記事ポイント
- 蓄光塗料で描いた《Closer:「Sound of Silence #2」》が暗転で浮かぶ
- 2011年作《Closer》の再展示にシルクスクリーン新作を織り交ぜる
- 入場無料、来学時の事前予約は不要
滋賀県大津市の成安造形大学【キャンパスが美術館】で、セイアンアーツアテンション19『木藤純子展 The Light Remembers ―いつか見た風景 Closer, 2011-2026』が2026年10月13日(火)から11月13日(金)まで開かれています。
同大学卒業生・木藤純子の2011年作《Closer》の再展示を中心に、シルクスクリーンの新作も加わります。
暗転した空間で蓄光塗料の図像が浮かび上がる体験と、インスタレーション作品の再現・保存という問いが見どころです。
成安造形大学【キャンパスが美術館】セイアンアーツアテンション19『木藤純子展 The Light Remembers ―いつか見た風景 Closer, 2011-2026』
- 会期:2026年10月13日(火)~11月13日(金) 11:00~17:00
- 休館日:日・月曜日
- 会場:成安造形大学【キャンパスが美術館】(滋賀県大津市)
- 入場:無料。来学時の事前予約は不要
- 主催:成安造形大学、成安造形大学同窓会
- アクセス:JRおごと温泉駅下車。専用バス停(滋賀銀行前)よりスクールバスで3分(無料)、または江若交通の路線バス97系統「成安造形大学前」下車。大阪駅からJR京都線/湖西線で46分、京都駅から湖西線で20分。スクールバスは土曜・日曜・祝日運休
- 駐車場:新棟建設に伴い利用制限あり。来場は公共交通機関を利用
今回の木藤純子展は、成安造形大学と同窓会(KAITSUBURI)との連携事業です。


出展する木藤純子(KIDO Junko)は、2000年に同大学造形学部造形美術科洋画クラス研究生を修了した卒業生です。
木藤は主にインスタレーションを手法とし、蓄光塗料や花びらなど周囲の環境に影響を受けやすい素材をあえて用いて、作品が置かれた空間の「場所性」を逆説的に浮かび上がらせます。
その作品は、各々の場所で木藤自身が感じ取った感覚の提示であり、時間の経過そのものを作品体験の一部として取り込み、ささやかでありながら見る者に力強く作用します。
本展は、2011年に国立国際美術館で開かれた「世界制作の方法“Ways of Worldmaking”」に出展した作品《Closer》の再構築・再展示を中心に、シルクスクリーンによる新作を織り交ぜて構成されます。
メインの《Closer:「Sound of Silence #2」》は、木藤がかつて訪れた場所から得た感覚を蓄光塗料で描いた作品で、描画材の特性により、暗転することで図像が浮かび上がります。
夜明けとともに徐々に白んでいく風景のように、蓄えた光で自ら発光する図像が、独特の浮遊感をまとって現れます。
それは作者がかつて記憶した「光」であり、鑑賞者にとってもいつか出会った「光景」を思い起こさせる体験になります。
もう一つのテーマは、過去作品の再現と保存です。
本来「会期中限りの体験」だったインスタレーションを15年越しに再展示・再構成するとき、どのような課題が浮かぶのかを問います。
描画材の消耗や支持体の経年劣化、場所との一体化を重視する作品の移設は、絵画や彫刻とは異なる問題を提起し、当初仮設として制作された大型作品を遺すには、組立/解体と保存方法といったテクニカルな側面にも触れることになります。
本展ではこうした課題を、展示とイベントの両面から検討します。
木藤は1976年富山県生まれで、1999年に成安造形大学造形学部造形美術科洋画クラスを卒業し、2000年に同クラス研究生を修了しました。
発表歴は、2000年「keep off the grass」(立体ギャラリー射手座、京都)、2004年「ライト light / right」(muzz program space、京都)、2006年「solo exhibition / 5 artists vol.5 木藤純子展」(GALLERY CAPTION、岐阜)、2007年「RAKU solo program vol.1 木藤純子展」(GALLERY RAKU、京都)、2008年「Vostok」(GALLERY CAPTION、岐阜)と続きます。

2009年には「Calling」(みのかも文化の森 美濃加茂市民ミュージアム、岐阜)、2010年には「白と黒 / Black & White」(ART SPACE NIJI、京都)を発表しました。
2008年には《skypot》を発表しています。
2014年には「明倫茶会『三月の明倫茶会』」(京都芸術センター、京都)、「ひるとよる」(GALLERY CAPTION、岐阜)、「Winter Bloom」(兵庫県立美術館、兵庫)を発表しました。

2019年には「Winter Bloom – ふゆにさくはな」(入善町 下山芸術の森 発電所美術館、富山)を発表しました。

会場のキャンパス内には複数のギャラリースペースがあり、回遊しながら様々な展覧会を鑑賞できます。
暗転の中で立ち上がる蓄光塗料の光と、15年越しの再展示が投げかける保存の問いを一度に味わえる木藤純子展です。
入場無料で事前予約も不要なので、休館日の日・月曜日を避け、公共交通機関で気軽に訪れられます。








