ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの開業25周年という記念すべき節目に、合同会社ユー・エス・ジェイ 社長の村山卓(むらやま たく)氏が囲み取材に応じました。
自身の体験から、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが世界トップクラスのテーマパークへと成長した要因、そして未来に向けた展望まで、熱い想いが語られたインタビューの模様をお届けします。
合同会社ユー・エス・ジェイ 社長 村山卓氏インタビュー

―― 開業25周年を迎えた、現在の率直なお気持ちをお聞かせください。
村山社長:
私自身、25年前にこのパークで仕事を始めました。
社会人として最初の担当はパーキング(駐車場)のクルーだったため、パーク内でのグランドオープニングのセレモニーを見ることができなかったんです。
ですので今日、実際に自分が中心となって25周年の宣言をしている姿を客観的に見て、「本当に25年経ったんだな」と感慨深い気持ちでいっぱいです。
この25年の間に、当パークは外部調査において「アジア1位、世界3位」のテーマパークに成長することができました。これもひとえに、ゲストお一人お一人のサポートがあってこそだと考えています。
―― 世界3位という結果につながった、具体的な施策や要因は何だとお考えですか?
村山社長:
大きく2つあると考えています。
1つ目は、ゲストの皆様が何を考え、市場がどう変化していくのかを「本気で理解する」ということに徹底して取り組んできたことです。
日々のマーケティング調査はもちろん、毎日ゲストの満足度調査を行い、日々の努力の積み重ねでゲストの想いを理解することに努めています。
2つ目は、クルー一人一人の情熱です。
私は日常的にクルーと対話する場を設けているのですが、直接話すたびに「本当にみんなこのパークを愛してくれているんだな」と実感します。
そのパッションや情熱がゲストの皆様にもしっかり伝わり、最高のサービスを届けるという気持ちが、世界3位という結果につながったのだと確信しています。
―― 25年間パークを見続けてきた中で、ビジネスとして一番のターニングポイントは何でしたか?
村山社長:
時間があれば3時間くらい話したいところですが(笑)、やはり2014年の『ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター』の導入ですね。
それまでもユニバーサル・スタジオ・ジャパンは強い集客力を持ち順調に成長してきましたが、ハリー・ポッターを導入したことによって、全国からのゲストに加え、海外からのインバウンドのお客様が急激に増えていきました。
実際のデータを見ても、2014年から2015年にかけて大阪へ来る観光客の数が急増しています。
そういう意味で、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンだけでなく「大阪・関西にとっての一つのターニングポイント」になったと考えています。
―― 25年間で「変わらないこと」と「変わったこと」を教えてください。
村山社長:
「変わらないこと」は、やはりクルー一人一人のパークに対する情熱です。
逆に「変わったこと」は、ビジネスとして常に新しいことにチャレンジしてきた点です。
『スーパー・ニンテンドー・ワールド』をはじめとする新しいアトラクションの導入など、パーク自体の物理的な風景は大きく進化してきました。
―― インバウンド(訪日外国人)のゲストが増加していますが、どのような戦略をとられていますか?
村山社長:
インバウンドの増加に対しては、まず「言語の対応」を強化しています。
外国籍の従業員数を計画的に増やしているほか、言語だけでなく、ゲストの様々な文化的背景や感じ方を理解することに力を入れています。
日本人だけでなく、海外のお客様の満足度も本気で上げていきたいと考えています。
インバウンドのお客様から高く評価されているポイントは2つあります。
1つ目は「クルーのサービス」です。
海外のお客様からも「クルーの対応が素晴らしい」というコメントを多数いただいており、これが最も重要な強みです。
2つ目は「日本のIP(アニメやゲームなどの知的財産)」の戦略的な展開です。
世界で認められている日本のIPをユニバーサル・スタジオ・ジャパンで展開する際、私たちは“クオリティ”に非常にこだわっています。
素晴らしいIPをこの素晴らしいテーマパークで展開し、海外のお客様にも忘れられない思い出を作っていただきたいと考えています。
―― 今後の成長について、どのようなビジョンをお持ちですか?
村山社長:
ビジネスとしてパークを成長させていくことはもちろん重要ですが、それ以上に「地元の大阪・関西社会にきちんと認められる企業になること」が重要だと思っています。
私たちが社会貢献においてフォーカスしているのは、「大阪・関西の子どもたちが未来を明るく、色々な可能性があるんだと考え手もらえる」ような活動です。
これまでも「子ども食堂」の支援や、小学校に赴いて「自分が感じたままに、どんな絵でも描いていいんだよ」と伝える出張授業などを実施してきました。
これからも大阪府・大阪市と連携しながら、子どもたちが夢や可能性を感じられるような活動を続けていきたいと強く思っています。

村山社長の言葉からは、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを支えるスタッフへの深い愛情と、ゲストを第一に考える真摯な姿勢が伝わってきました。
25周年という大きな節目を迎え、さらなる進化を続けるユニバーサル・スタジオ・ジャパンから、今後も目が離せません。