2023年6月9日より全国公開がスタートし、日本中を魅了しているディズニー実写映画『リトル・マーメイド』
吹替版には実力派の声優たちも多く参加し、演技はもちろん歌唱シーンでも注目を集めています。
今回はそんなディズニー実写映画『リトル・マーメイド』で吹替を担当されたお二人にインタビュー。
アリエル役・豊原江理佳さん、アースラ役・浦嶋りんこさんに、キャラクターに対する思いや歌唱シーンの秘話などをたっぷりうかがいました☆
ディズニー実写映画『リトル・マーメイド』豊原江理佳さん&浦嶋りんこさん インタビュー
人間の世界に憧れる好奇心旺盛な人魚姫・アリエルを演じるのは、ミュージカルやドラマで活躍中の女優・豊原江理佳さん。
そんなアリエルに取引を持ちかける海の魔女・アースラは、舞台女優や歌手として活躍する浦嶋りんこさんが演じます。
ディズニー実写映画『リトル・マーメイド』のヒロイン&ヴィランズに、Dtimes編集長・あずさゆみがインタビュー。
キャラクターへの思いや歌唱シーンの収録秘話など貴重なエピソードを明かしてくださいました。
声だけの演技は挑戦と新しい発見の連続!
あずさ 豊原さん、浦嶋さん、今日はよろしくお願いします。
さっそくですが、『リトル・マーメイド』の吹替を担当された感想を聞かせていただけますか?
舞台・ミュージカルで活躍されているお二人にとって、声だけで表現する吹替はある種の挑戦だったのではないかと思います。
豊原江理佳さん アフレコは何もわからずとにかく挑戦の連続でした。
歌はミュージカルの経験が助けになりましたが、セリフについてはもう本当に何もわからない状態。
アリエルは声を失うということもあり、台本に「息」と書かれている箇所も多く、息のバリエーションってそんなにあるんだ!って。
ディレクターの方に技術的なことを一から教えていただき、かなり助けて頂きました。
浦嶋りんこさん 吹替の場合は何ヶ月もかけて作り上げた役者さんの声を数日間でその域にまで持っていって声を当てるっていう作業なので、時間が足りないのは言い訳にならない。
やってみて思ったんですけど、声のボリューム感とか、テンション感をちょっと増さないと、吹替って成立しないんですよ。
見たまんまの映像で、見たまんまの感情でしゃべると何か足りなくて。
その感情よりも2目盛くらい足した気持ちで出すとちょうどぴったり合うというのがわかってきました。
演技だけをやっている手法とか、テクニカルなものとはまた違う新しい発見でしたかね。
アリエルとアースラ、自身の役とお互いの印象
あずさ 浦嶋りんこさんはディズニー&ピクサー『2分の1の魔法』のマンティコア(コーリー)役に続いて2回目のディズニー作品への参加ですね
浦嶋りんこさん アースラは複雑な性質な方だったので演じる楽しさがありました。
ただ意地悪なだけじゃないんですよね、アースラは。
お兄さん(トリトン王)は国を統治している一方で自分は追放された立場で、逆恨みをしている。
その憎しみの矛先をアリエルに向けていて、この子を痛めつければトリトン王もつらい思いをするだろうと満足感の方向を自分に寄せていった人なんだろうなと。
チャーミーな部分があるんだけど、どこかでねじれてそうなった、みたいな深みを出せるといいなと思いながら演じました。
あずさ 豊原江理佳さんはアリエルを演じてみていかがでしたか?
豊原江理佳さん ハリー・ベイリーのアリエルは等身大のティーンエイジャーで、大人と子どもの間にいる複雑な心境を持った共感できるキャラクターになっていると感じました。
好奇心旺盛で人間の世界に行きたくてたまらない、挫折を経験したり恐怖も感じるけど諦めたくなくて、私たちと同じことを感じているんだと思いました。
ハリー・ベイリーが築いたアリエル像を失わないようにしたくて、ディズニープリンセスを演じたというより、自分の気持ちを投影しながらお芝居できたように感じています。
あずさ 浦嶋さん、豊原さんのアリエルはどうでしたか
浦嶋りんこ すごくかわいかったですよ!
吹替って難しい・・・難しいというか、一流の出演者が演じているものを吹替て、観客を満足させるってとても難しいことですよ。
今回のようにいろいろな試みがなされていて、なおかつディズニーの創立100周年という大きな節目の年にアリエルを演じるのは、もし吹替や声優としてキャリアがあったら、かなり構えてしまうところはあったのかも。
ハリーが全力でぶつかって演じたものを、それを豊原さんが伸びやかに歌い上げていますよね。
豊原さんが初めてで良かったと思いますよ。
声が出ないのに心情を歌で表現!アリエルの新曲「何もかも初めて」
あずさ 新曲「何もかも初めて(For the First Time)」は、人間の世界をはじめて目にするアリエルの心情を表現しています。
足の代償として声を失ったばかりのはずなのに歌で表現するなんて、とても素敵な演出だと思いました。
豊原江理佳さん 過去に全く英語を話せないままアメリカ留学をしたことがあって、アリエルはその時の私と同じような気持ちだったのかなって思いました。
気持ちを言語として発散できないと、心がすごくうるさくなるんですよ。自分との会話がすごく増える。
自分の経験したことのないことが周りで起こっていて、こんなこともあってこんなこともあってと、留学から帰ってきて延々としゃべりつづけていたのを思い出しました。
アースラの代表曲「哀れな人々」/浦嶋りんこさん「絶対に真似をしてほしいですね」
あずさ アースラは「哀れな人々」の1曲で見事に彼女のパーソナリティーを表現していますね。転調やセリフも多く、とても難しい曲だと思います。
浦嶋りんこさん すっごく難しかったです。
「そんなことないの・・・」って言いながらも、次の瞬間には「うわっはっは!」と大笑いをするという緩急が1曲の中でやってくる。
旋律をなぞるだけではなくて感情のグラデーションが変わっていくのを声だけで表現する難しさがありました。
豊原江理佳さん すごい・・鳥肌が立ちました・・!
実は私、アースラが大好きで。電車の中とかでマスクをしているシーンでは、こっそり歌ったりしているんですよ。
声は出してないですけど、口パクで「泣けちゃう・・・」とか!
あずさ わかります!浦嶋さんの感情表現がとても豊かで、つい真似をしたくなってしまうんですよね
浦嶋りんこさん それはね、絶対に真似をしてほしいですね。「いらっしゃーい!」とか(笑)
ここはメリッサさんより盛ったんですけどね。
メリッサのほうをみてると感情は内側に向いているようにみえるんですけど、日本語ではもうちょっと前に出した感情で演じました。
アースラは本当に自分をかわいそうだなと思っているんだなって。
なんて私って残念な子、こんな結果になっちゃって、と責任転嫁が上手い人なんですよね。
アリエルに対する仕打ちも、魔女だからこそ当たり前のこと。
頼ってくるんだったら等価交換でそれは必要なことだよね?と、自分のなかでは正論なんだと思っている。
アースラは、人間がみんな持っている、どこか自分を卑下しているところにリンクする
豊原江理佳さん 何度も映画館で『リトル・マーメイド』を見ているのですが、毎回アースラの「真実の愛なんてないのよ」ってところで泣くんですよ。
浦嶋りんこさん ひどいこという人だなと思って?
豊原江理佳さん アースラってかわいそうなんだなと思って・・・
浦嶋りんこさん あ、真実の愛を信じてないからだ、アースラが。
豊原江理佳さん 「真実の愛」だなんて、そんなことがあってたまるかって思っているのかなって。そういう風に生きられないっていうか・・・もう、感情移入しちゃいます。
あずさ アースラがディズニーヴィランズの中でも人気を集める理由が見えてきた気がします
浦嶋りんこさん アースラって、たぶん人間がみんな持っている、どこか自分を卑下しているところにリンクする。
お兄さん(トリトン王)は人魚なのに自分タコですよ?
アリエルがあんなにほしがった足が8本あったって、お兄さんのヒレのほうがきれいじゃん!って。
そしてそういう感情を強く打ち出して、私って本当にかわいそうでしょ?だからこうしてやっちゃうんだ、みたいなのがすごい出てくるのが共感を生むのかなと思います。
豊原江理佳さん 浦嶋さんのアースラをきいて、言葉に表せない感動がありました。
ただの意地悪な人じゃなくて本当に悲しくてかわいそうで、みんながもっているひねくれた部分は共感できるし、私はとても好きなキャラクターですね。
Dtimes読者のみなさんにメッセージ
あずさ 豊原さん、浦嶋さん、貴重なお話をありがとうございました!
最後にDtimesの読者のみなさんにメッセージをお願いします。
豊原江理佳さん 私は『リトル・マーメイド』は愛の物語だと思っていて、アリエルとエリックの愛、アリエルが自分を見つける愛、お父さんのトリトンとアリエルの家族愛、・・それとアースラの愛の形の話もあるなと感じています。
個性豊かないろんなキャラクターがでてくるので、たくさん共感してほしいなと思います。
浦嶋りんこさん ・・わたくし(アースラ)を見ていただきたい。
豊原江理佳さん (笑)
浦嶋りんこさん わたくしだけを見てもらいたいです。
豊原江理佳さん (笑)
美しい映像はもちろん、壮大なスケール感のある作品なので、ぜひ劇場に足を運んで見ていただきたいです。
リトル・マーメイド オリジナル・サウンドトラック
CD発売中/デジタル配信中
デジタル版:Apple Music、Amazon Music、Spotify、LINE MUSIC
<CDは3形態で発売中>
(英語版)UWCD-1115 2,750円(tax in)グラミー賞ノミネート・アーティスト ハリー・ベイリー他豪華オリジナル・キャストによる英語歌を収録!
(日本語版)UWCD-1116 2,750円(tax in)豪華吹替版キャストによる日本語歌を収録!
(デラックス版)UWCD-1117/8 3,850円(tax in)日本語歌・英語歌のほか日本限定でアラン・メンケンの書下ろしスコア(ボーナス・トラック)を収録した決定版!
詳細・購入はこちら:https://www.universal-music.co.jp/disneymusic/littlemermaid2023/
発売・配信元:ユニバーサル ミュージック合同会社
ディズニー実写映画『リトル・マーメイド』作品概要
2023年9月20日16時よりディズニープラスで見放題独占配信
原題:The Little Mermaid
監督:ロブ・マーシャル
音楽:アラン・メンケン&リン=マニュエル・ミランダ
出演:ハリー・ベイリー/メリッサ・マッカーシー/ジョナ・ハウアー=キング ハビエル・バルデム
日本語版吹替:豊原江理佳(アリエル)/浦嶋りんこ(アースラ)/海宝直人(エリック)/木村昴(セバスチャン)/野地祐翔(フランダー)/高乃麗(スカットル)/大塚明夫(トリトン王)
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
取材・編集:あずさゆみ(Dtimes.jp)
写真:MezzoMiki(MezzoMikiのディズニーブログ)
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