2026年に開園25周年を迎えた東京ディズニーシー。
パーク全体を彩る特別なデコレーションやキャストのおもてなしには、ゲストを物語の世界へ深く没入させるための緻密なこだわりが隠されています。
今回は、アニバーサリーイベント「スパークリング・ジュビリー」の世界観の作り方に迫ります。
東京ディズニーシー25周年「スパークリング・ジュビリー」“冒険とイマジネーションの海”を紡ぐデコレーション

2026年で開園25周年となる東京ディズニーシー。
一歩足を踏み入れると、目の前には“冒険とイマジネーションの海”をコンセプトにした非日常の空間が広がります。
さらにそこにはゲストが最上の物語を満喫できるよう、季節やイベントごとにパークを彩るデコレーションやキャストによるおもてなしなど、ハード・ソフトの両面から細やかな工夫やホスピタリティが徹底されています。
ここでは、デコレーションへのこだわりや開園25周年を祝う“スパークリング・ジュビリー”について、オリエンタルランドのデザインサービスグループの杉田さん、宮下さんの話を交えて紹介します。
テーマポートを“旅するように巡る”構造

東京ディズニーシーに入ると、海と空以外の“現実”が視界から消え、まさに物語の世界に入り込んだような没入感に包まれます。

プロメテウス火山を中心としたダイナミックな地形に、テーマポートに込められたストーリーごとにまったく異なる景色が広がり、ゲストを“物語の旅”へといざないます。

東京ディズニーランド®がシンデレラ城を中心に放射状に広がる道で各テーマランドがつながっているのに対し、東京ディズニーシーは、海や水路に沿ってテーマポートがつながっています。

橋を渡り、水路に沿って歩くたび、移り変わる景色 。この景色が移り変わる構造により、世界を旅しているような体験を生み出しているのです。
異なる世界観で魅了する、8つのテーマポートのストーリー
東京ディズニーシーには「海」にまつわる物語や伝説をベースとした8つのテーマポートがあります。
まず東京ディズニーシーに来て最初に見る景色、南ヨーロッパの古き良き港町である「メディテレーニアンハーバー」
そして、20世紀初頭のアメリカに見られた2つの港町をノスタルジックに表現した「アメリカンウォーターフロント」
自然と科学が調和し、メタリックな建物が立ち並ぶ、時空を超えた未来のマリーナ「ポートディスカバリー」
1930年代の中央アメリカのジャングル「ロストリバーデルタ」
ディズニー映画『リトル・マーメイド』に登場するアリエルと仲間たちが住むゆかいな海底王国「マーメイドラグーン」
ジーニーの魔法が生んだ魅惑的な世界「アラビアンコースト」
天才科学者ネモ船長の秘密基地「ミステリアスアイランド」
そして、新たに8つ目のテーマポートとして加わった、魔法の泉が導くディズニーファンタジーの世界「ファンタジースプリングス」です。
これら8つのテーマポートそれぞれ、造形・色彩・文化的背景などすべてに物語があり、東京ディズニーシーでしか体験することができない価値を構成しているのです。
“冒険とイマジネーションの海”の実現

東京ディズニーシーの“冒険とイマジネーションの海”というコンセプトのもと、ゲストに深い没入感を届けることを大切にしています。
例えば、隣接するテーマポート同士の見え方を工夫したり、植栽についてもテーマポートごとに変えたりしています。
そして世界観をさらに魅力的にするのがデコレーションです。
デコレーションにおいて大切にされているのは、テーマポートごとのストーリーを壊さないこと。
一方で、スペシャルイベント時においては特別感や高揚感を感じてもらうことも大切にされています。
杉田さんは、「デザイナーたちは、テーマポートの持つ歴史や文化的背景を尊重しながら、イベントならではの装飾をデザインしています。」と話します。
また宮下さんは、「とはいえ、まず私たち自身がワクワクしながらデザインすることも重要で、そのワクワクをゲストに提供し続けたい気持ちが大事なのではないかと思っています。」と語ります。
例えば、「アメリカンウォーターフロント」のブロードウェイ・ミュージックシアター周辺には、電化によって華やぎはじめた20世紀初頭のニューヨークの街並みが広がります。
通りを挟んだウォーターフロント側は、ガス灯が残る古い港町。
その違いは、イベントのデコレーションにも見られます。

クリスマスオーナメントであれば、ブロードウェイ側にはカラフルで華やかなオーナメントを用いて街の活気を象徴的に表現し、ウォーターフロント側はトーンを落としたシックな色味で統一しています。
常設物にイベント用装飾をする場合には、既存の色や質感をほんの少し変えアクセントを付けることで、「何か新しいものが増えている。」とゲストが気づけるような工夫も施されています。
世界観を壊さずにデコレーションで“さりげない変化”を生み出すことによって、ゲストはいつ来園しても新鮮な気づきを楽しむことができるのです。
ゲストにより楽しんでもらうための視点
スペシャルイベントのデコレーションを考える際にも、ゲストにどのように楽しんでもらうかが常に意識されています。
屋外に設置されることの多いデコレーションは、風や雨、日差し、照明などの影響を強く受けるため、いつどんなときに見ても楽しめるよう、ゲストの視線の動きや、写真映えまで考慮されています。
「ゲストのフォトロケーションにおいても、その場所の世界観を大事にしながら、イベントならではの物語や空間体験を表現するという考え方は変わりません。」と、杉田さんは語ります。
開園25周年の祝祭感を盛り上げるデコレーション

2026年4月15日(水)からスタートした「東京ディズニーシー25周年“スパークリング・ジュビリー”」の環境演出についても注目です。
東京ディズニーシー25周年のクリエイティブ開発においては、2024年に「ファンタジースプリングス」がオープンしたことをきっかけに、新たな東京ディズニーシーの魅力を表現できないかと検討されてきたそうです。
「ファンタジースプリングスの泉から湧き出てくる新しい世界観も加え、25周年はまさに“新しい扉を開く気持ちになれる場所をつくる”ことを考えています。鍵となるのが、東京ディズニーシーのさまざまな海の魅力から着想を得たブルーに、きらめきや祝祭感を表現した特別な青“ジュビリーブルー”です。」と語る宮下さん。
テーマカラーが決まれば、世界観はどんどんと広がっていきます。
メディテレーニアンハーバーでは石造りの街並みになじむ「ジュビリーブルーのステンドグラス」、アメリカンウォーターフロントでは活気ある町の住民が飾りつけた「ジュビリーブルーの青い花」、S.S.コロンビア号周辺では高級感を「深いジュビリーブルー」で表現するなど、エリアにふさわしい“ジュビリーブルー”のトーンとデコレーション素材を組み合わせてデザインを展開。
“ジュビリーブルー”によって東京ディズニーシー全体に統一感を生み出し、表現の変化によりエリアごとの物語を両立させています。
25周年を祝福するテーマポートごとの特別なデコレーション
「東京ディズニーシー25周年“スパークリング・ジュビリー”」だけの体験について、いくつか紹介します。
ディズニーシー・アクアスフィア、25周年の物語がはじまる場所

東京ディズニーシーのエントランスでゲストを迎えるシンボル「ディズニーシー・アクアスフィア」は、25周年の物語がはじまる場所でもあります。
ミッキーマウスとミニーマウスが25周年の扉を開き、新しい祝祭の世界へ踏み出していく高揚感がデザインされました。
記念に残るフォトスポットとしても楽しめるようになっています。
ミラコスタ通り――祝祭のストリート

ミラコスタ通りは、25周年の世界観が一気に花開く“祝祭の玄関口”です。

各テーマポートで展開する“ジュビリーブルー”を組み合わせ、トーンの異なる美しい青のレイヤー装飾が施されました。

青の濃淡や素材の反射率、夜間照明による輝き方など緻密に計算されており、昼と夜でまったく違う表情に。

見上げたときにだけ気づくモチーフや、写真を撮影して気づくきらめきなど、細部まで工夫が凝らされています。
ポンテ・ヴェッキオにある特別な空間

ポンテ・ヴェッキオ橋の上、商品店舗「リメンブランツェ」横にある普段は立ち入ることのできない部屋が、25周年限定で公開されています。

周年期間中、部屋の中は画材や顔料など、さまざまな青の素材で占められた特別な空間に。
「リメンブランツェ」で専用のボトルを購入したゲストは、その部屋に入り、ジュビリーブルーストーンを持ち帰ることで、きらめきであふれる祝祭感を一緒に体験できる場所でもあります。
アラビアンコースト――夜に現れる“青の魔法”

ジーニーの魔法によって生まれた世界というストーリーを持つアラビアンコーストに、 “ジュビリーブルー”をどうなじませるかが検討されました。

夜になるとアラビアンコーストの中庭は“ジュビリーブルー”にライトアップされ、祝祭の夜を彩ります。
音楽やキャラクターの声が聞こえることもあります。
広報担当に聞く、ゲストをおもてなしするキャストの重要な役割

「東京ディズニーシー25周年“スパークリング・ジュビリー”」では、ミッキーマウスやミニーマウスたちも華やかなきらめきの衣装をまとって登場します。

そして、ゲストをお迎えするキャストも“ジュビリーブルー”のネームタグをつけて一緒にお祝いします。
このキャストこそ、ゲストに東京ディズニーシーを満喫していただくうえで重要な存在になっています。
ゲストをパークの世界観により深く導くのはキャストの力です。
そこで、キャストがどのようにしてパークの物語を体現しているのか、広報担当はこのように話します。
「まず、キャストは各テーマポートのストーリーを深く理解し、その物語の一部となりゲストをおもてなしすることを大事にしています。表情やしぐさ、声のトーンといった振る舞いで、キャストは物語の一部として役割を表現します。これらはゲストの気持ちに寄り添い、目の前の世界をより魅力的に感じてもらうための重要な要素です。」
ディズニーテーマパークでは、キャストはテーマポートの物語に沿った役割を与えられており、キャスト自身がその世界に存在しているように振る舞うことで、ゲストを物語へ引き込む自然なコミュニケーションが生まれます。
このような取り組みが、東京ディズニーシーの魅力をいっそう高めているのです。
※写真はすべてイメージです
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