そのコラボレーションはとても面白いものでした。
映画『バービー』の冒頭ではバービー人形の歴史や軌跡を丁寧に解説してくれています。
バービーは誕生後、これまでの64年間、多くの女性たちにエールを送り続けてきました。
バービー人形は様々な職業に就き、現実世界での女性たちも様々な職業に就けるようになってきました。
そして、バービー人形たちの住むバービーランドでは、大統領、最高裁判事、医者、弁護士・・・と世界を牽引するのはみんな“バービー”!
公開されているキャラクターポスターだけでも、11人のバービーと5人のケンの存在が明らかにされています。
“バービー人形”のいい面も批判的な面も、愛情を持って表現
物語の主人公となるバービーは、いつもハッピーでおしゃれが大好きな人気者!
誰もが思い浮かべる典型的な“バービー”です。
だけど、人間の世界では何から何まで思い通りにいかなくて・・?!
毎日が最高でハッピーなバービーランドしか知らないバービーは、人間の世界ではトラブル続きで落ち込んでしまいます。
プロデューサー デイビット・ヘイマン:
私の場合は人形遊びをしたことがないので、バービーに何か概念を持っていることはなかったです。
グレタ監督がいうように、バービーに対して皆さんがそれぞれ違う関係性やイメージを持っていて、それは良い面もあるし、それから批判的な面もあることがわかりました。
成長するにつれてバービーと疎遠になった人もいれば、ずっとバービーが好きな人もいます。
そして、中にはバービーを疎ましく思う人も・・。
公開されている予告編では、人間世界で少女に「バービーは卒業したの!」とバッサリ言われてしまうシーンも登場します。
デイビッド・ヘイマン:
本作では、バービーに対するイメージの良い面・批判的な面も表現することに決めました。
この『バービー』という映画を完成させるためには、片方の否定的なものをなくしてしまうのではなく、両サイドをいれていくことが必要だと感じました。
バービーに対する愛情を持ちながら、ひとつの面だけではなく、たくさんの面を包括的に表現しています。
バービーランドでは毎日が完璧で、バービーという人形は理想を体現している存在。
でも本作のバービーは、最終的に人生という不完全さや厄介さを受け入れていくんです。
“バービー愛”を持ってユーモアたっぷりに描くコメディ映画!
バービーと同様、ケンもストーリーを担う大切なキャラクターのひとり。
本作でケンはバービーが大好きで少年のようにピュアな心を持っていますが、人間の世界で男性がリーダーシップを取っているのを目の当たりにし、バービーランドと真逆の“男社会”にすっかり魅了されてしまいます。
その一連のシーンはかなりオーバーなもので思わず笑ってしまうことばかりなのですが、ちょっと現実にあるかもしれない・・・と思えてしまう部分も。
デイビッド・ヘイマン:
男性としてはやはり、自分の中でこうであると思われているところに適合しないといけないという側面があると感じています。
トップじゃなきゃいけないとか、「男だったらこうだ」というふうに思われますが、男女関係なく、「こういう風にあるべき」、ではなくて、「自分らしいままでいいんだよ」ということを映画のテーマにしていっています。
グレタ・ガーウィグ監督:
まず作品自体がコメディなので、笑いながら見ていただけるといいなと思って作っています。
ケンというのは、バービーが生まれてから考えられた存在なわけですよね。
主役はバービーで、ケンは“バービーの隣にいるケン”という存在なので、もしかしたらケンは“男社会”に惹かれてしまうのかなと思って表現しました。
そんな滑稽な様子を見て、女性も男性も笑って観てほしいですね。
デイビッド・ヘイマン:
グレタ監督のアプローチは愛情があって、そしてユーモアもある。
そこには、いいとか悪いとかいう決めつけはないのです。
制作陣が“バービー愛”を持ってユーモアたっぷりに描いた本作。
笑いの連続でありながら、ちょっとしたセリフのひとことに心を打たれたり、余韻や絶妙な表現も楽しめます。
笑って、泣いて、ハッピーに!”なりたい自分”になれる、最強のドリームファンタジー。
映画『バービー』は、2023年8月11日(金)より全国ロードショーです。
映画『バービー』作品概要
キャスト:マーゴット・ロビー、ライアン・ゴズリング、ウィル・フェレル、シム・リウ、デュア・リパ、ヘレン・ミレン
監督・脚本:グレタ・ガーウィグ
脚本:ノア・バームバック
プロデューサー:デヴィッド・ヘイマン(「ハリー・ポッター」シリーズ「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」)
配給:ワーナー・ブラザース映画
すべてが完璧で、今日も明日も明後日も《夢》のような毎日が続くバービーランド。
ある日突然バービーの身体に異変を感じ人間世界へ。
完璧とは程遠い人間の世界へ行き知った“世界の秘密”とは?
バービーの最後の選択とは?
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