記事ポイント
- 室町時代創業の虎屋が東京大学・Brule Inc.と3Dプリンタ・3Dスキャナ活用の共同プロジェクトを2024年6月より展開
- 特製羊羹『千丈の翳』で大型FFF式3Dプリンタによる極めて細密な輪郭線の再現を実現
- 二次元の構想を素早く立体化できる即応性と微調整の柔軟性が和菓子づくりの新たな原動力に
室町時代後期に京都で創業した虎屋が、東京大学大学院工学系研究科ものづくり部門およびBruleと組み、3Dプリンタ・3Dスキャナを活用した共同プロジェクトを展開しています。
特製羊羹『千丈の翳』では、大型FFF式3Dプリンタ「Bambu Lab H2D Pro」を使用し、従来の手作業では難しかった極めて細密な輪郭線の再現を実現しています。
二次元の構想を迅速に立体へと具現化できる即応性と、微調整を可能にする柔軟性が、和菓子づくりにおける表現の幅を大きく広げています。
虎屋「3Dプリンタ×和菓子づくり共同プロジェクト進捗報告」

- プロジェクト開始:2024年6月
- 参加:株式会社 虎屋 / 東京大学大学院工学系研究科国際工学教育推進機構 ものづくり部門 / Brule Inc.
- 使用機器:Bambu Lab H2D Pro(大型FFF式3Dプリンタ)
- 対象商品:特製羊羹『千丈の翳』(販売終了)
本プロジェクトは、虎屋が持つ500年超の和菓子づくりの歴史と技術、東京大学ものづくり部門が持つ高精度機器と技術的知見、そしてBruleが提供する最新3Dプリンタという3つの強みを掛け合わせて展開しています。
2023年度よりBruleと東京大学は「3DPATC」として学外企業への3Dプリンタ・3次元計測器を用いたものづくり支援を行っており、その連携が本プロジェクトの基盤です。

3Dスキャナを活用することで、伝統的な和菓子の木型を精密にデジタルデータ化し、次世代の商品開発へ直接活かせる環境が整っています。
特製羊羹『千丈の翳』での成果

プロジェクトの成果として注目されるのが、特製羊羹『千丈の翳』です。
大型FFF式3Dプリンタ「Bambu Lab H2D Pro」を原型作成に採用することで、羊羹の長さを切れ目なく造形しながら、輪郭線を美しく再現できるという特性を最大限に引き出しています。
その結果、職人の手作業だけでは形にすることが難しかった、極めて細密で美しい輪郭線の表現が実現しています。
Bambu Lab H2D Proが拓く和菓子の表現

3Dスキャナで取得した木型のデジタルデータは、微細なディテールまで忠実に記録されており、そのデータを3Dプリンタへフィードバックすることで、二次元の構想を素早く立体へと具現化できます。
従来のアナログ工程では数日を要していた試作の反復サイクルも、デジタルデータを介した修正・再出力によって大幅に短縮されます。

伝統と最新技術の融合により、職人が長年培ってきた感性とデジタル精度が互いを補い合う、新しいものづくりの形が和菓子の世界に生まれています。
虎屋は「おいしい和菓子を喜んで召し上がって頂く」という経営理念のもと、3Dプリンタ技術を商品開発の原動力として取り入れ、未来に向けた取り組みを続けています。
3Dプリンタと3Dスキャナの活用が、500年以上続く和菓子文化に新たな表現軸をもたらしています。
即応性と柔軟性を備えたデジタル技術が、和菓子の細密な造形表現を大きく拡張しています。
虎屋・東京大学大学院工学系研究科ものづくり部門・Bruleの3Dプリンタ×和菓子づくり共同プロジェクト進捗報告の紹介でした。
よくある質問
Q. 今回のプロジェクトで使用した3Dプリンタはどんな機種ですか?
A. 大型のFFF式3Dプリンタ「Bambu Lab H2D Pro」を使用しています。
羊羹の長さを切れ目なく造形しながら輪郭線を美しく再現できる機種で、羊羹の原型作成に採用されています。
Q. 特製羊羹『千丈の翳』はどこで購入できますか?
A. 特製羊羹『千丈の翳』は現在販売を終了しています。
本プロジェクトの進捗報告として紹介されている試作・研究段階の成果商品です。
Q. このプロジェクトはいつから始まっていますか?
A. 2024年6月より、 虎屋・東京大学大学院工学系研究科国際工学教育推進機構 ものづくり部門・Bruleの3者共同で開始しています。