記事ポイント
- 厚労省推奨の身体活動量を達成しているのは全体の46.6%のみ
- 成人(20-64歳)の達成率は44.7%と半数を下回る深刻な実態
- 1日の平均歩数は6,648歩・座位時間は8.8時間と基準値を下回る
日本人の約半数しか、厚生労働省が推奨する身体活動量を達成できていないことが明らかになっています。
明治安田厚生事業団と笹川スポーツ財団が2025年11月に実施した「活動量計による身体活動・スポーツの実態把握調査2025」の速報値では、推奨身体活動量の達成率は全体で46.6%にとどまります。
特に現役世代の成人では達成率が44.7%と半数を割り込み、座位時間が1日8.8時間に及ぶ実態も浮き彫りになっています。
明治安田厚生事業団・笹川スポーツ財団「活動量計による身体活動・スポーツの実態把握調査2025」

- 調査名:活動量計による身体活動・スポーツの実態把握調査2025
- 実施時期:2025年11月
- 調査主体:明治安田厚生事業団・笹川スポーツ財団(共同研究)
- 調査対象:全国47都道府県200地点の満20歳以上80歳未満の男女6,000人
- 有効解析対象者:1,353人(有効回収率22.6%)
- 調査方法:三軸加速度センサー搭載の活動量計を7日間装着+質問票
本調査は、2023年度から継続している全国規模の共同研究です。
2024年度より全国47都道府県200地点で実施しており、客観的なデータとして日本人の身体活動の実態を把握することを目指しています。
活動量計は腰に装着するだけで1分ごとに身体活動データを記録し、歩数・活動強度・座位時間を精密に測定できます。
推奨身体活動量の達成率は46.6%
2024年1月、厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」において新しい推奨身体活動量を提示しています。
推奨内容は成人(20-64歳)が1日60分以上(約8,000歩以上・週23メッツ・時以上)、高齢者(65歳以上)が1日40分以上(約6,000歩以上・週15メッツ・時以上)の歩行相当の身体活動です。
2025年度調査における推奨身体活動量の達成率は全体で46.6%となっており、2024年度調査の47.9%と比べて大きな差は見られません。
年齢層別では、成人(20-64歳)が44.7%、高齢者(65-79歳)が53.3%で、成人は2024年度調査に続いて半数を下回っています。
性別では、成人男性45.5%・女性44.2%、高齢者男性54.2%・女性52.2%となっています。

1日あたりの歩数は、成人が7,017歩、高齢者が5,428歩と、いずれも身体活動ガイド2023が示す基準を下回っています。
1日あたりの座位行動時間は全体で8.8時間(成人8.8時間・高齢者8.6時間)に上り、現代の生活スタイルにおける「座りすぎ」の実態が数字で示されています。
なお、結果の集計には外れ値の影響を受けにくい「中央値」を使用しており、より実態に近いデータとなっています。
調査の意義と背景
これまで、国民がどの程度身体活動を行っているかを把握するための全国規模・客観的データは存在していません。
本調査は層化二段無作為抽出法で選ばれた200地点の参加者に活動量計を7日間装着してもらうことで、自己申告に頼らない客観的な身体活動の実態測定を実現しています。
活動量計は「安静にしている状態より多くのエネルギーを消費する全ての動作」を指す身体活動を低強度・中高強度に分類して記録します。
歩行は3メッツ、速歩は4.5メッツ、ランニングは10メッツと定義されており、活動の質と量の両面から日常の動きを評価できます。
日本人の約半数が厚労省推奨の身体活動量を達成できていない実態が、客観的なデータで初めて全国規模で明らかになっています。
特に現役世代の成人は達成率44.7%と低く、1日8.8時間という長い座位時間との組み合わせが健康リスクとして浮き彫りになっています。
2023年度から継続するこの共同研究は、政策立案や健康づくり施策の根拠となる客観的データとして活用が期待されています。
「活動量計による身体活動・スポーツの実態把握調査2025」の紹介でした。
よくある質問
Q. 厚労省が推奨する身体活動量とはどのくらいですか?
A. 成人(20-64歳)は1日60分以上(約8,000歩以上・週23メッツ・時以上)、高齢者(65歳以上)は1日40分以上(約6,000歩以上・週15メッツ・時以上)の歩行相当以上の身体活動が推奨されています。
Q. 今回の調査で成人の達成率が低い理由として何が考えられますか?
A. 調査では成人の1日平均歩数が7,017歩(基準約8,000歩を下回る)、座位行動時間が8.8時間に及ぶことが示されており、デスクワーク中心の生活スタイルが達成率44.7%という低水準の背景にあると考えられます。