ディズニー・アニメーションや映画・テーマパークの名曲の数々を、スクリーンに映し出される映像とともに、オーケストラと歌のパフォーマンスでお贈りする「ディズニー・オン・クラシック」
2002年に誕生した「ディズニー・オン・クラシック」は「ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2022」で記念すべき20周年のアニバーサリーを迎えます。
今回は、そんな「ディズニー・オン・クラシック」の生みの親・ハーモニージャパン株式会社 代表取締役 日下部勝德さんにインタビュー。
20年間の歩みをうかがいました。
「ディズニー・オン・クラシック」生みの親・ハーモニージャパン 日下部勝德さんインタビュー
ディズニーの珠玉の名曲の数々を、フル編成のオーケストラと、ブロードウェイで活躍するヴォーカリストの素敵な演奏にのせてお届けする、大人のための音楽会「ディズニー・オン・クラシック」
ウォルト・ディズニーが創り出してきた 愛、夢、優しさ、希望、勇気、友情、冒険を音楽と映像で楽しむことができる人気のコンサートです。
そんな「ディズニー・オン・クラシック」は、2022年9月10日から公演されている「ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2022」で20周年!
今回は「ディズニー・オン・クラシック」の生みの親・ハーモニージャパン株式会社代表取締役 日下部勝德さんに、20年間の歩みや想いを伺いました。
「ディズニー・オン・クラシック」は日本発・世界初のディズニーコンサート
ーーー 2002年の初公演から「ディズニー・オン・クラシック」は20年を迎えます。
「ディズニー・オン・クラシック」といえば、ディズニーファンは誰もが知る大人気のコンサートですが、ディズニー音楽のコンサートを企画しようと思ったきっかけを教えてください。
日下部勝德さん:
2002年秋、『ディズニー・オン・クラシック~まほうの夜の音楽会(以下、ディズニー・オン・クラシック)』は、東京・名古屋・大阪の3都市で産声を上げました。
もともと私はオーケストラに所属するプロのトロンボーン奏者で、20代前半のころ、日本で『美女と野獣』が封切られ、観賞する機会がありました。
そこでまず驚いたのが、素晴らしい音楽とオーケストレーション(※1)です。
美しい映像との相乗効果もあり、本当に心が震えました。
この時、“この音楽を自分でも演奏してみたい!”と強く感じたのが、 ディズニー・オン・クラシックを企画立案・プロデュースするきっかけだったように思います。
※1 オーケストレーションとは オーケストラ演奏用の編曲や管弦楽の楽器の編成法などのこと。
ーーー それまではディズニーのコンサートというものはなかったのですか?
日下部勝德さん:
「ディズニー・オン・アイス」や「ディズニー・ライブ」など、ディズニーのライブエンタテイメントは、アメリカで企画・制作されて全世界を回るのが通常でした。
『ディズニー・オン・クラシック』が発案から実施に至るまでには、約3年の月日が必要でした。
ただ、「『ディズニー・オン・クラシック』で世界を少しでも“優しい世の中”にしたい!」という共通の想いでつながった素晴らしい仲間たちとの仕事には、ネガティブな事は一切なく、前向きでとても楽しい時間でした。
この素敵な“チーム”によって、アメリカではなくここ日本から産声をあげたのです。
人気演目「ディズニー・ファンティリュージョン!」は選び抜かれた1曲
ーーー 今回の「ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2022」では1曲目に『東京ディズニーランド「ディズニー・ファンティリュージョン!」より“フェアリー・ガーデン”』を演奏されますね。
2002年、「ディズニー・オン・クラシック」第1回目公演もこの曲で幕を開けました。
数々のディズニーの名曲の中から、第1回目公演の1曲目にこの曲を選んだ理由は何だったのでしょうか。
日下部勝德さん:
このコンサートを作るときに、ディズニー・ミュージックの方が膨大な数のCDを提供してくれました。
ものすごい数のそのCDを片っ端から聞いていって、オープニングにふさわしい曲ってどれなんだろう、ということを考えながら構想を練っていったのです。
まずはコンサートの頭が決まらないと、そのあとの流れの見せ方も見えてこない。
「ディズニー・ファンティリュージョン!」は曲の出だしからハープと弦楽器しかないですよね。
それを聞いたときに、すごく斬新な感じがしました。
この曲は東京ディズニーランドの夜のパレードで使われていた曲で、ファンファーレのあとに英語でゲストを歓迎するメッセージが入っているんですよ。
そのメッセージが、「ようこそディズニー・オン・クラシックへ。一緒に楽しみましょう」というメッセージにリンクしたんです。
ーーー 「ディズニー・ファンティリュージョン!」はディズニー・オン・クラシックの代表曲のように感じているファンも多いのではないかと思います。
日下部勝德さん:
当時は先程お話ししたような思いでオープニング曲として採用したのですが、やっぱり音楽としても素晴らしい楽曲です。
すごくポジティブで、キラキラしていて、ディズニーらしい。
20年経ったいまでは、先の見えなかったパンデミックがようやく明けようとして希望を見いだせる曲になっていると思います。
こだわりは“「オリジナル楽譜」による演奏会の実現”
ーーー ディズニー・オン・クラシックのこだわりとして「オリジナル楽譜の再現」を謳っていますね。
日下部勝德さん:
コンサートを開催するにあたって一番こだわったポイントは、アニメーションや映画のレコーディングで使用した“「オリジナル楽譜」による演奏会の実現”です。
1937年の『白雪姫』をはじめ、1940年の『ピノキオ』、1950年の『シンデレラ』などといった、古い作品から現代の作品までもがみずみずしく甦る、そんなコンサート。
そのためには“オリジナル楽譜”での演奏は欠かせないと感じていました。
各作品の“オリジナル楽譜”を集めるため、ロサンゼルスのディズニー・ミュージック・グループの代表をはじめ、ディズニースタジオの音楽責任者が快く監修に協力してくれました。
きっと彼らも、“オリジナル楽譜”がかけがえのない宝物であることを感じていたのだと思います。
そんな過程を経て初めて終えたリハーサルで、初めて音が出た時、涙がこみ上げてきたのを今でも覚えています。
やはり、“オリジナル楽譜”の音楽には、ディズニーの素敵な“まほう”がかけられているように思うのです。
ーーー 大胆にアレンジを加えるような前例はありますか?
日下部勝德さん:
ガラッと印象を変えるようなアレンジはないのですが、「ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2022」では『メリー・ポピンズ』から5曲を組曲としてアレンジしています。
私の尊敬するウォルト・ディズニーと一緒に歩んだ作曲家と言えばシャーマン兄弟で、彼らは素晴らしい楽曲をたくさん残し、いくつもの賞を受賞してきました。
2023年で100周年を迎えるウォルト・ディズニー・スタジオに敬意を表して、20周年を迎えるディズニー・オン・クラシックで『メリー・ポピンズ』組曲を演奏します。
「凧をあげよう」、「お砂糖ひとさじで」、「チム・チム・チェリー」、「2ペンスを鳩に」、「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」の5曲が素晴らしいアレンジで組曲に仕上がっています。
ファンと一緒に作り上げてきたコンサート
ーーー ディズニー・オン・クラシックは、ファンとの距離が近いことも人気の理由のひとつかと思います。
演目でも「ベスト・オブ・ファンリクエスト」というようなかたちでファンのリクエストに応えていますよね。
日下部勝德さん:
今回の「ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2022」のプログラムは、プロデューサーズ・チョイス以外は全て2021年秋の公演でのお客様のアンケートから選ばれています。
公演アンケートの中にリクエストコーナーというものがあって、そのお客様からのリクエストの多かった第1位の曲を3曲、プログラムに組み込んでいます。
作品部門の1位が『リトル・マーメイド』、パーク部門が「コンパス・オブ・ユア・ハート」、歌唱部門が実写映画『アラジン』の「スピーチレス」で、偶然かもしれませんが、3曲ともアラン・メンケンの曲になっているんです。
コアなお客様が多いのかもしれないけど、そういった方が書いてくれたことも私たちはなるべく叶えたいという気持ちがあり、毎回、アンケートに書かれた内容は全て拝見しています。
ーーー 「ペンライト」も今では定番のグッズですね。みんなで振るとステージとゲストの距離が近くなったような気がして、会場に一体感が生まれます。
日下部勝德さん:
私は公演時には必ずPA席(音響スタッフ席)にいてステージ全体を客席からみているので、何度も公演に足を運んでくださっているファンの方とお話をする機会もあるんですね。
その中で「ペンライトを振らせてください、曲中に1分でも2分でも振りたい」と熱烈な声をいただいたことがありまして。
まずは3年間やってみよう、とそのアイデアを採用したんです。
そのペンライトのアイデアは瞬く間に受け入れられて、2年目にはみんなで振ってくれるようになったんですね。
ステージと自分たち、そしてお客様とが一つになるという願いが叶ったかなと思っています。
20周年クロニクルには秘蔵写真と数字で歴史を振り返り!
ーーー 最後に、「ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2022」を楽しみにしている方、ディズニー・オン・クラシックのファンのみなさんにメッセージをお願いします。
日下部勝德さん:
「ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2022」のパンフレットには20周年クロニクルがついてくるのですが、これがすごい面白いですね。
ブラッド・ケリーさんやペイジ・オハラさんといったこれまで参加されてきた方々からのメッセージや、カプセルトイが27万回転などの数字でこれまでの歩みを振り返ります。
本当いい冊子で、20年の歴史が蘇ってきます。
この混沌とした時代ですけれども、明るいところが見えてきています。
みんなで輝きを見ていきましょう。それが一番です。
「ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2022」全国開催スケジュール
※開場は開演1時間前
※バリエーションやチケット料金は、オフィシャルサイトを確認ください
日程: 2022年9月10日(土)~12月25日(日)
テーマ: Infinite Love 〜輝きの未来へ
公演時間:約2時間40分(休憩含む)
オフィシャルサイト:https://www.disney.co.jp/eventlive/onclassic.html
主管:Disney Concerts
特別協賛:株式会社ジェーシービー
協賛:シチズン時計株式会社
後援:ユニバーサル ミュージック合同会社/アメリカ大使館
協力:月刊「ディズニーファン」
制作:Harmony JAPAN
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取材協力:ハーモニージャパン株式会社