記事ポイント
- 30ミリ角の印面に蓮華を手にした菩薩を刻み、最も細い部分は約0.1ミリの線で表現
- 第26回全国印章技術大競技会の木口密刻の部で金賞を受賞
- 師や研究会での学びを生かし、構想から6か月かけて完成
印章店「鎌倉はんこ」の印章職人・月野允裕による作品が、「第26回全国印章技術大競技会」の木口密刻の部で金賞(中央職業能力開発協会長賞)を受賞しました。
30ミリ角の小さな印面に、蓮華を手にした菩薩を精緻に彫り込んだ作品です。
鎌倉はんこ 第26回全国印章技術大競技会 木口密刻の部 金賞受賞作品

- 大会名:第26回全国印章技術大競技会
- 受賞部門:木口密刻
- 賞:金賞(中央職業能力開発協会長賞)
- 大会の出品数:全9部門 151点
- 表彰式:2026年10月3日/群馬県みなかみ町
- 受賞作品の印面:30ミリ角
- 最も細い部分の線幅:約0.1ミリ
- 制作期間:構想から完成まで6か月
金賞受賞作品は、菩薩の顔の目鼻や衣のひだ、胸元の装身具まで細かな線で表現しています。
限られた印面の中で追求したのは、細部の表現と全体の調和です。
細い線の技巧だけでなく、線と余白がつくる菩薩の姿全体にも目を向けたくなる一作です。

第26回全国印章技術大競技会は、全国の印章職人が技術を競う業界最大の競技会です。
菩薩を題材に選んだ背景には、月野允裕が北鎌倉の円覚寺や浄智寺などの禅寺で座禅を組んできた経験があります。
その経験から、蓮華を手にした菩薩の姿を小さな印の中に表したいと考え、本作の制作につなげました。

制作にあたり月野允裕は、「現代の名工」に選ばれた師匠・長澤豊氏のもとへ毎週通い、字形や彫刻の基本について指導を受けました。
大臣賞などの受賞歴を持つ研究会の先生方からも学び、その教えを作品に生かしています。
師匠から受け継ぐ技術を日々の実践で確かめながら、細部まで丹念に彫り進めた作品です。
月野允裕は、目の前の一刀に集中して余分を削り、線と余白のバランスを見極めながら印にふさわしい姿を彫り出す営みに、禅とのつながりを感じています。
月野允裕は作品について、「構想から6か月をかけて完成させた作品です。現代の名工である師匠や研究会の先生方から学んだことを、毎日の制作に取り入れてきました。鎌倉の寺院で座禅を組むことで、心が整った状態で印に向き合えたと感じています。一刀一刀、今の作業に集中し、余分な箇所を彫り、線と余白の調和を探る。私にとって印章づくりは、禅の考え方とつながる営みでもあります。」とコメントしています。
[鎌倉はんこの金賞受賞作品](

)は、精緻な彫刻と線・余白の調和を追求した一作です。
30ミリ角に菩薩を刻んだ金賞受賞作品には、師から学ぶ技術と、禅に向き合う日々が重なっています。
約0.1ミリの繊細な線と余白の調和に、小さな印章ならではの表現の奥深さを感じる作品です。
©(一社)全印協







