記事ポイント
- 国立文化財機構所蔵の国宝を含む文化財94件を全国5都市で順次公開
- 群馬では国宝「埴輪 挂甲の武人」、秋田では佐竹本三十六歌仙絵が過去最多15幅里帰り
- 2026年7月から2027年5月にかけて群馬・秋田・神奈川・岡山・富山の5施設で開催
国立文化財機構 文化財活用センター〈ぶんかつ〉が、2026年度「国立文化財機構所蔵品貸与促進事業」の実施対象館を発表しています。
群馬県、秋田県、神奈川県、岡山県、富山県の5施設で、国宝を含む94件の文化財が順次公開される予定です。
文化財活用センター〈ぶんかつ〉「国立文化財機構所蔵品貸与促進事業」

- 事業名:国立文化財機構所蔵品貸与促進事業(2026年度)
- 実施対象:全国5施設(群馬県・秋田県・神奈川県・岡山県・富山県)
- 貸与予定件数:合計94件(国宝・重要文化財を含む)
- 会期:2026年7月10日〜2027年5月16日(施設により異なる)
本事業は、文化財活用センター〈ぶんかつ〉が作品輸送費等を支出し、東京国立博物館・京都国立博物館・奈良国立博物館・九州国立博物館などが所蔵する文化財を、各地域にゆかりのある博物館・美術館へ貸し出す取り組みです。
地域文化の創生や次世代への文化財の継承、観光振興を目的としており、より多くの方々が国立文化財機構所蔵の文化財に親しめる機会を提供しています。
群馬県立歴史博物館「ヨロイを着た古墳人がみた世界―奇跡の金井遺跡群―」
群馬県金井遺跡群出土品の重要文化財指定を記念した展覧会で、会期は2026年7月10日から2026年8月30日までです。
金井遺跡群は群馬県渋川市、榛名山北東麓にある古墳時代の集落跡で、6世紀初頭の榛名山の大噴火により被災した犠牲者や多数の出土品が火山灰でパックされた状態で発見されています。
国内初となる「ヨロイを着た古墳人」の発見は大きな話題となり、身に着けていたヨロイが国宝「埴輪 挂甲の武人」に表現されたものと同じ挂甲である点が注目を集めています。
東京国立博物館から国宝「埴輪 挂甲の武人」1件が貸し出される予定です。
秋田市立千秋美術館「おかえりなさい!佐竹本三十六歌仙絵とゆかりの名品」

会期は2026年8月1日から2026年9月23日までで、東京国立博物館から4件、京都国立博物館から1件の計5件が貸し出される予定です。
「佐竹本三十六歌仙絵」は鎌倉時代に制作された最高傑作といわれる歌仙絵で、かつて秋田藩20万石の佐竹家に伝来しています。
大正6年に佐竹家を離れ、大正8年には上下2巻の絵巻が一歌仙ごとに切断されて各所へ分蔵されており、本展では絵巻切断から100余年を経て過去最多の15幅が秋田へ里帰りします。
絵巻の各種模本も同時に展示され、近世における佐竹本三十六歌仙絵の図像の波及についても紹介されています。
平塚市博物館「名品たちの里帰り ―平塚ゆかりの考古資料―」

開館50周年を迎える平塚市博物館で、2026年10月24日から2026年12月27日まで開催されます。
平塚市には学史に残る万田貝塚と五領ヶ台貝塚や、相模国唯一の三角縁神獣鏡出土古墳である真土大塚山古墳など著名な遺跡があります。
戦前に行われた発掘調査の成果として市外の研究機関等に所蔵されている資料が多く、本展では数十年ぶりの帰還となる資料に加え、平塚市初展示の資料も並びます。
東京国立博物館から真土大塚山古墳出土品など28件の考古資料が貸し出される予定です。
岡山県立博物館「桃山陶 備前焼から見たその展開と終焉」

2027年1月9日から2027年3月7日まで開催され、東京国立博物館から10件が貸し出される予定です。
桃山時代は他の時期に類を見ない躍動感あふれる形のやきものが作られた時代であり、当時の流行を積極的に取り入れた備前は桃山陶の基準となる産地として注目を集めています。
備前焼の研究成果に基づきながら桃山陶の変遷を紹介すると同時に、その特徴や魅力について考える内容となっています。
重要文化財「鼠志野鶺鴒文鉢」をはじめとする名品が揃います。
秋水美術館「鑑賞陶器の精髄 コレクターの審美眼」

2027年3月13日から2027年5月16日まで開催され、京都国立博物館から陶磁作品50件が貸し出される予定です。
富山県は古美術商の廣田不弧斎や実業家の佐藤助九郎(助庵)など、鑑賞陶器のコレクターが多いことで知られています。
秋水美術館収蔵の作品と京都国立博物館所蔵の松井コレクションなどを合わせて展示し、コレクターの蒐集に対する考え方や趣向を比較しながら、確かな審美眼に基づく美の世界を紹介する展覧会です。

なお、2027年度の実施対象館の申請受付は2026年4月1日から6月30日まで行われます。
国宝「埴輪 挂甲の武人」や重要文化財「佐竹本三十六歌仙絵」など、普段は東京や京都でしか見られない名品を地元で鑑賞できる貴重な機会となっています。
各地域にゆかりのある文化財が里帰りすることで、地域の歴史や文化への理解がより深まる内容です。
全国5都市で順次開催される2026年度「国立文化財機構所蔵品貸与促進事業」の展覧会の紹介でした。
よくある質問
Q. 国立文化財機構所蔵品貸与促進事業の2026年度の開催場所はどこですか
A. 群馬県立歴史博物館(群馬県)、秋田市立千秋美術館(秋田県)、平塚市博物館(神奈川県)、岡山県立博物館(岡山県)、秋水美術館(富山県)の全国5施設で開催されます。
Q. 国宝「埴輪 挂甲の武人」はどこで見られますか
A. 群馬県立歴史博物館で2026年7月10日から2026年8月30日まで開催される「ヨロイを着た古墳人がみた世界―奇跡の金井遺跡群―」にて、東京国立博物館から貸し出される予定です。
Q. 佐竹本三十六歌仙絵は何幅里帰りしますか
A. 秋田市立千秋美術館で開催される展覧会にて、絵巻切断から100余年を経て過去最多の15幅が秋田へ里帰りします。